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2011-10-05
ソース(記事原文):ファミリープラクティスニュース
新生児ヘルペス:経口アシクロビルによる神経発達の改善
ファミリープラクティスニュース (2011年10月5日) ― メアリ・アン・ムーン(Mary Ann Moon)著
CNS(中枢神経系)障害を伴う新生児ヘルペスを有する乳児に、ウイルスを抑えるための経口アシクロビルを6ヶ月間投与した場合、1歳の時点で神経発達に関する転帰が改善することが、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(医学誌)10月6日号の論文で報告された。
さらに、皮膚・眼・口などに新生児期単純ヘルペスウイルス(HSV)が発生した乳児において、この治療により皮膚病変の再発が予防される、とバーミングハムのアラバマ大学のデイビッド・キンバリン(David W. Kimberlin)博士らは述べている。
これらの結果は、これまでの小規模な非対照の症例集積において「示唆」されてきたが決定的な確認は未だされていない。とはいえ、今回の論文では、2件の並行群間プラセボ対照第III相臨床試験により、新生児期の単純ヘルペスウイルス(HSV)後にアシクロビル抑制治療を用いることを支持する有力なエビデンスが得られたことを初めて示している。
これらの2件の試験は米国国立アレルギー感染症研究所の抗ウイルス共同研究グループ(Collaborative Antiviral Study Group:CASG)によって実施されたもので、疾患があまりに稀なので、登録患者数を十分満たすのに、19施設の医療センター参加のもと11年間を要した。
1つ目の試験(CASG103)では、中枢神経系(CNS)型HSV(37人)、またはCNS障害を伴う播種性HSV(8人)の乳児計45人を対象として、標準的な21日間の非経口的アシクロビルを最初に投与した後、6ヶ月間にわたる経口アシクロビル投与群、あるいはマッチさせたプラセボ群に無作為に割り付けた。試験計画書によれば、試験期間中に皮膚病変の2度目の再発がみられた乳児は、無作為に割付ける方法から外し、非盲検下でアシクロビル抑制療法を行うこととした。
39人(87%)は、6ヶ月間の治療を完遂したか、もしくは皮膚病変を2回再発し非盲検下で治療した。別の6人は追跡不能、同意撤回、あるいは非遵守で試験脱落した。プラセボ群のうち1人は死亡した。
元の45人中28人(62%)について1歳の時点でベイリー乳幼児発達検査を用いて評価した。精神的スコアの平均値は、プラセボ群の乳児と比べて(68.1)、アシクロビル抑制療法を受けた患児で有意に高い(88.2)ことが明らかになった。
さらに、神経学的転帰が正常と分類されたのはアシクロビル群の乳児の69%であったのに対し、プラセボ群の乳児では33%にすぎなかった。アシクロビル群では、軽度の神経機能障害が6%にみられ、中等度の障害が6%、重度の障害が19%に認められた。これに対するプラセボ群での割合はそれぞれ8%、25%、33%であった。
アシクロビル投与に無作為に割り付けられた群の中で、15人は6ヶ月間治療を完遂し、6人は6ヶ月治療の一部しか受けておらず、7人は実薬を全く投与されなかった。ベイリー精神発達スコアは、アシクロビルの投与期間が延びるにつれ徐々に上昇し、6ヶ月間完遂した乳児の平均スコアは85点、6ヶ月に満たなかった乳児では平均80点、アシクロビル未投与の乳児では平均73点であった、と研究者らは報告している(N.Engl.J.Med. 2011;365:1284-92)。ベイリー運動技能発達スコアに、アシクロビル群とプラセボ群との間で有意差はなかった。
単純ヘルペスウイルス(HSV)に対するアシクロビル抑制療法により神経発達が改善されるという研究結果について「CASG103試験の被験者の38%で評価が行われていないという事実を加味すべきである。被験者の大幅な欠落により、主要評価項目を解釈しにくくなる」と同研究者らは指摘した。
それでも、本研究では「新生児期のHSVから救命し得た乳児において持続的な神経損傷が起きることと、長期的な抗ウイルス抑制療法によりそれが減少することを示唆する初めての対照データを提供している」とキンバリン氏らは語った。
2つ目の試験(CASG104)では、新生児期の皮膚、眼、または口にHSVが発現した29人の乳児を対象として、標準的な14日間の非経口的アシクロビルを最初に投与した後、6ヶ月間にわたる経口アシクロビル投与群またはマッチさせたプラセボ群に無作為に割り付けた。26人(90%)は、6ヶ月の治療を完遂したか、もしくは皮膚病変を2回再発し非盲検下のアシクロビルに切り替えた。残りの3人は、追跡不能あるいは非遵守により試験から脱落した。
本試験では皮膚病変の再発中にCNS障害を発症した乳児はいなかった。アシクロビルを投与した乳児と、プラセボを投与した乳児の間のベイリー精神発達スコアに有意差はなかった。
一方、予想通り、プラセボと比較し、実薬治療により皮膚病変の再発が予防された。再発減少による社会経済的プラス効果を過小評価すべきではない、と同研究者らは述べている。 実薬治療の副作用に関しては、アシクロビル群とプラセボ群との間で差はみられず、試験薬の中止につながる有害事象はなかった。
先行研究から、アシクロビルが好中球減少症に関連しうることが示唆されている。CASG103試験とCASG104試験におけるアシクロビル群とプラセボ群との間で好中球絶対数に差はなかったが、アシクロビルにより好中球減少症になる傾向が有意ではないがみられた。好中球絶対数が低~正常域(500個/mcL以下)であったのは、CASG103試験のアシクロビル群で25%、CASG104試験のアシクロビル群で20%であった一方、プラセボ群ではそれぞれ5%と7%にすぎなかった。
しかし、「実際のところ今回の試験で検出力が不十分であったことと関連のある可能性がある。したがって、長期的な経口アシクロビル治療によって起こりうる毒性作用として好中球減少症を検討し続けるべきであると考えている」とキンバリン氏らは述べている。
これらの研究は、米国国立アレルギー感染症研究所から助成を受けた。経口アシクロビルとマッチさせたプラセボは、グラクソスミスクライン(GlaxoSmithKline)社と、AlpharmaUSPD社、Pharm Ops社によって提供された。キンバリン氏の協力者らは、多数の製薬会社とつながりのあることを報告した。
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