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2008-02-01

ソース(記事原文):サイエンス・デイリー

探し物

認知科学者らが機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、目が探し回っているあいだの脳を観察

2008年2月1日 — 脳が既知形状の物体を探し求める仕組みを解明するための実験を認知科学者らが行った。点の動きを追うよう被験者に依頼し、fMRIを用いて、脳のどの部分が活動するのかを確認した。 fMRIの結果から、脳がある形や色など特定の特徴を探しているとき、眼が焦点を合わせている個所だけでなく、視野のいたる所でその特徴を探し回っていることが示された。

あなたはよく物を無くすだろうか?財布?リモコン?物を無くすのは、あなただけではない。今回、あなたの紛失した鍵を探し出す鍵を、同科学者らが発見した可能性がある・・・もちろん見つけられるのは鍵だけではない。

脳が物を探す仕組みについて理解すれば、紛失した鍵を見つけ出すのが多少容易になる可能性がある。認知科学者らは、被験者がドットの動きを追跡しているあいだ、fMRIを用いて脳を観察したところ、特定の脳部位で光が放たれたことを突き止めた。

カリフォルニア大学アーバイン校(University of California, Irvine)の認知科学部助教ジョン・セレンス(John Serences)博士は、「何らかの特徴について考えるだけで脳の設定を変えることができ、その考えている特徴について一層敏感になる」と語った。

これは人探しにも活用できる。「雑踏の中で友人を探していて、友人が赤いジャケットを着ているのを知っている場合には、赤い物が目に飛び込んでくる傾向がある」とセレンス氏は述べた。

今回の発見は、単に物を探し出すのに有用となるだけではない。セレンス氏によれば、何かに集中しているときに脳のどの部分が活動するのかを知ることにより、注意欠陥障害(ADD)の診断を医師が下すのに有用となる可能性があるという。

セレンス氏は「現在ADDのような診断の大半は、ほとんど主観的尺度で行われていることから、こうした発見は著しい進歩になるだろう」と述べた。

診断が早期かつ正確であるほど、治療もより効果的ということになる。


fMRI(機能的磁気共鳴画像法)とは?


磁気共鳴画像(MRI)は、X線ではなく、ラジオ電波と強力な磁場を用いて、臓器や組織の鮮明かつ詳細な画像を得るものである。fMRIはこうした技術を用いて、血管が拡張していたり、化学変化が生じていたり、もしくは余分な酸素が運ばれていたりする脳の領域を特定する。これらの変化は、特定の脳部位で情報が処理され、体に指令が与えられていることを示している。患者が特別な作業を実行するとき、その作業を担う脳領域の代謝が上がることで、MRI画像のシグナルが変わる。そこで、さまざまな機能に応じた特定作業を実行することによって、その機能を支配する脳部位の位置を示すことができる。