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2007-02-21
ソース（記事原文）：BBCニュース
薬剤により「長期的ながんリスクが低下」
2007年2月21日
女性がタモキシフェン投与を止めてから後も、同剤による長期的な乳がんリスクの低下が認められることが、研究で示唆されている。
タモキシフェンは、がん患者に投与されるもので、通常はがん再発防止のために5年間にわたり投与される。
一方、乳がんリスクの高い健康な女性においても、同剤による長期的な予防効果が得られる可能性のあることが、2件の試験から示唆されている。
1つの試験では、タモキシフェン治療が終了した後にホルモン感受性乳がんリスクが20年間にわたり39%低下し、もう1つの試験では、8年間にわたり34%低下することが示された。
乳がんの多国間介入試験 (International Breast Cancer Intervention Study:IBIS)が実施され、7,145人の乳がん高リスク女性が参加した。結果はジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート(医学誌)に掲載されている。
被験者は、1日1回のタモキシフェンあるいはプラセボを5年間投与された。それから8年して、ホルモン感受性乳がんと診断されたのは、タモキシフェン投与群で87人であったのに対し、プラセボ群では129人であった。
副作用
タモキシフェンは、ホルモン(エストロゲン)の作用を遮断するもので、血餅のリスク上昇との関連が示されている。しかし、IBIS試験により、副作用リスクは、治療中止したあとは持続しないことが明らかとなった。
もう1つの試験は、ロンドンの王立マースデン病院(Royal Marsden Hospital)の研究チームが、タモキシフェンを約6年または7年投与した乳がん高リスク健常者(女性)2,471人に関する20年間のデータを分析したものである。
南マンチェスター大学病院NHSトラスト(South Manchester University Hospitals Trust)のトニー・ハウウェル(Tony Howell)教授は、IBIS試験を担当した。
同氏は「タモキシフェンによる積極的な予防的治療中に、乳がん発症リスクが低下することは先行研究で既に明らかにされたが、タモキシフェン治療中止後の同剤の有益性と副作用について明らかな証拠となるものが得られるのは今回が初めてである」と述べた。
マースデン研究チームの主任研究者トレヴァー・ポール(Trevor Powles)教授は「今回の結果は、エストロゲンを遮断することで、長期的に健常者の乳がんを予防することができるという明らかな証拠を示した初めてのもので、極めて重要だと考えられる」と語った。
乳がん撲滅慈善団体(charity Breakthrough Breast)のサラ・カント(Sarah Cant)博士は、「乳がん発症のリスクの高い女性と話したところ、彼女らは乳がん発症リスクを低下させるためなら出来ることは全てやりたいという想いがあること、そして予防のための利用可能な選択肢が増えるのを喜ばしく思っていることが分っている」と述べた。
「しかし、どの予防的治療の選択肢にもリスクと利益があり、現在英国において、この用法でのタモキシフェン投与は認可されていない」
今月発表された研究では、ホルモン感受性乳がん患者に対し、まずタモキシフェンを投与し、2～3年後に別の薬剤(エキセメスタン)に切り替えると、より多くの命が救える可能性のあることが示唆されている。
女性において乳がんは発生頻度の圧倒的に高いがんであり、2003年には英国で44,091人を超える新たな症例が認められた。
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