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2007-11-12

ソース原文(オリジナル):BBCニュース

血圧の薬、多発性硬化症(MS)に効く可能性

英国の研究者らによると、数十年にわたり高血圧治療に用いられてきた医薬品が多発性硬化症治療の鍵となる可能性があるという。

アミロリド(Amiloride)に、マウスの神経組織の変性を抑える作用のあることが判明し、 オックスフォード大学(Oxford University)の研究チームは現在、多発性硬化症患者に対する試験を計画中だ。神経細胞内の高レベルなカルシウムの蓄積は、神経損傷(障害)をもたらす可能性がある。

英国には、多発性硬化症患者が約8万5,000人いる。

この疾患は、体内の免疫システムの異常により生じ、(病状は)自身に向けて内攻し、神経を覆っている脂肪質のミエリン鞘(髄鞘)を侵す。この神経細胞の損傷の原因の一つに、カルシウムの蓄積がある。

ラース・ファガー(Lars Fugger)教授らは、ある特定の経路であるASIC1の効果を検証。ASIC1は、カルシウム分子が細胞内に入るのをコントロールする。多発性硬化症を擬した病状のマウスを検証したところ、この経路が開いていた。 その結果、正常よりも多くのカルシウムが神経細胞に流入し、損傷を引き起こすことが発見された。ファガー教授によると、多発性硬化症に見られるような炎症は、酸性条件のもとになり、この経路を開放させて、 多量のカルシウムが神経細胞内に蓄積することにつながるという。

治療

医学誌「ネイチャー・メディシン」(Nature Medicine)の研究報告によると、高血圧と心不全の治療に長年使用されてきた アミロリドには、カルシウムがASIC1経路を通って流入するのを止め、マウスの神経組織の変性を防ぐ作用のあることが判明したという。

英医学研究審議会ヒト免疫学ユニット(Medical Research Council Human Immunology Unit)のファガー教授は、アミロリドがすでに認可済みという事実によって、 かりにも効果のあることが証明された場合は、患者に治療を受けさせる過程が早まることになるだろうと述べた。同教授は現在、ヒトにおける適切な投与量を研究中で、来年は臨床試験の開始を計画している。

同教授は、「医薬品を最初から開発するとなれば、10~15年の歳月と10億ドルもの予算が必要となる。そして、予想もしない副作用が見つかって突然中止されるものもある。 カルシウムが神経細胞にとって良くないことは知られているが、それを抑止することがいかに簡単であるかは、あまり理解されていない」と語った。

多発性硬化症協会のラウラ・ベル(Laura Bell)博士は、「神経線維の保護は、研究分野として有望かつ重要。だからこそ多発性硬化症協会は現在、臨床試験に50万ポンドを費やして、 多発性硬化症患者におけるこの種の神経保護を研究している。オックスフォードの研究結果の初期段階は興味深いもので、将来の研究結果を心待ちにしている」と述べた。

同研究は、医学誌「ネイチャー・メディシン」に掲載されている。


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