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2008-10-16

ソース(記事原文):ABCニュース・ヘルス

ウイルスの攻撃に反撃する方法

もう病気で寝込まなくても大丈夫、病気をはねのける策がある。

2008年10月16日

カゼやインフルエンザの菌がうようよしている季節だ。

今年、アメリカ国内だけでも10億例のカゼと9千5百万例のインフルエンザが予想されている。10億例のカゼは統計であるが、この冬ひとりで2回カゼをひくだけで悲劇的な思いをすることになるし、実際その可能性は高い。2回カゼをひいただけでジムや仕事が数週間遅れてしまう。一人で部屋に隔離されることにもなる。
申し訳ないが、科学的な治療法はまだない。しかし、医者はウイルスがどのように共謀し、人間の気分を悪くするのかをだいたい把握している。ウイルスの狡猾な作戦を挫くことでカゼを引きにくくなるだけでなく、回復も早くなる。この悲しくみじめなウイルスの人生に目を向け、必要な措置をとりやつらを虫けらのように踏みつぶそう。

接触の問題

   あなたのパートナーがくしゃみをしだしたり、隣の席の同僚が炭鉱労働者のようにから咳をしていたり、子供が熱を出した場合はいつもより用心を。彼らはこの冬中人々を苦しませるストレスの一つであるカゼ菌やインフルエンザ菌を運んでいるかも知れないのだ。これらの菌は、次はあなたを狙っているがそのルートは鼻・口・目の3つのみである。
最良の防衛策:手をいつも清潔に。ウイルスは感染している患者から電話の受話器など人が触るものへ移動する。インフルエンザウイルスは空気中に飛散し、物に付着する。ウイルスにつかまらないようにするには、握手したり子供の鼻を拭いたりした後は必ず手洗いを。

侵入

   子供の咳をよけず、フライドチキンのランチの前に手を洗わずに指を舐めてしまったのは残念。あなたが摂取し、また吸い込んだウイルスは数分のうちにあなたという広々とした新居に住み着いてしまった。でも心配ご無用、まだトラブルを回避するには遅くない。
最良の防衛策:まず、インフルエンザの注射を。そしてカゼとインフルエンザのピークである9月から3月にかけてはいつもより水分を多く取るのが良い。シダース・シナイ・メディカルセンターのマリー・ハーディー博士によると、体の中の最初の防衛要員の一つである、呼吸器官の上部を覆う粘膜は非常に潤っている時にその働きが一番良くなる。1日8オンスの水が最低限度である。それよりも多く水分をとればあなたはこのゲームに勝っていると言っていい。

増殖

ウイルスは侵入後間もなく、口や鼻から粘膜を通り体細胞へと移動する。このウイルスは体細胞の表面にありその門戸の役割を担う特別なレセプターをごまかして突破し、細胞内に侵入する。ウイルスはそこで快適にくつろぎその間あなたを惨めなほど不快にする。
最良の防衛策:この寒い時期は、近所の散歩で1日を始めよう。お母さんが言うこととは異なり、適度な運動の後では寒さに短時間体を晒すことで免疫システムが刺激される。運動はやりすぎなければかえって気分が良くなる。研究によると体を鍛える事は回復までの時間を長くも短くもしないということであるが、運動によって脳はエンドルフィンと呼ばれる多幸感ホルモンを作り出し、気分を高揚させる。

感染

   細胞を攻撃した後、ウイルスは遺伝物質を細胞内に注ぎ込み増殖する。この一連の作業には約12時間かかり、このサイクルが2~3回繰り返されるまで体はだるさを感じない。
最良の防衛策:ウイルスの攻撃から24時間~48時間以内に医者にアマンタジンを処方してもらおう。アマンタジンは悲惨な病状の期間を短縮してくれる。そしてタイレノール(くすり屋さん注:タイレノールは熱冷まし・痛み止めの薬で、アセトアミノフェン(Acetaminophen)を有効成分とする薬です。)は痛みと熱に効く。鼻水、のどの痛み、だるさなどカゼの症状に気付いた時はすぐに抗炎症剤を服用するように。ただし1回のみ。抗炎症剤の有効成分(通常、偽性エフェドリン化合物であることが多い)は鼻づまりを解消し、菌を流し出させる作用を持つ。オーストラリアの研究者達は一回の抗炎症剤の服用だけで症状を13%カット出来る事を発見した。

発症

   自己増殖したウイルスたちは宿主細胞から脱出し、次に感染させる細胞を探す。3~5日間続くこの期間に体の症状は最悪になる。鼻水が出てカゼのウイルスを流し出そうとし、また菌を追い出そうとくしゃみが出る。そして体はインフルエンザ菌を焼き殺そうとするため熱や寒気、だるさなどの症状が出る。
最良の防衛策:本当に気分が悪い場合は、1日仕事を休んで体を休めよう。まだ働ける場合は頑張りすぎず、仕事はいつもの半分で切り上げ、仕事終わりの飲酒を避けるように。飲酒は気分をより悪くする。そして、鼻はかむのではなく拭くだけでよい。鼻をかんでしまうと、菌だらけの粘膜で鼻を覆ってしまう可能性がある。体がウイルスを自然に流し出そうとするのを止めずにそのままにしておいた方が、早く気分が良くなる。

改善or悪化

   のどの痛みや頭痛、鼻づまりなど体をしんどくさせるこれらの症状は1週間以内で治まるはずである。この一週間という期間は体の対感染要員が軽いウイルスを根絶するまで通常かかる期間である。もしこの回復のためのアドバイスに従わなかった場合、感染はさらに呼吸器系上部にまで達し、肺に侵入しさらに1週間かそれ以上こじれる事もある。そうなった場合、しつこいウイルスを排除するため今度は咳がでる。
最良の防衛策:病院に行く。そうすれば医者が気管支炎や肺炎などの二次感染を防ぐ薬を処方してくれるかもしれない。

外に出て活動する

   体の細胞の全勢力はウイルスに接触してからウイルスを圧制し破壊するために活動してきた。このウイルスはこの冬あなたが晒される数えきれない数のウイルスの中の一種である。そしてあなたの体細胞はこれまでの残骸を大急ぎできれいに除去する。感染が取り除かれた後に残るのは記憶細胞のみである。記憶細胞は同じウイルスから生涯にわたって体を守るため、あなたは同じしんどさに苦しまなくてよくなる。子供の時よりカゼをひかなくなったのはこの貯蔵された記憶細胞のためである。
最良の防衛策:症状がコントロールできる程度で気分が良くなっているなら通常の日常生活に戻ろう。


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