以下の場合、シプリル5を絶対に服用しないでください。
・シプリル5の成分に対し過敏症の既往歴のある人
・血管浮腫の既往歴のある人(アンジオテンシン変換酵素阻害剤などの薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫など): 高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがあります。
・デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化プロビニルアルコールまたはポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の人: ショックを起こすことがあります。
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の人: アナフィラキシー様症状を発現することがあります。
・妊婦または妊娠している可能性のある人: 妊娠中期および末期にアンジオテンシン変換酵素阻害薬を服用した高血圧の人で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全および羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形などが現われたとの報告があります。
また、海外で実施ンされた疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害薬を服用したグループにおいて、胎児奇形の相対リスクは降圧剤を服用していないグループに比べ高かったとの報告があります。
【慎重服用】
・両側性腎動脈狭窄のある人
・高カリウム血症の人
・重篤な腎機能障害のある人
・脳血管障害のある人
・高齢者
【重要な基本的注意】
1.高血圧症および慢性心不全(軽症-中等症)共通
・両側性腎動脈狭窄のある人、または片腎で腎動脈狭窄のある人においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けてください。
・高カリウム血症の人においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断させる場合を除き、使用は避けてください。
また腎機能障害、コントロール不良の糖尿病などにより血清カリウム値が高くなりやすい人は、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意してください。
・降圧作用に基づくめまい、ふらつきが現われることがあるので、高所作業、自動車の運転など危険を伴う機械を操作する際には注意してください。
・手術後24時間は服用しないことが望ましいとされています。
2.高血圧の場合
・シプリル5の服用によって、特に次の人では初回服用後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、服用は少量から開始し、増量する場合は状態を充分に観察しながら徐々に行なってください。
1)重症の高血圧症の人
2)血圧透析中の人
3)離農降圧剤服用中の人(特に最近利尿降圧剤の服用を開始した人)
4)厳重な減塩療法中の人
・過度の血圧低下により心筋梗塞、または脳血管障害の危険性のある人においては服用は少量より開始し、増量する場合は状態を充分に観察しながら徐々に行なってください。
3.慢性心不全(軽症-中等症)の場合
・ジギタリス製剤、利尿剤などの基礎治療剤で充分な効果が認められない症例にのみ、シプリル5を追加使用してください。
なお、シプリル5の単独服用での有用性は確立されていません。
・重症の慢性心不全に対するシプリル5の有用性は確立されていません。
・初回服用後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、血圧などの観察を充分に行なってください。
特に次の人は、服用は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を充分に行なってください。
1)腎障害のある人
2)利尿剤服用中の人
3)厳重な減塩療法中の人
4)低ナトリウム血症の人
5)低血圧の人
6)過度の血圧低下により心筋梗塞、または脳血管障害の危険性のある人
・カリウム保持性利尿剤(スピノロラクトン、トリアムテレンなど)、カリウム補給剤を併用すると血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム値に注意してください。
・大動脈狭窄症または閉塞性肥大型心筋症のある人では角の血圧低下を来たし、症状を悪化させるおそれがあるので観察を充分に行なってください。
高齢者では一般に、過度の降圧は脳梗塞などが起こるおそれがあるため望ましくないとされているので、低用量から服用を開始するなど状態を観察しながら慎重に服用してください。
また、一般に高齢者では生理機能が低下しているので、BUN、クレアチニンの上昇など、腎機能の低下に注意してください。
授乳中の人は服用を避け、やむを得ず服用する場合には授乳を中止してください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。
インスリンまたは経口血糖降下剤の服用中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を使用することにより、低血糖が起こりやすいとの報告があります。
ほかのアンジオテンシン変換酵素阻害薬服用中の人が膜翅目毒(ハチ毒)による脱感作中にアナフィラキシー様症状を発現したとの報告があります。