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2016-09-01
ソース(記事原文):News-Medical.net
妊娠中の新しい2つの抗てんかん薬の服用は
子供の思考能力とIQに有害ではない可能性
【News-Medical.net】(2016年9月1日)
レベチラセタムとトピラマートは、妊娠中にこれら2つの抗てんかん薬を服用していた母親から生まれた学童の思考回路とIQに対して有害ではない可能性があることが、米国神経学会の医学会報である『ニューロジー』のオンライン版で2016年8月31日に発表されている。しかしバルプロエートは、特に高用量服用した場合に子供のIQ低下と関係がある。
バルプロエート、レベチラセタム、そしてトピラマートは、FDAに承認されているてんかんの治療薬である。バルプロエートは一般にてんかんの薬物治療で処方され、出生異常や発育障害と関係している。レベチラセタムとトピラマートは比較的新しい薬剤で、子供の発育と思考に対する影響を示した研究はほとんどない。
「医者たちがバルプロエートの処方から手を引くように、私たちもてんかんを持つ妊婦のためにこれに取って代わる薬について知る必要があります」と語るのは、この研究の著者であり、イギリスにあるマンチェスター大学に勤務するレベッカ・ブロムレー博士。「早い時期の低IQはその後の何年間にわたって子供の教育の成功に対して悪影響を与える可能性があり、そのためこれらの薬が持っているかもしれない発達へのいかなる影響について、充分な理解を得ることが重要なのです」。
英国妊娠てんかん研究グループ(UK Epilepsy and Pregnancy Register)のデータを利用し、研究者たちは5歳から9歳の子供を持つてんかん持ちの171人の女性を特定した。このうち42人が妊娠中にレベチラセタム、27人がトピラマート、そして47人がバルプロエートを服用していた。対照群の55人は、妊娠中に抗てんかん薬を服用しなかった。研究者たちは、言語および非言語理解力、視覚情報処理速度などについて彼女たちの子供のIQを測定した。
服用量に関係なく、レベチラセタムまたはトピラマートを服用した母親の子供には、対照群と比較してもIQやほかの思考能力の低減はみられなかった。バルプロエートを服用していた母親の子供は、調査でのIQは最低であった。この子供たちのIQテストは、平均100ポイントに対して平均で11ポイント低かった。母親がバルプロエートを服用していた47人の子供のうち9人または19パーセントが、妊娠中にいかなる抗てんかん薬を服用しなかった母親の子供55人のうちの3人または6パーセントと比較してIQスコアの平均幅よりも下回った。
「私たちの結果は順調なスタートを切ったことを示していますが、これらの薬剤が子供の思考能力を変化させないということを確かめるための大規模な研究が必要です」とブロムレー博士。
この研究のただひとつの制約は、この研究グループにはてんかんを持つ妊娠女性の人数が少なく、この結果がてんかん持ちの全女性を代表しているわけではないということです、と博士は言っている。さらに、トピラマートは口唇口蓋裂などの出生異常のリスク上昇と関連しているとも述べている。この研究において各薬剤における子供はほとんど含まれていないため、この研究結果の解釈は慎重に行なわなければならない。
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