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2011-09-28
ソース(記事原文):ニュースメディカル
ロバスタチンは神経線維腫症1型患児に安全かつ有効だと考えられる
ニュースメディカル(2011年9月28日)― ?全米子供調査(National Children's Study:NCS)はロバスタチンの有益な効果に注目した。
小児専門病院(Children's National Medical Center)の研究者らは、コレステロール低下薬スタチンが、神経線維腫症1型(神経線維腫症1型)患児に安全であるように思われるとともに、言葉や非言語性記憶を含む学習障害を改善させる可能性のあることを明らかにした。神経線維腫症1型患児においてロバスタチンが検討されたのは今回が初めてのことである。本研究は、小児専門病院の研究者かつ小児神経科医で、ギルバート・ファミリー神経線維腫症研究所(Gilbert Family Neurofibromatosis Institute)の臨床責任者かつ認知部門責任者マリア・アコスタ(Maria T. Acosta)博士が主導したもので、ペディアトリック・ニューロロジー(医学誌)2011年10月号に掲載された。
ロバスタチンは現在、米国食品医薬品局(FDA)によって成人および小児の高コレステロールの治療として認可されている。同剤はコレステロール生合成における特定の酵素を阻害することで作用する。ロバスタチンは、神経線維腫症の認知障害に結び付きうる関連分子経路に影響を及ぼすことが、これまでの動物試験で明らかにされている。
アコスタ氏は「当初は神経線維腫症1型患者に対するロバスタチンの安全性を判定するために本研究に着手したのだが、記憶と視覚的注意にも統計学的改善が認められた。このことは患者の生活の質(QOL)に改善を促すことへの大きな前進であるとともに、神経線維腫症1型の有効的治療となりうる生物学的製剤を評価することに関しても大きな進歩である」と語った。また「本試験は比較的小規模なものであるが、これにより有力なベースライン情報を持つことができたことから、今回の結果を大規模試験で再現するため、決定的試験の実施に向けて国内および世界各地のその他の医療機関と一緒に取り組んでいる」と同氏は続けた。
今回の第I相試験では、神経線維腫症例の過半数を占める神経線維腫症1型の患者に対する治療としてのロバスタチンの安全性と有効性が検討された。10歳~17歳の24人が3ヵ月間にわたりロバスタチンの治療を受けた。治療の前後に認知機能検査が行われた。全患者は正常なコレステロール値を全試験期間にわたり維持しており、治療後の記憶・視覚的注意・能力において認知機能の改善が若干みられた。
「神経線維腫症1型の小児だけでなく、全ての学習障害児への影響が、小児の多い地域社会にとって関心を引くところであり、時機を逸せずに今回の神経線維腫症1型患者に関する研究を更に進めるためコンソーシアムを通じて即時に推進したいと考えている」と神経科学&行動医学センター(Center for Neuroscience and Behavioral Medicine)上級副センター長、かつ小児専門病院のギルバート・ファミリー神経線維腫症研究所(Gilbert Family Neurofibromatosis Institute)所長、かつ国防総省傘下の神経線維腫症の臨床試験コンソーシアム(Department of Defense Neurofibromatosis Clinical Trials Consortium)のグループ長のロジャー・パッカー(Roger Packer)博士はコメントした。
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