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2009-06-16
ソース(記事原文):BBC ニュース
抗癌クリームがしわと戦う
皮膚の前癌病変の治療に使用されるクリームは、老化の症状も改善することが試験で明らかになった。
フルオロウラシルは、日焼けでダメージを受けた肌から前癌病変を取り除くという本来の効果の他に、しわ、しみ、くま、くすみも改善した。
前癌性の日光角化症の患者は、治療の副作用として肌の若返りを期待できることがArchives of Dermatologyに発表された。
米国の著者らは、この美容効果を利用しようとする者もいるだろうと報告している。
しかし専門家らは、この薬は重度の皮膚反応を引き起こす可能性のあることから単なる美容目的で使用しないよう忠告した。
この治療法は皮膚の最表層に意図的にダメージを与えて、体が健康的な新しい皮膚を作り出すよう促すものであり、ケミカルピーリングやレーザー治療によく似ている。
また比較的安価であり、レーザー治療に代わる魅力的な治療法である。
日光角化症のボランティア21例が参加した試験では、患部に1日2回2週間フルオロウラシルクリームを塗布したところ著しい改善が認められ、前癌性のしみはなくなり、また日焼けによるダメージの症状が一部回復した。
アナーバーにあるミシガン大学医学部のDana Sachs医師が率いる米国科学者らは、次のように述べた。「レーザーで除去して新しい表皮を再生させるのに比べれば、この治療法は比較的費用がかからないため、間違いなく美容目的で局所フルオロウラシルのような治療法を希望する患者はいるだろう。」
付加的効果
また、日光角化症の患者も付加的な美容効果に引き付けられるかもしれない、と彼らは述べた。
「日光角化症の治療のために局所フルオロウラシルを使用中の患者には、日焼けによるダメージの修復作用という付加的効果が見られるだろう。このことは日光角化症の患者にとって、厳しい治療を受けるためのやる気を一層与えてくれるかもしれない。」
この治療法は全体的に忍容性が良好であったものの、Dana Sachs医師は、「治療関連症状として赤みやかさぶたの形成といった肌のダメージが数週間は続く可能性があるため、美容整形の方法としては受け入れられないと感じる者もいるだろう。」と述べた。
しかしブリティッシュ・アソシエーション・オブ・ダーマトロジスト(British Association of Dermatologists)のNina Goad氏は、次のように述べた。「この化学療法クリームは、日焼けによる前癌病変の効果的な治療薬として知られている。」
「だが、多くの患者の肌に重度の赤み、滲出、かさぶたの形成を引き起こすことがあるため、患者は非常に辛い思いをする可能性がある。」
「これは皮膚の前癌病変の治療には有用であるが、重度の皮膚反応のリスクのため、美容問題の解決策を探している多くの人には敬遠されるだろう。」
「しわを作らない一番の方法は、日差しを浴び過ぎないようにすることである。」
化粧品トイレタリー香水協会のChris Flower氏は、「この試験は学問的には興味深いかもしれないが、このクリームは化粧品ではなく、また化粧品業界によるそのような販売促進もされていない。」と述べた。
「実際エフディクスの有効成分であるフルオロウラシルは、化粧品の製造を規制する厳しい法律の下、EUでは化粧品への使用が禁止されている。」
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