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2015-07-21

ソース(記事原文):Medline Plus

糖尿病治療薬「アクトス」がすい臓がんリスクを上昇させるという概念を研究が否定

【Medline Plus】(2015年7月21日) ― 過去に行なわれた小さな研究において糖尿病治療薬である「アクトス」が膀胱がんのリスクを高くする可能性があることが示唆されたが、そのような効果はないことが新規の大規模な研究でわかった。

しかしながら、その研究でアクトス(ピオグリタゾン)とすい臓がんリスク上昇との関連が見つかった。とはいえ、最終的に結びつけるには早すぎると専門家は言っている。

研究者が説明したように、過去に実施されたとある研究でアクトス服用による膀胱がんリスクの上昇が示唆されている。

オークランド州北カリフォルニア健康保険システム(Kaiser Permanente Northern California)のアッシャミラ・フェラーラ博士が率いるチームは、20万人におよぶ糖尿病患者の長期データをさらに調査した。

その結果、アクトス服用と膀胱がんリスク上昇には統計的に有意な関連性がないことがわかった。しかし小さなリスクの上昇は除外することはできない、と研究員は語っている。

さらに彼らが23万6000人のほかのグループの糖尿病患者の長期データを分析したところ、アクトスの服用はすい臓がんのリスクを40%高めることを発見した。

しかし、この関連性についてはさらなる調査が必要である、と研究者。

またとある専門家も、この種類の研究からアクトスの服用がすい臓がんを発症させる原因になるという結論を出すのは難しいと、同意している。

イゴール・アストサツロフ博士は、フィラデルフィアにあるフォックス・チェースがんセンターの内科的腫瘍学の主治医であるが、彼は炎症がすい臓がんの主なリスク要因であり、また糖尿病の人にとって慢性炎症は一般的な症状であることに気づいている。

「すい臓がんと関連している糖尿病はすい臓に慢性炎症が見られることから、おそらく共通項があります」と彼は説明する。

さらに進行した糖尿病を持つ患者でもアクトスが処方されることがあるため、錠剤が原因なのではなく、糖尿病と結びつく炎症がその張本人だと思われます、とアストサツロフ博士は語った。

この研究は、アクトスを製造している武田製薬が出資している『米国医師会ジャーナル』において7月21日に発表された。


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