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2011-05-03

ソース(記事原文):BBCニュース

科学者らが「悪玉脂肪」を「善玉脂肪」へ変換

2011年5月3日更新

BBCニュース医療ジャーナリスト  ミッシェル・ロバーツ(Michelle Roberts) 著

科学者らは、体脂肪をより優れたタイプの脂肪に変えることによりカロリーを燃焼させ減量する方法を発見したと述べた。

米国ジョーンズ・ホプキンス(Johns Hopkins)の研究チームは、これはラットにおける飛躍的な進歩であるが、人間でも同様のことが行える可能性があり、新たな肥満治療法として希望を与えるものである、と考えている。

食欲と関連のあるタンパク質の発現に変化を加えたところ、動物のカロリー摂取量と体重が減少しただけではなく、体脂肪率も改善した。

セル・メタボリズム(米科学誌)では、「悪玉」白色脂肪が「善玉」褐色脂肪になったと報じている。

褐色脂肪は乳児が豊富に持つもので、体温を生み出す動力源として利用されると同時に、カロリーも消費する。

しかし、年齢を重ねるにつれて褐色脂肪の大部分が消失し、「悪玉」の白色脂肪に取って代わられる。腰回りの贅肉がその典型である。

白色脂肪よりも褐色脂肪をたくさん作り出すように体を刺激することが、体重の抑制や、肥満の阻止と、肥満に関連した2型糖尿病のような健康問題の予防に有用な方法となる可能性がある、と専門家らは理論的に考えた。

斬新なアプローチ

これを実現する方法を多くの研究チームが長い間模索してきたわけだが、ジョンズ・ホプキンス大学医学部(Johns Hopkins University School of Medicine)のシェン・ビ(Sheng Bi )博士らは、これを解明した可能性があると考えている。

同氏らは、ラットにおいてNPY(ニューロペプチドY)という食欲刺激タンパク質を抑制した場合、体重が減少するのかどうかを確かめる実験を設計した。

げっ歯類の脳内のNPYの発現を停止させたところ、食欲と飼料摂取量が減少したことが明らかとなった。

このラットに非常に油っこい高脂肪食を与えた場合でも、NPYが十分に機能しているラットよりも多くの体重を落とす事ができた。

次に同研究者らはラットの体脂肪率を調べ、興味深い変化が起きていたことを見出した。

NPYが発現停止したラットでは、悪玉白色脂肪の一部が、善玉褐色脂肪に取って代わられていた。

白色脂肪の燃焼と体重の減少を促進させるために、褐色脂肪の幹細胞をヒトの皮下組織に注射すれば、ヒトにも同じ効果が期待できるのではないか、と研究者達は考えている。

ビ氏は「悪玉脂肪を善玉脂肪に変換しカロリーが貯蓄される代わりに燃焼されるように人体に働きかけることができたとしたら、我々は、至る所で蔓延している肥満病に対処するための新たな、そして重要な治療法を考え出したということになるだろう」と述べた。

「これが可能となるかどうかは、今後の研究しだいである」

バーミンガム大学(University of Birmingham)の肥満研究センター(Centre for Obesity Research)の専門家ジェレミー・トムリンソン(Jeremy Tomlinson)博士は、「これは心を躍らせる、斬新で、そして興味深い発見だ」と述べた。

「解明にはさらなる研究が必要となるが、肥満に対する新規治療法を開発するための現実的な方法が得られる可能性がある」