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2016-03-04

ソース(記事原文):Medical News Today

少量のアスピリン常用が大腸がんを予防

【Medical News Today】(2016年3月4日) ― 少量のアスピリンの日常的な服用は、一般にがん、特に大腸がんの予防の助けになるかもしれないとの結果が、JAMA腫瘍学ジャーナルで語られている。

アスピリンの長期服用は、わずかではあるものの明らかに全体的ながんリスク、特に消化管(GI)腫瘍の減少と関係している。

歴史的に、アスピリンは頭痛や関節炎、筋肉痛をはじめ、心臓血管疾患(CVD)の治療や予防によく使用されている。

米国予防医療専門委員会はCVDと大腸がん(CRC)の予防のために、日常的にアスピリンを摂取することを推奨している。

マサチューセッツ州ボストンにあるマサチューセッツ総合病院に勤務するアンドリュー・T・チャン博士と彼の共同著者は、アメリカの医療専門家が実施した2つの巨大コホート試験に参加した13万5965人から、がんに対するアスピリンの効果を調査した。

すなわち、1980年から2010年に行なわれた看護士健康調査および、1986年から2012年に実施された医療従事者追従調査である。

アスピリンの週間服用で CRC リスクが 19 %減少

研究チームは、8万8084人の女性から2万414人のがん患者を、そして32年以上がんを患っている4万7881人の男性のうち7571人を調査した。

0.5-1.5 錠の標準的なアスピリンを毎週摂取した人では、全体のがんの有病率は 3 %低く、うち 15 %は消化管がんリスクが減少し、また 19 %は大腸がん進行のリスクが低減した。

CRC予防に対するアスピリンの効果は用量依存的であることをこの結果は示唆している。

アスピリンの常用は乳がん、前立腺がん、肺がんやほかの主要がんのリスク低減と関連していなかった。例え関連しているとしても、ほかのタイプのがんリスクに対するアスピリンが持つ効果は、いまだに明らかになっていない。

これらの結果は、アスピリンは消化管におけるがんの形成の原因となる付加機序に影響を与えるのかもしれないことを示唆している。このことは、アスピリンが消化管がんのリスク低減とより強く関連していることを説明できるかもしれない。

アスピリンは、検査を受けている、いないに関わらずCRCを予防できるかもしれない。しかしながら結果においては、より多くのケースにおいて検査を受けていない人に明らかに予防効果があったことを示している。

一般集団では、50歳以上の人のアスピリンの常用は、検査を受けなくてもCRCを予防できる可能性があることを研究者たちは示唆している。

下部内視鏡検査を受けていないCRCの人の17%、また検査を受けたCRCの人の8.5%は予防することができた、と研究チームは推測している。

著者たちは、CVDに対するアスピリンの利点と、消化管出血などの潜在的な弊害を伴うがんとのバランスをうまく取ることを推奨している。

彼らは以下のようにまとめている:

「一般的なアメリカ人をはじめ、検査に対する信頼性が低い人たちにとって、アスピリンは資源制約的な状況における内視鏡的な CRC (大腸がん)検査の低予算の代替え品として、またはこのようなプログラムが既に行なわれた状況を補う手段になるかもしれません」。

ヒューストンにあるテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターのアーネスト・T・ホーク博士と彼の共同著者は、一般集団におけるアスピリンの潜在的影響に関する研究結果だけでなく、検査の過程にも追加することができる有用性についてもリンクされたコメントの中で強調した。

アスピリンの使用は大腸がんの検査を補い、内視鏡検査に関係なく有益な存在になるかもしれない、と彼らは語っている。


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