高血圧 - このカテゴリーに関連するニュース・情報
下記の内容は、当サイトがWeb上の英語で書かれたニュースや記事を独自に訳したものであり、当サイトはその内容、翻訳の正確性に関して一切免責とさせて頂きます。この点をご理解の上、参考になさってください。また、この翻訳文の無断利用はお控え下さい。
2013-09-10
ソース(記事原文):マーケット・ウォッチ
試験薬チオトロピウムで中等度の喘息患者における肺機能改善効果と持続的な気管支拡張効果が得られるとの研究データ
マーケット・ウォッチ(2013年9月10日) ― -- 2013年欧州呼吸器学会(European Respiratory Society:ERS)年次総会で初めて発表される新規第3相試験データ -- 米国メディア限定版
コネティカット州リッジフィールド/COMTEX経由PRNewswire/ -- バルセロナで開催される2013年欧州呼吸器学会年次総会で、第3相試験UniTinA-asthmaプログラムから得られた新規データの統合解析が、ベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim) 製薬会社によって発表される予定である。この統合データは、MezzoTinA-asthma試験という2件の第3相試験(NCT01340209とNCT00565266)データに基づくものであり、中等度の喘息および気流制限のある患者に対し、中等量の吸入ステロイド薬(ブデソニド400~800mcg/日または同等量と定義)による維持療法に、吸入器レスピマット(Respimat)を利用したチオトロピウムを追加すると、肺機能が改善し、24時間にわたる持続的な気管支拡張作用が得られたことを示すものである。チオトロピウムが喘息患者の治療に有効であるのか見極めるために試験進行中であり、現時点で本剤はこの適応で認可されていない。
また、これらのMezzoTinA-asthma第3相試験の新規データから、吸入器(登録商標レスピマット)を用いた1日1回のチオトロピウムを追加すると、喘息管理質問票(ACQ)で測定した喘息コントロールの反応率が統計学的に有意に改善することも明らかにされた。
本研究の主著者でフローニンゲン大学(Groningen University、オランダ)医学部教授のホイブ・ケルスチャン(Huib A.M. Kerstjens)博士は「今回の結果は、中等量の吸入ステロイド薬を用いてもなお症状が続く喘息部分集団において、チオトロピウムが有効となりうるという見識を提示しているほか、チオトロピウム追加により喘息コントロールや肺機能が改善する可能性があり、臨床的意義のありうることを明らかにしている」と語った。「ガイドラインで推奨されている通りに吸入ステロイド薬で治療を受けた喘息患者のうち、充実した生活を送るための活動能力に悪影響を及ぼす症状を継続する人がかなりの割合を占める」
現在の治療選択肢を適用しても、喘息患者の40%以上で症状が続き、生命を脅かしうる喘息悪化(発作)を起こす可能性もある。
ベーリンガーインゲルハイム製薬会社床開発医療推進部副部長トゥンド・オトゥラナ(Tunde Otulana)博士は「軽度から重度の広範な喘息患者(全年齢層)におけるチオトロピウムを検討することに従事しており、喘息に対するチオトロピウムで認められた現時点までの結果に勇気づけられている」と述べている。「欧州呼吸器学会で発表されるMezzoTinA-asthma試験の結果は、重症喘息患者を対象とした先行試験(PrimoTinA-asthma試験)から得られたチオトロピウムにおける肯定的な試験結果を足掛かりとしたものである。総合的に、これらの結果は、チオトロピウムが認可されれば、現在の標準的治療薬から効果を得られない喘息患者(あらゆる重症度)における重要な新規選択肢となりうることを示している」
2件の第3相試験(MezzoTinA-Asthma)から得られた重要な結果
このデータは第3相再現性試験(MezzoTinA-asthma1とMezzoTinA-asthma2)から得られたものである。これらの試験は、中等量の吸入ステロイド薬を投与しても症状が継続した18歳~75歳の喘息患者を対象とした多国間二重盲検無作為化プラセボ実薬対照並行群間比較試験である。吸入器(Respimat)を用いたチオトロピウムを1日1回2.5mcg投与する群、同剤を同条件下で5mcg投与する群、実対照薬としてサルメテロール50mcgを1日2回投与する群、もしくは対照薬としてプラセボを投与する群のいずれかに、合計2,103人の患者を無作為に割り付け、投与期間は24週間とした。事前に規定した共通主要評価項目は、24週間後の最大努力肺活量(0~3時間のFEV1[1秒量])の反応とトラフFEV1反応からなり、3つ目の共通主要評価項目は喘息管理質問票(ACQ)反応率とし、MezzoTinA-asthma試験の統合結果に基づいて行った。欧州呼吸器学会で発表される各臨床試験とその統合解析において、試験開始前から24週目までの最大FEV1における平均変化は、プラセボと比較して全ての実薬治療群(3群)において有意に改善した:
MezzoTinA-asthma 1試験 | MezzoTinA-asthma 2試験 | 統合解析 | |
*FEV1 **AUC0-3補正後平均変化量 (プラセボとの比較) | *FEV1 **AUC0-3補正後平均変化量 (プラセボとの比較) | *FEV1 **AUC0-3補正後平均変化量 (プラセボとの比較) | |
チオトロピウム2.5 mcg | 236mL(P = 0.0001) | 211mL(P = 0.0001) | 223mL(P=0.0001) |
チオトロピウム5 mcg | 198mL(P = 0.0001) | 169mL(P = 0.0001) | 185mL(P = 0.0001) |
サルメテロール50 mcg | 213mL(P = 0.0001) | 176mL(P = 0.0001) | 196mL(P = 0.0001) |
*FEV1:1秒量
**AUC0-3:0~3 時間の血漿中濃度―時間曲線下面積
また、欧州呼吸器学会で発表予定の各試験ならびに統合データによると、試験開始前から24週時点までのトラフFEV1の平均変化が、プラセボとの比較で全ての実薬治療群(3群)において有意に改善した。
MezzoTinA- asthma 1試験 | MezzoTinA- asthma 2試験 | 統合解析 | |
トラフFFEV1 補正後平均変化量 (プラセボとの比較) | トラフ FEV1補正後平均変化量 (プラセボとの比較) | トラフFEV1補正後平均変化量 (プラセボとの比較) | |
チオトロピウム2.5 mcg | 185mL (P = 0.0001) | 176 mL(P = 0.0001) | 180 mL(P = 0.0001) |
チオトロピウム5 mcg | 152 mL(P = 0.0001) | 133 mL(P = 0.0001) | 146 mL(P = 0.0001) |
サルメテロール50 mcg | 123 mL(P = 0.0001) | 106 mL(P = 0.0001) | 114 mL(P = 0.0001) |
喘息管理質問票(ACQ)による測定値が0.5以上で治療効果を示すこととし、チオトロピウム(2.5mcgまたは5mcg)治療では、プラセボと比較して24週時点のACQ反応率が統計学的に有意に改善したほか、サルメテロールの反応率と同等であった。MezzoTinA-asthma試験の統合結果に基づいて行ったACQ反応率は以下の通りであった:
-- プラセボ:57.7%(299/518人)
-- チオトロピウム1日1回2.5mcg:64.5%(332/515人、P=0.03)
-- チオトロピウム1日1回5mcg:64.3%(330/513人、P=0.03)
-- サルメテロール1日2回50mcg:66.5%(356/535人、P=0.004)
MezzoTinA-asthma試験の患者は、追加の基礎療法(抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬、ロイコトリエン修飾因子など)を受けてもよいこととした。ただし、試験期間中に長時間作用型βアゴニスト(LABA)の投与は認めないものとした(サルメテロールは本試験の実対照薬として含まれた)。
有害事象に関しては、統合解析の4群間で類似していた。1件の有害事象を報告した割合は、チオトロピウム1日1回2.5mcg投与群で58.2%、チオトロピウム1日1回5mcg投与群で57.3%、サルメテロール1日2回50mcg投与群で54.3%、プラセボ投与群で59.1%であった。主に報告された有害事象は、喘息、最高呼気速度(ピークフロー値)の低下、上咽頭炎、および上気道感染症であった。
UniTinA-Asthma臨床試験プログラムについて
包括的な第3相試験プログラム(UniTinA-asthma)は吸入ステロイド薬を用いた現在の治療に効果を示さない成人・青年・小児喘息患者(あらゆる重症度)を対象とした複数の臨床試験からなり、MezzoTinA-asthma試験も同プログラムの一環として実施されたものである。このプログラムは、世界150ヵ所以上の医療施設の患者4,000人以上を対象に実施された。UniTinA-asthmaプログラムの一つである重症喘息患者を対象としたPrimoTinA-asthma試験の結果は、ウイーン(オーストリア)で開催された2012年欧州呼吸器学会で発表され、その付加的サブ解析は2013年米国アレルギー・喘息・免疫学会議(AAAAI)年次総会と米国胸部学会(American Thoracic Society:ATS)国際会議で発表された。
喘息について
喘息は気道炎症と気管支収縮を特徴とする慢性疾患である。喘息の人は、喘息誘発因子(感染、花粉、煙など)に接触すると、気道が炎症・腫大・狭窄し、過剰な粘液を産生する。こうした反応が、気道を狭めたり、炎症を起こしたりする原因となり、呼吸困難を生じる。喘息患者は、喘鳴、息切れ、胸部絞扼感、咳嗽を繰り返し経験するほか、症状が強くなったり発生頻度が増えたりすると喘息発作が起こる。
2012年12月時点で、喘息患者は世界中で推定3億人いる。喘息患者数は2025年までに世界中で、さらに1億人増えるのではないかと予想されている。
喘息の誘発を回避することで、喘息の重症度が軽減されやすくなる。喘息は治癒しないが、多くの場合、適切な管理でコントロールすることは可能である。一方、患者の40%以上はコントロール不良の喘息に悩まされ続けており、現在利用可能な治療選択肢を適用しても、生命を脅かす喘息悪化を招く可能性がある。症状が継続し、生活様式が制限されるほか、救急処置さえ必要になることがある。
ベーリンガーインゲルハイム社は、研究や治療と患者中心のサポートサービスを介して呼吸器分野を先導するなか、肺疾患と共に生きる人々が日々直面する課題に対処できるように肺の健康ファイル(ポートフォリオ)を考案した企業である。同社は慢性閉塞性肺疾患(COPD)における最前線のサイエンスとリーダーシップに投資することにより、推進していく必要のある新しい治療法を模索している。同社の目標は、COPD、喘息、肺癌、特発性肺線維症、その他の呼吸器疾患の患者における生活を向上させることにある。
ベーリンガーインゲルハイム製薬会社について
コネティカット州リッジフィールドを拠点とするベーリンガーインゲルハイム製薬会社は、ベーリンガーインゲルハイム・コーポレーション(コネティカット州リッジフィールド)の米国最大の子会社であり、ベーリンガーインゲルハイム企業グループに属している。
ベーリンガーインゲルハイム企業グループは、世界の大手製薬メーカー20社のうちの1つである。本社はドイツのインゲルハイムにあり、世界に展開し140の支社と46,000人以上の従業員をかかえる。1885年に設立して以来、この同族企業は治療上の価値が高いヒト用新薬や獣医薬における研究・開発・製造・販売に取り組んでいる。
こうした分野の中心的立場として、ベーリンガーインゲルハイムは企業の社会的責任への献身ぶりを示してきた。社会的プロジェクトへの参加や、従業員やその家族への配慮のほか、全ての従業員に同等のチャンスを与えることにより、世界的運営を成り立たせている。相互協力や尊重に加え、環境保護や持ちこたえる力が、同社の全ての努力の本質を支えている。
2012年、ベーリンガーインゲルハイム社の純売上高は、約190億ドル(147億ユーロ)に達した。処方薬事業分野の研究開発経費は純売上高の22.5%に相当する。
出典:ベーリンガーインゲルハイム
この記事に関連するくすり屋さん取扱商品
- チオーバ・インヘラー (臭化チオトロピウム) 9mcg (200回分) (1スプレー缶) 2680 円
- チオーバ (臭化チオトロピウム) 18mcg (15カプセル) 1280 円
- スピリーバ (臭化チオトロピウム) 18mcg (30カプセル) 14970 円