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2013-09-11

ソース(記事原文):メドページ・トゥデイ

睡眠時無呼吸に抗てんかん薬が有望

メドページ・トゥデイ(2013年9月11日) ― メドページトゥデイ、シニアスタッフライター、クリスタル・フェンド(Crystal Phend)著

ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院名誉教授ザルマンS.アガスMD(Zalman S. Agus, MD)、およびドロシー・カプトMA, BSN, RN,ナースプランナー(Dorothy Caputo, MA, BSN, RN, Nurse Planner)によるレビュー

【バルセロナ】―抗てんかん薬ゾニサミド(ゾネグラン)が過体重・肥満の成人における閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)をある程度緩和したことを、パイロット試験が示した。

スウェーデン・ヨーテボリ大学(University of Gothenburg)のヤン・ヘドナーMD(Jan Hedner, MD)と共同研究者らによれば、ゾニサミド群では無呼吸低呼吸指数(AHI)スコアが4週間で22%低下したのに対し、プラセボ群はわずかに上昇したという。

効果は持続陽圧呼吸療法(CPAP)の場合の3分の1ほどだったが、ゾニサミドの生物学的影響を示すマーカーとは相関関係を認めなかったと、彼らは欧州呼吸器学会(European Respiratory Society)年次総会で報告した。

「効果は十分とは言えません。ただ私たちには、何が標的となっているのか分かれば、この治療法をさらに発展させることができる素晴らしい手掛かりがあると思っています」。ヘドナー博士はメドページトゥデイにそう語った。

患者の約半数はCPAPを利用できないか、あるいは使おうとしないため、博士は、そうした患者には薬物治療が選択肢になるかもしれないと提案する。

だが、もっと重要なのは、ゾニサミドの効果がOSAの機序を示唆したことだ。

この点から博士は、「CPAPは睡眠医学に起きた最悪の出来事の1つです。なぜなら、この病気がどこに影響しているのか本当に理解するための研究をやろうという、意欲を奪ってしまったのですから」と言う。「CPAPは、呼吸をサポートする、いわば車椅子のようなものです。つまり、皆さんはどの患者も技術的には治療できるようになりましたが、いったい何を治療しているのか、依然としてよく分かっていません」。

OSAに対するゾニサミドの効果には、体重減少をもたらすことと呼吸を増やすことという、2つの経路が考えられる。

抗てんかん薬トピラメート(トパマックス)と同様、ゾニサミドは炭酸脱水酵素阻害薬である。

重炭酸イオンは体のpHバランスを保つ主な要素であり、炭酸脱水酵素が二酸化炭素と水を重炭酸イオンに変換する作用を阻害すれば、人の体はやや酸性に傾く。そして多くの場合、酸性化は呼吸が増えることを意味すると、ヘドナー博士は説明する。

彼の研究グループは、炭酸脱水酵素の阻害が「OSAの薬物治療開発の標的候補になる」と結論付けた。

今回の試験の対象となったのは18歳から75歳の患者47名で、BMIが27~35 kg/m2(平均31.2)、AHIのイベント数は1時間当たり少なくとも15回(平均41.5回)、日中の眠気があることとした。

患者らを、ゾニサミド300 mg群、CPAP群、プラセボ群のいずれかに無作為に割り付けた。先行研究からゾニサミドによる体重減少が予想されたが、食事やライフスタイルのカウンセリングはなかった。

AHIスコアに関して、ゾニサミド群ではベースラインの1時間当たり41.6回から第4週には32.9回に低下し、平均変化量は1時間当たり-9回と有意であった(95%信頼区間、-17から-1)。

一方、プラセボ群ではベースラインの1時間当たり45.7回から第4週には49.7回と、低酸素イベントにわずかな増加を認めた。この変化量は有意ではなかったが、ゾニサミドと比べた治療効果の差としては有意であった(P=0.04)。

ゾニサミドの生物学的活性マーカーとしての重炭酸イオンに関しては、ゾニサミド群の患者1例を除き2群で明確に分かれ、博士によればこの異常値は服薬不遵守の可能性があるという。

ただし、重炭酸イオン効果は酸素飽和度の変化とはあまり相関しなかった。

「私たちは確かな効果を認めています」とヘドナー博士は指摘する一方、「効果はサブグループに限られるようであり、このサブグループでは何が違うのかを見極めなければいけません」。

またそうした効果について、ゾニサミドによる体重減少が影響したとするのは性急だとも語った。

24週までに、ゾニサミド群では体重が平均2.7 kg(6.0ポンド)減少したのに対し、CPAP群では2.3 kg(5.1ポンド)増加したという。

治療遵守で調整すると、CPAPは睡眠時無呼吸に対し多大な効果があり、24週時点での1時間当たりの無呼吸低呼吸イベントはベースラインより28.3回減少したのに対し、ゾニサミドでは8.0回の減少だった(P=0.004)。

ゾニサミド群では患者の大半が有害事象を報告した(87%対 11%(CPAP))。

ゾニサミドがOSA関連の健康リスクを減らすとともに、患者の気分を良くするかどうか明らかにするには、さらなる研究が必要であるとヘドナー博士は指摘した。

博士は、他の用途でゾニサミドの試験を行う際に、結果変数の1つとして睡眠時無呼吸も取り入れることが最初のステップになるかもしれないと提案する。

ヘドナー博士は、関連特許以外に関係する利益相反はないと報告した。


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