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2006-07-01
ソース(記事原文):BBC ヘルス
小児期のネフローゼ症候群
トリシャ・マクネアー博士(Dr Trisha Macnair)
【ネフローゼ症候群は病気ではないが、さまざまな異なる病気に起因する随伴症状群である。
この報告は、2006年7月にロブ・ヒックス博士が最後に行った医学的な評価によるものである】
ネフローゼ症候群とは?
糸球体と呼ばれる腎臓内の微視的濾過装置の機能障害により、体内のタンパク質が失われ、ネフローゼ症候群の諸症状をもたらすに至る。
糸球体は、血液をきれいにして尿を生成する。通常、糸球体ではタンパク質が血液から尿中に排泄されるのを防いでおり、成人において失われるタンパク質は150mg/日未満である。
しかし、ネフローゼ症候群では糸球体からタンパク質が漏れやすくなり、24時間ごとに3.5g超、すなわち正常量の25倍のタンパク質が漏出する(小児では0.05g/kg体重/24時間に相当)。
タンパク質の減少により以下の症状が現れる。
* 血液中のタンパク質の濃度が低下
* 塩分と水分が溜まり、組織腫脹をきたす。
どのような人が発症するのか?
ネフローゼ症候群は、年齢にかかわりなく発症するが、特に小児期にその傾向が強く、とりわけ約2歳~8歳に認められることが多い。人生のある時点で、5,000人に1人がネフローゼ症候群を発症すると考えられる。
原因は何か?
ネフローゼ症候群は以下に起因し得る。
* 微小変化型群は小児期に最も多くみられるネフローゼ症候群の一種だが、直接の原因は明らかでない。腎臓の生検(微小な検体を顕微鏡下で検査)は、正常またはほぼ正常であると思われる。
* 巣状分節状糸球体硬化症(FSGS)、膜性増殖性糸球体腎炎、感染後の糸球体腎炎、またはその他の症状に起因する糸球体の瘢痕化(小児の約20%の生検で認められる)
* 先天性ネフローゼ(通常は乳幼児にみられる遺伝性の腎障害)
* ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
* アレルギー反応、薬剤アレルギーも含む。
* B型肝炎などの感染症
* アミロイド症(通常60歳を超える人にみられる病気)
* 糖尿病(特に進行期)
* 血圧の上昇(高血圧)
どのようにして診断するのか?
ネフローゼ症候群の診断は、一般的に極めて容易であり、単に尿中のタンパク質量を測定するにすぎない(この測定には、24時間蓄尿検体が必要となる場合がある)。
特定の尿中老廃物(クレアチニンまたは尿素窒素)の割合が、腎損傷の重症度を示す場合がある。腎生検が必要となる場合があり、特に治療不応例でその傾向が強い。
ネフローゼ症候群の症状
* 眼の周囲の組織腫脹(いわゆる眼窩周囲浮腫)、ならびに腹部、手、脚(特に長時間立ったままの後で)の腫脹
* 低アルブミン尿(血中タンパク質であるアルブミンが低値になることで、体液が血液中から組織に移る
* 血中コレステロールの高値(高コレステロール血症、これは通常コレステロールの代謝に関連する酵素が、腎臓から漏れ出すことで発生)
* 体重増加
* 尿量減少
* 排尿回数の減少
* 「泡」のような尿
* 疲労
* 感染に対する感受性の増加
* 血栓症リスクの上昇(血餅の形成)
どのような治療が行われるのか?
これは基礎疾患の種類によって異なる。微小変化型ネフローゼ症候群は、短期間のステロイド投与で迅速に効果を示すことが多いが、回復には数週間かかる可能性があり、大半の小児では永続的な腎障害は認められない。
腫れを抑えるために、水分と塩分の摂取を子供に制限することがある。腎臓で生成される尿量を増加させる利尿薬という薬も、腫脹を軽減するのに有用であると考えられる。
これ以外にも、タンパク質の減少を防ぐために、通常は高血圧の治療に使用されるACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害薬などの薬を投与することが時折ある。
その他のタイプのネフローゼ症候群では、ステロイドの効果は低い可能性があり、免疫系を抑制する強力な薬剤(例えば、シクロホスファミド、クロラムブシル、シクロスポリン)など別の薬も必要となる場合がある。
ネフローゼ症候群には、いくつか強い治療抵抗性を示すタイプのものがある。
合併症はあるのか?
血栓症やその他の血液凝固の問題が発生する場合があり、小児は特定の感染症にとりわけ罹患しやすくなる可能性がある。重篤または遷延症例では、腎不全に陥る可能性があり、腎透析や、さらには腎移植が必要となる。例えば、巣状分節状糸球体硬化症(FSGS)の3人に1人は、腎不全に至るまで徐々に悪化していく。
微小変化型ネフローゼ症候群の患児は、速やかに回復することが多いが、3人に1人もが、小児期を通じて高頻度に再発し続けると考えられ、特にウイルス性疾患後にその傾向が強い。幸いに、通常は成人期に入ってまで継続することはない。
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