ダイエット - このカテゴリーに関連するニュース・情報

下記の内容は、当サイトがWeb上の英語で書かれたニュースや記事を独自に訳したものであり、当サイトはその内容、翻訳の正確性に関して一切免責とさせて頂きます。この点をご理解の上、参考になさってください。また、この翻訳文の無断利用はお控え下さい。

2011-08-26

ソース(記事原文):BBCヘルス

太っているのか、妊娠しているのか、それとも両方?

BBCヘルス(2011年8月26日)―ブリジット・ベネラム(Bridget Benelam)、英国栄養財団(British Nutrition Foundation)・栄養学者

「私は太ってるんじゃない、妊娠中なのよ!」実際にはその両方である女性も中にはいるかもしれませんが、英国には現在、妊娠中に体重が増えた場合、どの程度が増え過ぎとなるのか助産師や女性が決めるのに役立つ指針がありません。

今週のスクラビングアップ(Scrubbing Up)記事では、英国栄養財団のブリジット・ベネラム氏が妊婦の体重管理に対する明確なアドバイスの必要性についてお話します。

英国では出産可能年齢の女性のほぼ半数が、体重過多または肥満です。これは肥満妊婦の数が増加していることを意味します。しかしながら妊娠中に女性はどの程度体重を増やすべきかについて英国には指針が存在しないため、脂肪と赤ちゃんの両方でお腹が出ている太った母親を見極めることは難しいのです。

妊娠中の体重増加量はさまざまで、赤ちゃんの体重、羊水の量、母親の血液量の増加、そして体脂肪など多くの要因に左右されます。妊娠中に新たに増えた脂肪は、赤ちゃんが生まれた時の授乳用として蓄積されます。

しかし、妊娠中の過剰な体重増加は母親と子供に健康上のリスクをもたらします。出産も大変なものとなり、帝王切開や鉗子分娩が一般的です。こうした分娩方法はいずれも、事前に手配した産院施設に負担をかけます。

女性は妊娠したら「2人分食べる」必要があるというのが一般的な考えですが、実際、妊娠中にさらに必要となるカロリーは少しだけです。

妊娠してから最初の28週間は余分にカロリーを摂取する必要はありません。また妊娠後期の12週間に追加で必要となるのは1日当たり200kcalだけで、これは小さなパン2切れに相当します。

昨年、英国助産師協会(Royal College of Midwives)とネットマム(NetMums)が6,000人以上の女性を対象に行った調査では、61%の人が、担当の助産師は体重管理や栄養に関する不安について話し合う時間が十分ではなかったと答えました。これは、多くの女性が妊娠という大切な時に、体重の管理方法について話し合うことのないまま妊娠している可能性があるということです。

また、すぐに利用できるアドバイスが必要なのは明らかですが、そのような指針はありません。

英国立医療技術評価機構(National Institute for health and Clinical Excellence、略称NICE)による現行のガイドラインでは、妊娠中の体重増加はどの程度が健康的なのかという問題が扱われていません。ただし、ガイドラインは英国独自の指針の必要性について指摘しています。

2010年に発行された現行ガイドラインでは、体重過多や肥満の女性については、妊娠・出産を試みる前に減量を勧めるとされています。

ところがガイドラインは、女性が妊娠したら、減量のための食事制限は勧めていません。 食事制限は成長する赤ちゃんの健康に害を与える恐れがあるからです。そのために女性は健康的な食生活を送り、運動する必要があるとしているのです。

でも、これは実際問題としてどういうことなのでしょうか?

米国の指針はさらに踏み込んだものとなっています。

米国医学研究所(Institute of Medicine)は、女性にとって妊娠中の健康的な体重増加量というのは、身長に対する標準体重よりも25~35ポンド(11.5~16kg)であると定めています。

また体重過多・肥満の女性は、妊娠中は痩せている女性の場合ほど体重を増やしてはいけないとしています。例えば、肥満度が高い場合の体重増加は20ポンド(9kg)までです。

妊娠は、女性が自分自身だけでなく、成長する赤ちゃんの健康への配慮にとりわけ関心を抱く絶好の機会です。

妊婦(および妊娠を計画している女性)を対象とした体重管理に関する適切な支援やアドバイスを受けることで、母親と赤ちゃんのリスクを減らすことができます。また妊娠中の肥満によって医療施設にかかる負担も軽減することが可能です。

ただし、助産師は体重管理に関するこうしたアドバイスをする上で何らかのサポートを必要としており、アドバイスするための教育を受けていない可能性もあります。彼らが明確な指針を得ることが、手始めとして適切でしょう。