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2004-12-04

ソース(記事原文):BBCニュース

乳癌治療の進歩

高齢の早期乳癌女性には、現在のゴールドスタンダードとは別の薬剤を処方すべきであると専門家らは述べている。

Lancet誌に掲載された5年データでは、閉経後女性の癌転移と再発を予防するには、アナストロゾールの方がタモキシフェンよりも優れていることが示されている。

こうした女性患者には直ちにアナストロゾールを処方すべきであり、タモキシフェン投与中の患者は切り替えるべきである、と著者らは提言する。

しかし、タモキシフェンの年間20~30ポンドに対し、約1,000ポンドという薬剤費用をNHS(英国社会保険制度)が負担するとなるまでには、しばらく時間がかかると考えられる。

アナストロゾール(アリミデックス)とタモキシフェンを比較検討した過去の試験結果では、一部の女性においてアナストロゾールの方が優れる傾向が示唆された。

一方、タモキシフェンが多くの乳癌女性に対する治療選択肢として望ましいものであることに変わりない。

一次治療

ホルモン療法反応性の閉経後乳癌女性は、5年間のタモキシフェンを服用するよう、現時点でアドバイスされている。

しかし、タモキシフェン投与には、子宮内膜癌、血液凝固障害などの副作用が起こり得るほか、乳癌の転移または再発のリスクもある。

これらの副作用のリスクが高くタモキシフェン治療が受けられない女性への適応でアナストロゾールは認可を取得している。

ATAC試験の結果から、全ての閉経後ホルモン感受性乳癌女性にアナストロゾールを投与すべきであることが現時点で示唆される。

同試験では、こうした女性で乳房に限局した癌患者9,000名以上を対象に、タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬アナストロゾールのいずれかを5年間投与した。

タモキシフェンと比較して、アナストロゾール投与では無病生存期間が10%を上回り延長し、癌再発までの期間は約20%延びた。

また、身体への癌転移のリスクが14%低下し、対側乳房への発癌リスクが40%超減少した。

アナストロゾール投与を受けた女性群の方が、タモキシフェン群よりも副作用が少なかったものの、骨折および関節痛がより多く報告された。

アナストロゾールタモキシフェンは双方とも女性ホルモンであるエストロゲンを阻害することで作用する。

タモキシフェンは、エストロゲン受容体と呼ばれる分子を遮断することで乳腺細胞の増殖を促進するエストロゲンの作用を阻止する。

また、アナストロゾールはエストロゲン生成を停止させる。

Christie Hospital NHS Trust(マンチェスターにある国営病院)の主任研究者Anthony Howell教授によれば、過去の試験結果ではタモキシフェン投与中の患者をアロマターゼ阻害薬の投与に切り替えるのが妥当だと示唆されていたとしている。

「しかし、今回の新しいATAC試験データからアロマターゼ阻害薬の投与開始を遅らせることは適切でないことが示唆される」

認可の見直し?

タモキシフェンに伴う再発率の高さ、ならびに有害事象数の上昇や治療離脱を受けて、最も効果的で忍容性が高い治療の提供に向けて一刻も早い取り組みが支持される」

Breakthrough Breast Cancer(乳癌慈善団体)の Sarah Rawlings博士は「このタイプの閉経後早期乳癌女性にとって今回の知らせは歓迎すべきものである」と述べた。

「しかしながら、アリミデックスタモキシフェンの代替薬として英国では完全承認されていないという注意点を補足しておきたい。また、タモキシフェンは現在利用可能な最良の選択肢であるため患者は継続を断念する必要はない」

CancerBACUP(癌患者会)癌情報サービス看護師長Sue Green氏は、「タモキシフェン投与を受けている女性は、治療が非常に有効であるという確信を得ているはずだが、今回の知らせで不安のある人は担当医と治療選択肢について検討し合うのが望ましい」と語った。

また、同氏はアナストロゾールに関して医療専門家に明確な指針を与えられるように、監視機構であるNICE(英国立医療技術評価機構)に対し緊急にデータを評価するよう強く求めた。

Breast Cancer Care(乳癌ケア団体)のLiz Cheesman氏は「一次治療としてアナストロゾールを認可することが英国で再検討され、女性患者に適応できるようになるまでにはしばらく時間がかかるだろう」と述べた。

「医療専門家が直面している課題は、タモキシフェン投与後に延長療法としてアロマターゼ阻害薬を使用することで有益性を示すに至った近年行われた他の試験結果と比較した場合、アナストロゾールを一次治療としてどのように用いるのかを模索することにある」

この研究結果は、今週米国テキサスで開催されるサンアントニオ乳癌シンポジウムで発表される。

アリミデックスはアストラゼネカ社によって製造されている。


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