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2017-01-26

中年では、高血圧が人生の後半における認知症リスクを促進する、と語るのは研究主任であるマリア・コラダ教授。さらに心臓まひや脳卒中のリスクも高める。しかし人生の80年、90年でのその発現は、その人の90代における精神退化のリスク低減と関係していることを、教授の研究チームが発見した。

「高齢者の高血圧は、心の健康にとっては有害なことではありません」と語るのは、カリフォルニア大学アーバイン校の神経疫学教授であるコラダ教授。

晩年の高血圧と認知症リスクの低減の関係性の発現について、いくつかの要因が説明の助けになるかもしれない、と語る。

年を取った人では、脳に血液を送り続けて正常な機能を維持するため、血圧を上昇させる必要があるかもしれません。

コラダ教授は、「それは、脳に適切な酸素を送り込むための血液を得るために、充分な圧力を生み出すことと関係しています」と言う。

ほとんどあり得ないと思われるが、脳細胞の劣化により認知症が始まると血圧が落ちる可能性もある、と研究者たちは語る。これはつまり、認知症を発症しない高齢者は高血圧になることを意味する。

晩年の高血圧にはほかの利点もあり、「高血圧はさらに衰弱や身体障害を減らすかもしれないという証拠もあります」、とコラダ教授は言う。

さらに、研究では高血圧と認知症リスク減少との因果関係を証明していないが、年齢が関係しているのは明らかである、と語る。

「前期高齢者の健康について私たちが知り、学んでも、急速に成長している人口の区分である“本当の高齢者”の健康に必ずしも当てはまるわけではありません」と彼女。

認知症の公衆衛生的まん延を防ぐため、精神的退化のリスクが時間と共にどれくらい変化するのかを理解することが重要である。

高血圧は少なくとも大きく2つに分ける必要があるかもしれない、と語るのはニューヨーク市の脳専門家であるサム・ガンディー医師。

「通常、私たちは若年成人発症型のことを考えており、もし治療しない場合は心臓や腎臓、眼、そして脳血管を損傷することがあります」と語るのは、ニューヨーク市にあるマウント・シナイ病院の認知健康センター所長であるガンディ博士。

もうひとつの部類は“疲れた”脳によりもたらされる、晩年高血圧かもしれない、と博士。

「この疲れた脳は神経メカニズムを通して、血流を改善して疲れを寛解させようと血圧を上昇させると考えられます」とガンディ博士は説明する。

この新たな研究結果は、なぜ晩年の高血圧治療が最近になって認知症を減少させることができなかったのかについて説明するかもしれない、と彼は付け加えている。

この研究で、コラダ教授とその同僚たちは90歳以上の559人を3年にわたって追跡調査した。被験者たちは、研究開始時点では認知症を患っていなかった。

研究中は6ヵ月ごとに血圧を調べ、被験者が認知症かどうかを評価した。追跡調査の期間中、40パーセントの被験者に認知症が発症した。

高血圧の定義は、収縮期血圧140mmHg以上、そして拡張期血圧が90mmHg以上とした、とコラダ教授。また収縮期血圧は、血圧測定の最初の数字とした。

研究者たちは、80歳以降に高血圧を発症し、90代で認知症になった人は、通常の血圧の人と比較して42パーセント少なかった。また、90歳以降に高血圧になった人は、高血圧でない人に対して、認知症を発症した人が63パーセント少なかった。

研究によると、この関連性は、例え被験者が血圧降下剤を服用しても同じであった。

これらの研究結果は、一見したところ一貫性のないほかの認知症のリスクに関する研究結果を反映している。例えば、ふたつの研究は、75歳以上の体重過剰者は精神機能障害のリスクが低いことを示している、とコラダ教授。

なぜ高血圧と体重過剰が晩年において保護してくれるのかについては完全には解明されていない、と語るのはアルツハイマー協会の医療科学オペレーション会長のヘザー・シンドラー。

「心臓血管系と私たちの脳の関係についてさらに理解することが必要です」とシンドラーは語る。

その一方で、年齢と同じくらいの心臓健康を維持するようにしてほしい、と付け加えた。