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2012-10-19
ソース(記事原文):歯科学iQ
アトルバスタチン:歯周病の新しい治療薬?
歯科学iQ(2012年10月19日)― マリア・ペルノ・ゴールディ(Maria Perno Goldie)RDH, MS著
歯周病は細菌感染症であり、口腔内の病原菌に対する宿主の炎症性免疫反応の結果として組織破壊が起こります。歯周病原菌は有害な副産物や酵素を産生し、それらがコラーゲンなどの細胞外マトリックス、および宿主細胞膜を破壊するとともに、骨吸収を招いて骨欠損となり、歯の脱落を引き起こす恐れがあります。(1)
歯周炎関連の骨欠損を治療する現在の技術、または歯科インプラントでは、欠損部に骨片や代用物を外科的に入れて患者の骨形成を促します。(2)また慢性歯周炎患者において、スタチンの使用に伴い歯の脱落が減ることが示唆されています。(3)
アトルバスタチン(ATV)は、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素A(HMG-CoA)還元酵素の特異的な競合阻害剤です。ATVは、ファイザー社(Pfizer)がリピトール(Lipitor)という商品名でカルシウム塩として販売しており、血中コレステロールの低下に使用されるスタチンとして知られる薬剤クラスに入ります。(4)また、この薬は抗炎症などの作用機序を介してプラークを安定させたり、脳卒中を防いだりします。HMG-CoA還元酵素は肝組織で見られ、体内でのコレステロール産生に重要な役割を果たしますが、アトルバスタチンはすべてのスタチンと同じようにこの酵素を阻害することで作用します。
近年、スタチンは抗炎症や骨刺激などの多面的な作用を示しています。多面作用は、1つの因子が複数の表現特性に影響を及ぼす場合に起こります。(5)最近のある研究の目的は、骨内欠損治療におけるスケーリング・ルートプレーニング(SRP)の補助として、1.2 % ATVの有効性を調べることでした。(6)
研究の対象とされたのは60名で、彼らはSRPおよび1.2% ATV群と、SRPおよびプラセボゲル群という2つの治療群のいずれかに無作為に割り付けられました。臨床評価項目は、ベースライン時および3、6、9カ月時点で記録しました。項目の内訳として、ベースライン時および6、9カ月後に修正歯肉溝出血指数(mSBI)、プロービング深さ(PD)、臨床的アタッチメントレベル(CAL)を調べ、またベースライン時および6、9カ月時点では、コンピューター支援ソフトウェアを用いて骨内欠損部(IBD)の充填率の放射線学的評価を行いました。
結果から、3、6、9カ月時点での平均PD減少および平均CAL獲得は、プラセボ群よりもATV群で大きかったことが明らかにされました。また、9カ月後のX線撮影による平均骨充填率についても、プラセボ群(1.82±1.32%)と比較してATV群(35.49±5.50%)で有意に大きかったことが判明しました。論文の著者らは、ATVはSRPの補助として、IBDの管理に新しい方向性を示すと結論付けました。
骨形成タンパク質(BMP)-2などの自家骨成長因子の産生を促すため、患者に安価な薬剤を使用することは、骨欠損の管理において費用対効果の高い代替策となりえます。いくつかの動物試験で、移植材を使わずにコレステロール低下薬シンバスタチン(SMV)を局所に使用したところ、BMP-2および骨成長が促進されたことが明らかにされました。(7)今回の研究結果を裏付けるには、長期の多施設無作為化対照臨床試験が必要でしょう。
興味深く意外な展開なのが、リピトール服用者の歯周病に関する市販後調査です。調査報告は、FDA(米国食品医薬品局)およびユーザーコミュニティからの164件の報告を基に、イーヘルスミー(eHealthMe)が作りました。2012年10月10日時点では、122,253人がリピトール服用中に副作用があると報告していました。そのうちの171人(0.14%)には歯周病がありました。(8)リピトールが影響したのでしょうか?無作為化対照臨床試験(RCT)ではないものの、結果を見ると面白いことになっています。
「リピトール服用中の歯周病」報告の傾向(原文参照)
(Trend of “Peridontal disease in Lipitor” reports)
歯周病がある人のリピトール服用期間
1ヵ月未満 | 1~6ヵ月 | 6~12ヵ月 | 1~2年 | 2~5年 | 5~10年 | 10年以上 | |
歯周病 | 0.00% | 0.00% | 30.00% | 10.00% | 0.00% | 60.00% | 0.00% |
近似値にすぎない。一部の報告は情報が不完全な可能性がある。
リピトール服用中で歯周病がある人の性別
女性 | 男性 | |
歯周病 | 85.71% | 14.29% |
近似値にすぎない。一部の報告は情報が不完全な可能性がある。
別のある研究では、慢性歯周炎の被験者を対象にATV治療が骨量減少予防に及ぼす影響を調べました。この小規模対照二重盲検試験では、慢性歯周炎の被験者38例を、年齢でペアにして3カ月間毎日ATVを服用する群か、プラセボを服用する群のいずれかに無作為に割り付けました。ベースライン時には両群に機械的な歯周治療が行われました。ベースライン時および3カ月時点で、臨床評価項目、X線撮影による評価項目、骨代謝マーカーを評価しました。
結果は、歯周病の状態がどちらの群でも改善したことを示しました。変化値を比較したところ、ATV群で、低比重リポ蛋白コレステロール濃度、歯の可動性、および歯槽骨頂からセメント‐エナメル境までの距離に有意な改善が認められました。結果から、ATVには歯周病の被験者の歯槽骨減少および歯の可動性に有益な効果があると考えられると、論文の著者らは結論付けました。(9)
先に述べたように、こうした研究の結果を裏付けるには、長期の多施設無作為化対照臨床試験が必要でしょう。
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