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2015-11-11
ソース(記事原文):MedPage Today
心房細動患者における抗凝血薬の使用が減少
【MedPage Today】(2015年11月11日) ― 脳卒中の再発防止にリバーロキサバンを処方された心房細動を持つ患者のわずか半数が2年後も引き続き治療を受けていたが、彼らのアドヒアランス(※患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること)はワルファリンやダビガトランで心房細動の治療を受けている患者よりも依然としてよかった、と研究者は語っている。
ストーズにあるコネチカット大学健康センターのクレイグ・コールマン博士とその同僚は医療費請求記録データ(claims data)に基づいた研究において、ダビガトランで治療を受けた患者の30.6%またワルファリンで治療した26.6%の患者が抗凝血薬を持続使用していたのに対し、リバーロキサバンは2年目で50.4%であった、と報告している。
リバーロキサバンとほかの2つの薬剤のアドヒアランスにおける相異は統計的に有意(P<0.05)であった、と米国心臓協会の総会でのポスター発表の際にコールマン博士はメディカルページ・トゥデイに対して語った。
コールマン博士のグループは、米国臨床診療研究データリンク(U.S. MarketScan claims databases)の後ろ向きコホート分析を行なった。研究の対象は、2011年から13年の間に新たにリバーロキサバンを使用し始めた患者1万1052人およびダビガトランの服用を開始した1万1100人、そして3万5337人のワルファリン使用患者を含む非弁膜症性心房細動の患者5万7489人である。
患者の基準値はCHA2DS2-VASc スコア ≥2、心房細動診断コード≥2 aで、抗凝血薬治療開始前に6ヵ月以上の継続的な治療および薬剤給付を受けていた。彼らは病院内死、または継続登録の終了、または研究の終了のいずれかいちばん早い段階まで追跡調査された。
著者は、持続服用を60日より長く間をあけない補充間隔と定義し、中断を90日より長く追加の補充がない場合と定義した。
傾向スコアを使用して、研究者たちは3万2634人(各治療グループ1万878人)の患者の結果を分析した。
退縮に関しては、リバーロキサバンの使用はダビガトラン(危険率0.64, 95% CI 0.62-0.67)とワルファリン(危険率0.62, 95% CI 0.59-0.64)、およびダビガトラン(危険率0.61, 95% CI 0.58-0.64)とワルファリン危険率0.65, 95% CI 0.62-0.68)に対する中断の減少率と比較して非持続性の危険性減少と関連性があった。
「非弁性心房細動を持つ患者の虚血性脳梗塞リスクの減少にとって、最適で持続的な非ビタミンK拮抗経抗凝血薬の使用が必要です」とコールマン博士は言う。「非持続性が与える影響および非弁性心房細動患者の臨床的および経済効果による治療の中止を調査するさらなる研究が必要です」。
「前公衆衛生局長官であるC.エバーレット・クープがいつも言っていたように、『薬は使ってからこそ効果がある』、ということがわかったのです」とコールマン博士。
「これらの治療には、持続服用に違いがあることを私たちは証明することができました」と彼は付け加えた。「リバーロキサバンを処方されている人は、投薬治療がより長いように思われます。これらの患者は平均して約1年半続けていました」。
米国心臓病学会の前会長であるダグラス・ザイプス博士は、持続服用の向上には「医師が患者と一緒に腰を据え、なぜこの薬の使用が不可欠なのかを伝えることが必要とされます」と語る。
「また医者は未治療の心房細動が出現するリスクの可能性についても説明する時間を持たなくてはなりません。医者、上級看護士、もしくは今では血圧管理者に属する医療薬剤師であってもかまいません。患者にうまく理解させられないことは、新しい治療にとって弱点になります」と語るのはインディアナポリスにあるインディアナ大学医学部のザイプス博士。
医者は、慢性、無症候性疾患の治療のために薬を使用している患者に共通する考え方に対処すべきである、とザイプス博士はメッドページ・トゥデイに語った。
「調子のいい患者は、『これ以上その薬を服用する必要はない』と言うでしょう。これが問題なのです。私たちは医療関係者として治療の必要性を強く訴えなくてはなりません。これは抗凝血剤に限ったことではなく、アスピリン、β遮断剤、抗高血圧薬、スタチンなどの中断でも見られます」とザイプス博士。
「私の50年を超える医療人生において、最大の障害は行動を変えることです」と彼は付け加える。「これを達成するために、医療従事者による持続的な強化と、持続的な説明が必要なのです」。
これに対してコールマン博士はこれに同意している。「『あなたは患者に、来院のたびに抗凝血剤を使用する必要性を再認識させなくてはいけない』ということをいつも医者に話しています」。
2013年までのデータを見ながらコールマン博士は「アピキサバンに関する有意義なデータを得るにはまだ早すぎたようです」と指摘している。
また彼の研究グループは、なぜデータに基づくほかの薬よりもリバーロキサバンが継続して使用されているのかを裏付けることができなかった。
「しかし、これには論理的な理由があります」と彼は言う。「ダビガトランは、特に治療の初期段階に消化不良が起こることが多いのです。またダビガトランが1日2回服用なのに対し、リバーロキサバンは1日1回で済みます。さらにダビガトランは市販されている新しい経口抗凝血剤の中で最初に発売されたため、人々はダビガトランからほかの治療に切り替えたのかもしれません」。
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