プレミアコンティニュアス5mgは、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)0.625mgと酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA/黄体ホルモン)5mgの両方を有効成分とする「エストロゲン・黄体ホルモン配合剤」と呼ばれるグループに属するホルモン療法(HT)治療薬です。
閉経後の多くの女性が感じる不快症状(更年期障害)を和らげる働きがあるほか、骨粗鬆症・閉経後骨粗鬆症による骨の菲薄化で破砕が引き起こった場合にも効果を発揮します。
通常女性は、45歳~55歳の間で閉経を迎えます。閉経すると、女性の体はエストロゲン(卵胞ホルモン)の生成が閉経前と比べ減少します。症状は個人差がありますが、これが突発的に不快な発熱を起こす原因となり、顔・頸部・胸部のほてり、顔面紅潮、激しい熱と体中の発汗などの症状として現れます。またそのほかの症状として、性交時や性交後に不快な膣の乾燥を感じる女性もいます。エストロゲン(卵胞ホルモン)は、これらの症状を緩和・排除させるよう働きかけます。
また、40歳以降と特に閉経後、骨粗鬆症・閉経後骨粗鬆症の症状が現れる場合があります。
これは骨の菲薄化が原因で、特に背骨・臀部の骨・手根骨などの骨を弱く、簡単に折れやすくします。閉経後骨粗鬆症のリスクは、エストロゲン(卵胞ホルモン)の欠乏により増加しますが、エストロゲン(卵胞ホルモン)を増やす事でリスクを減少させる事ができます。
プレミアコンティニュアス5mgの有効成分であるエストロゲン(卵胞ホルモン)と酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA/黄体ホルモン)は、閉経前に卵巣が生成していた女性ホルモンと同様の効果を持っている自然女性ホルモンの混合物です。エストロゲン(卵胞ホルモン)は、顆粒膜細胞、外卵胞膜細胞、胎盤、副腎皮質、精巣間質細胞で作られ、思春期以降分泌が増加し、プロゲステロンとともに月経周期に応じて濃度が変化します。また、女性の性活動や二次性徴を促進する働きがあります。
酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA/黄体ホルモン)は、プロゲステロン(黄体ホルモン)と言う女性ホルモンの一種で、成人女性の卵巣の黄体から分泌されます。また妊娠時には、妊娠中期以降胎盤からも分泌されます。プロゲステロン(黄体ホルモン)は血中から細胞に入ると、細胞内に存在するプロゲステロン受容体タンパク質に結合して複合体を形成します。この複合体は、核内のDNAの特定の部分に結合することで多くの遺伝子の発現を変化させ、子宮内膜や子宮筋の働きを調整するほか、乳腺の発達や体温上昇などにも関係しています。血糖値を正常にして体脂肪を減らしたり、利尿作用を持つ以外にも、ほかのホルモンとのバランスを調整する役目を持っています。
子宮を有する女性のホルモン療法では、子宮内膜癌のリスクを低下させる目的でエストロゲン(卵胞ホルモン)と酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA/黄体ホルモン)が使用されます。
理由として、単独でエストロゲン(卵胞ホルモン)を「多量」または「長期間」使用した場合は、子宮内膜癌・乳癌・血栓・心臓や脳の疾患を発症するリスクがあり、単独でプロゲステロン(黄体ホルモン)を「多量」または「長期間」使用した場合は、LDL(悪玉)コレステロールを上昇させ、HDL(善玉)コレステロールを低下させるため、アテローム動脈硬化を発症するリスクがあると考えられているからです。
例として、閉経を迎える前、エストロゲン(卵胞ホルモン)が子宮内膜の成長を促進し、月経の際プロゲステロン(黄体ホルモン)の自然作用によって子宮内膜は剥がれ落ちます。
しかし閉経を迎えた後、単独でエストロゲン(卵胞ホルモン)をホルモン療法として得る場合、不正出血や子宮内膜の疾患子宮内膜増殖症の原因や子宮内膜癌になる可能性があるため、それらの疾患から子宮内膜を守る働きがあるプロゲステロン(黄体ホルモン)を併用する事でリスクを回避させます。
子宮を有する女性のホルモン療法は、定期的な健診と医師の診断のもと、効果的な最低量の服用を最短期間で行なう必要があります。服用量と治療期間を考慮した上で、2種類の有効成分を併用する事により、リスクの懸念は殆どなくなり、ホルモン療法を受けない女性と比較した場合むしろリスクが低くなる事が分かっています。
以上の事から、プレミアコンティニュアス5mgは、有効成分エストロゲン(卵胞ホルモン)と酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA/黄体ホルモン)の2つの働きにより、更年期障害や閉経後骨粗鬆症へ効果を発揮すると考えられています。