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2016-09-16

ソース(記事原文):News-Medical.Net

乳がん治療薬の子宮内膜の副作用をおそれる女性を、
研究が安心させられるかもしれない

【News-Medical.Net】(2016年9月16日)

ロヨラ・メディシンの研究員たちによる研究が、乳がん治療薬のタモキシフェンが子宮がんのリスクを増加させるかもしれないことを危惧している患者を安心させる助けになるかもしれない。


この多機関研究は『ネイチャー・ジャーナル乳がん』(Nature journal npj Breast Cancer)誌で発表された。責任著者はキャシー・S・アルバン博士で、第一著者はロナルド・K・ポックル博士。アルバン博士は、ロヨラ大学シカゴストリッチ医学部薬学血液腫瘍学部の教授で、ポックル博士は産科腫瘍学部の教授である。


この研究には、エストロゲン受容体陽性と呼ばれる初期乳がんを持ち、この研究に適格な閉経後乳がん患者296人が集められた。患者たちはタモキシフェン単独、またはタモキシフェンと黄体ホルモン併用群に無作為に分けられた。被験者たちは2年目および5年目に追跡調査され、評価された。研究者たちは、黄体ホルモンが子宮がんを発症する可能性のある異常リスクを減少させるであろうと予測した。このような異常は子宮内膜内(子宮の内膜)で起こる。


最初のタイムポイントとなる2年目に、研究者たちはタモキシフェンの単剤治療を受けている89人と、タモキシフェンと黄体ホルモンの併用治療を受けている80人の女性を評価した。タモキシフェン単剤治療群では5人、タモキシフェンと黄体ホルモンの併用治療群では1人の子宮内膜異常者が発見されたが、この差異は統計的には有意ではない。またすべての異常は良性であった。5年目にさらに良性異常が1人だけ見つかった。2年目、5年目のいずれにおいてもがんは発見されなかった。


治療開始から2年後、タモキシフェン単剤治療群ではわずか6パーセント、そして両群合わせた3.6パーセントに良性子宮内膜異常が見られた。過去の研究から、研究者たちはタモキシフェン単剤群の30パーセントが子宮内膜異常を呈すると予想していた。


アルバン博士は、異常率が予想よりもはるかに低かったいちばんの理由は、おそらく研究のスクリーニングの必須条件によるためだと言う。この研究のために集められた女性は、タモキシフェンを服用する前に全員が超音波検査を受けた。超音波が5ミリ以上の子宮の内膜の肥厚を示した場合、生検を実施した。生検により子宮内膜異常が見られた女性は、研究の対象から外された。


「乳がんの治療や予防のためのタモキシフェン服用を気にする女性にとって、治療前の超音波検査がさらなる安心を与えるかもしれないことを、この研究は示唆しています」とアルバン博士。


タモキシフェンは、乳がん発症の高いリスクを持つ健康的な女性における乳がんの治療や予防に役立つとても効果的な薬である。


「しなしながら、タモキシフェン服用により恩恵を受けるかもしれない多くの女性は、子宮内膜がんをおそれるために使用していません」と語るのはポックル博士。「タモキシフェンの服用開始時に子宮内膜異常のなかった女性は、前がん状態を発症する確率が非常に低いことを私たちの研究は示しています」。


この研究の年齢中央値は59.5歳であった。被験者たちは研究開始時、2年後、そして5年後に子宮内膜の超音波検査を受けた。2年後、子宮の内膜が5ミリ以上肥厚した女性は、タモキシフェンと黄体ホルモンの併用療法を受けた女性では60パーセントであったのに対し、タモキシフェン単剤治療を受けた女性では67パーセントであり、この差異は統計的に有利ではない。5ミリ以上の厚さを持つ女性は全員、その後に生検を受けた。その結果、タモキシフェン単剤群で子宮内膜異常が5件見つかったが、そのうち4件は増殖期子宮内膜(子宮内膜の細胞が通常より多い)で、1件は単純型増殖症(細胞の良性塊)であった。併用治療群の女性の1人で異常(増殖期子宮内膜)が見つかった。それぞれの治療群の異常は子宮がんに進行していない。


タモキシフェン単剤治療群ではさらに子宮内膜異常があったが、その差異は統計的に有意と言えるほど大きくなかった。タモキシフェンに黄体ホルモンを追加すると本当に子宮がんのリスクが減少するかどうかを証明するには、何千人の女性での追跡調査が必要であろう。


研究者たちは、「これらのデータはタモキシフェンの子宮内膜の副作用をおそれる閉経後女性を安心させることができるかもしれず、この重要なアジュバント乳がん療法および乳がん化学予防療法を始めることでほかの利益を受ける可能性があります。しかしながら、すべての無症候性閉経女性が治療を変更するには、まず大規模試験における確証が必要です」と締めくくっている。


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