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2014-03-17

ソース(記事原文):メディカル・エキスプレス

ビグアナイド系薬剤の抗がん作用のメカニズム

メディカル・エキスプレス(2014年3月17日) ― ニコル・ギース・ルーラ(Nicole Giese Rura)著

(『ネイチャー』からの転載図の下にある説明)悪性腫瘍内には低グルコース環境があり、がん細胞がそのような環境でどうやって生き延びるのかを調べるために、ホワイトヘッド研究所のキヴァンス・ビルソイとリチャード・ポッセマトは、細胞の周りを低栄養培地が継続的に循環するシステムを開発した。この『ニュートロスタット(Nutrostat)』というシステムが発明される以前は、低グルコース環境を長期的に、正確に再現することができなかった。

(メディカルエクスプレス)―近年、ビグアナイド系の糖尿病治療薬には抗がん作用もあるとされている。一部のがん患者において、一般的な糖尿病治療薬のメトホルミンが有益となる可能性を多くの後向き研究が示したからだ。この興味深い相関関係にもかかわらず、メトホルミンが抗がん作用を発揮するメカニズムや、おそらくそれ以上に重要な、有益となる患者のタイプについてもはっきりとはしていない。

現在、ホワイトヘッド研究所(Whitehead Institute)の科学者らがこの謎を解明し始めており、がん細胞が低グルコース環境でも生存できるようにするミトコンドリアの主要経路を特定した。この経路に異常があるか、グルコース利用障害があるがん細胞を見つけることで、問題の経路を阻害することが分かっているビグアナイド系薬剤に感受性があるのはどの腫瘍かを予測することができる。彼らの研究の詳細は、今週の『ネイチャー(Nature)』オンライン版にある。

悪性腫瘍内には低グルコース環境があり、がん細胞がそのような環境でどうやって生き延びるのかを調べるために、研究者のキヴァンス・ビルソイ(Kivanc Birsoy)とリチャード・ポッセマト(Richard Possemato)は、細胞の周りを低栄養培地が継続的に循環するシステムを開発した。彼らは、ホワイトヘッド研究所メンバーであるデビッド・サバティーニ(David Sabatini)の研究室のポスドクだ。このシステム内で30種のがん細胞株を調べたところ、そのほとんどはグルコース不足の影響を受けないようであった。ただし、2、3の細胞株は、ほかの株がもがいている間に力強く成長して急速に増えた。グルコース不足に対するさまざまな反応は、不可解であった。

ポッセマトは、「がん細胞がなぜこうした反応を示すのか、あるいは、それら反応が腫瘍の形成に重要かどうか、誰もきちんと理解できませんでした」と話す。彼はビルソイと共に、今回の『ネイチャー』投稿論文の共著者でもある。「低グルコースへのこうした反応の基礎をなすものとして、私たちが今回発見した変化のがん関連性については、まだまだ調査が必要でしょう」。

ビルソイとポッセマトは、ある種のがん細胞が持つ低グルコース環境への感受性を利用して、腫瘍を叩くことができるか知りたいと考えた。彼らは、抑制により細胞生存率が改善する遺伝子か、あるいは生存率になお一層の悪影響となる遺伝子のせいで、過度に苦しんでいる細胞を選別した。選別でマーキングした遺伝子は、グルコース輸送や、ミトコンドリアの代謝経路である酸化的リン酸化に関与するものであった。細胞の発電所としてのミトコンドリアは膜に包まれた細胞小器官であり、酸化的リン酸化を制御する遺伝子をはじめ独自のDNAを持つ。

ビルソイとポッセマトは、これら遺伝子に変異があるがん細胞は、通常の条件下でもミトコンドリアに過剰な負担がかかっているという仮説を立てた。厳しい低グルコース環境に置かれると、ミトコンドリアの能力が限界に達して細胞は苦しむ。この仮説が真実なら、酸化的リン酸化を阻害することが分かっているビグアナイド系薬剤でミトコンドリアの機能をさらに障害すれば、能力の限界を越えることになり、がん細胞に害になると考えられる。

彼らはまず、グルコース利用異常とミトコンドリアDNA変異がある細胞株13種を使って、この仮説をin vitroで確かめた。対照の細胞と比べて、低グルコースに敏感な細胞はフェンホルミンへの感受性が5~20倍高かった。フェンホルミンはメトホルミンよりも強力なビグアナイドである。次にマウスを使って、低グルコースに敏感ながん細胞から派生した腫瘍を移植し、フェンホルミンの有効性を調べた。フェンホルミンは腫瘍の成長を阻害した。

「これらの結果は、ビグアナイド系薬剤が有益となるがん患者かどうかを見極めるために、ミトコンドリアDNA変異とグルコース取り込み異常をビグアナイド感受性のバイオマーカーとして利用できる可能性を示しています」とビルソイ氏。「そして、メトホルミンやフェンホルミンなどのビグアナイド系薬剤によるがん細胞への直接的な細胞毒性作用が、ミトコンドリアへの作用を介して起こることを示したのは今回が初めてです」。

提案したバイオマーカーの正しさを裏付けるために、ビルソイとポッセマトはこれまでの臨床試験を分析して、これらバイオマーカーがあるがん患者はそうでない患者よりもメトホルミン治療の効果を得られたか調べたいと考えている。


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