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2014-07-30
ソース(記事原文):ヒーリオ
ベバシズマブとロムスチンの併用が再発膠芽腫の転帰を改善
ヒーリオ(2014年7月30日) ― ロムスチンとベバシズマブの併用は、いずれかを単剤で用いるよりも全生存期間の延長につながることが、ランダム化非盲検第2相試験の結果で示された。
再発膠芽腫患者にはあまり治療選択肢がなく、二次化学療法では軽微な抗腫瘍活性しか得られないことが示されている。この患者集団にはベバシズマブ(ジェネンテック社製造アバスチン)が使用されることが多いが、適切な対照群を置いた試験は実施されたことがなく、ベバシズマブ治療後に報告された高い奏効率が全生存期間の延長と相関するのかは明らかでない。
現在実施中の3群間多施設試験は、テモゾロミド(シェリング・プラウ社製造のテモダール)による化学療法施行後、膠芽腫を初めて再発した140人を対象としている。
これらの患者を、ロムスチン(ブリストルマイヤーズスクイブ社製造Ceenu)110 mg/m2を6週間に1回のみ経口投与する単剤群、ベバシズマブ10 mg/kgを2週間に1回静脈内投与する単剤群、これらの2剤とも投与する併用群のいずれかに無作為に割り付けた。主要評価項目は投与後9ヵ月時点の全生存率とした。
併用群において6週間サイクルを2回完了した最初の8人を、安全性解析の対象とした。
3人がグレード(重症度)3の血小板減少症を発症し、2人がグレード4の血小板減少症を発症したため、ベバシズマブの用量強度を低くするよう見直すことにつながった。
ロムスチンは併用群においてのみ投与量を90 mg/m2に減らすことにした。
最終解析の対象となったのは、ベバシズマブ単剤群に割り付けられた50人、ロムスチン単剤群の46人、最初に設定したベバシズマブとロムスチン110 mg/m2の併用群8人、ベバシズマブとロムスチン90 mg/m2の併用群の44人であった。
9ヵ月時点で、ベバシズマブ+ロムスチン110 mg/m2併用群における全生存率が87%(95%信頼区間[CI]:39~98)、ベバシズマブ+ロムスチン90 mg/m2併用群における全生存率が59%(95%CI:43~72)、ロムスチン単剤群における全生存率が43%(95%CI,: 29~59)、ベバシズマブ単剤群におけるる全生存率が38%(95%CI:25~51)であることが明らかにされた。
大半の患者(87%、129人)は疾患の進行により治療を中止した。
解析時点で、患者の97%が死亡し、2%は治療を続行した。研究者らによれば、併用群において認められた疲労感・感染症・高血圧の高発現率は、単剤群と比較して治療期間が長いことによるものではないかと考えられる。ロムスチンの用量を90 mg/m2にしてからは、併用群の血液学的毒性はロムスチン単剤群で認められた毒性と同等になった。高血圧は全員グレード3で、薬剤を追加することで管理良好となった、と研究者らは記している。
また、研究者らは「ベバシズマブとロムスチンの併用は、この治療法を今後の第3相試験において評価するための事前に定めた基準を満たした」としている。「これに対し、ベバシズマブ単剤群の結果は、この治療法の更なる研究を行う十分な妥当性を得られていない」
テキサス大学(University of Texas)MDアンダーソンがんセンター(MD Anderson Cancer Center)脳脊髄腫瘍科部門に所属するマーク・ギルバート(Mark R. Gilbert)博士は、付随論説において、ベバシズマブとロムスチンの併用による有益性の可能性は、薬理作用と薬物送達についての疑問を投げかけるものであるとしている。
ギルバート氏は「ロムスチンは再発膠芽腫に対する単剤活性を有することが示されており、ニトロソ尿素は血液脳関門を容易に通過することでよく知られている」と記している。「したがって、ベバシズマブとの併用による有益性を示すことに失敗しているイリノテカンなどの薬剤は、血液脳関門の透過性の低減に深く関連している可能性があり、これは抗血管新生薬療法の影響として既に知られている。今後のベバシズマブまたはその他の抗血管新生薬との併用治療を評価する研究では、画像検査に基づく薬物送達の評価を用いて、十分な薬物送達を示す有力な前臨床in vivo(生体内)データか、それに匹敵する試験データのいずれかを含める必要がある」
ベバシズマブとロムスチンの併用についても、より広範な研究が必須である、とギルバート氏は記している。
同氏は「希望を与えられる結果であるが、併用療法による見かけ上の有益性は予後の良好な患者グループのランダム割り付けによって生じたというような、治療群間における無意識的な差が存在する可能性がある」としている。「それゆえ、ベバシズマブとロムスチンの併用が延命効果をもたらすのかどうか、そうであれば再発膠芽腫の標準的医療とすべきかどうか、その決定的回答を得るのに十分な検出力を持つランダム化第3相試験が今後必要とされる」と締めくくった。
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