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2012-12-04

ソース(記事原文):ニュース・メディカル

洗口液が親知らず抜歯後の菌血症を低減する可能性

ニュース・メディカル(2012年12月4日)― 第3大臼歯抜歯の直後にポビドンヨード(PI)またはクロルヘキシジン(CHX)ベースの洗口液を使用すると、手術後の患者は血液中の細菌レベルが減少することを、トルコの調査結果が明らかにしている。

PIやCHXの使用は、生理食塩水で口をすすいだ後と比べ有意には細菌レベルを低減しなかったが、CHXよりPIの方が菌血症予防効果が高いようである、と研究者らは述べている。

イスタンブール・メディポリ大学(Instanbul Medipol University)のカグリ・デリルバシ(Cagri Delilbasi)とその同僚らは、第三大臼歯つまり親知らずの抜歯手術を受けていた平均27歳の患者34人を、7.5%PIの洗口液15 mL(n= 12)、0.2%CHX 15 m L(n = 12)、0.9%滅菌食塩液(n = 10)のいずれかで手術前の採血後に1分間、口をすすぐよう無作為に割り付けた。

研究者らは、年齢、性別、平均プラーク指数、歯肉出血指数、手術時間に応じて洗口液を指定しても有意な差はなかったと報告している。

試験参加者は分析のため、更に2回、抜歯1分後と15分後に血液サンプルを提供した。

菌血症はPI群の参加者の33%、CHX群の参加者の33%、対照群の参加者の50%に任意の時点で存在した、とデリルバシらはオーストラリアン・デンタル・ジャーナル(Australian Dental Journal)で報告している。これらの結果には有意差が認められず、時間を経ても有意差はなかったと研究チームは付け加えている。

統計的には同じく有意でないものの、15分の時点では、菌血症がCHX群の17%および生理食塩水群の30%に見られたのと比較して、PI群には菌血症が見られず、PI洗口液は菌血症の最大の予防となる可能性を示唆している。

血液培養の結果、陽性だったうち、58%が嫌気性細菌を、42%が好気性細菌を含み、連鎖球菌細菌が両者の圧倒的多数(92%、9種の合計)であった。

著者らは、先天性心疾患や人工心臓を装着している患者の例を挙げ、「口腔および歯科の発生源に由来する感染症は、患者の生活の質を低下させ、時には命にかかわる合併症を引き起こす」と書いている。

抜歯後この母集団に見られる細菌の存在の、一つの可能な説明は、萌出した歯の表面や歯肉溝内に存在する豊富な細菌叢であるかもしれない、と著者らは言及している。

「この研究の結果は、より大規模な患者集団でさまざまな殺菌性洗口液を使用して更に研究を行い、確認すべきである」と研究チームは結論付けている。


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