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2014-12-01

ソース(記事原文):ニュース・メディカル

フェノフィブラートはPPARαを介した糖尿病性網膜症に有効

ニュース・メディカル(2014年12月1日) ― フェノフィブラートが糖尿病性網膜症を防ぐ理由を説明する研究が、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)αが網膜周皮細胞の保護効果を発揮するからだと示している。

研究著者である馬建興(Jian-xing Ma) (University of Oklahoma Health Sciences Center, Oklahoma City, USA:オクラホマ大学健康科学センター、米国・オクラホマシティ)と同僚らは、2型糖尿病患者におけるフェノフィブラートの二つの大規模臨床試験で、フェノフィブラートが糖尿病性網膜症などの微小血管合併症に対し「強固な」保護を与えることを示したと言う。

フェノフィブラートは、PPARαアゴニストであるが、PPARα非依存的な効果を有する可能性があることが示唆されている。しかし、この研究チームの調査結果は「フェノフィブラートの有益な効果は全て、PPARαの過剰発現で達成しうる」ことを示している。

研究者らは糖尿病マウスを使用し、フェノフィブラート治療が網膜周皮細胞を保護することを証明した。フェノフィブラートは治療しないと見られる網膜の無細胞毛細血管や周皮細胞ゴーストの数を減少させ、周皮細胞密度の低下を弱めた。

培養したヒト網膜毛細血管周皮細胞では、フェノフィブラートは酸化ストレスによって誘発されるポトーシス細胞死を減少させた。フェノフィブラートは、NF-κB/Nox4経路の抑制を介し活性酸素種のレベルが増加することを防止することによってこれを達成した。

注目すべきは、この研究チームは培養された周皮細胞にPPARαを過剰発現させることでこれらの保護効果を全て複製し、PPARαを上方制御する能力のおかげでフェノフィブラートの有益な効果が発生したことを示したことである。逆に、PPARαをコードする遺伝子を完全に欠いている周皮細胞は、酸化ストレスが引き起こす細胞死に対する感受性を増大させた。

酸化ストレス下にある細胞における活性酸素種が、ミトコンドリア呼吸の減少に部分的に起因し得ることを指摘し、馬らはまた、周皮細胞が酸化ストレス下にある時にミトコンドリアの酸素消費量が約50%減少することを認めた。この減少は、フェノフィブラートまたはPPARαを含むアデノウイルスでの治療で逆転した。

糖尿病マウスにおいては、PPARα遺伝子がないマウスは、糖尿病発症後6ヶ月の時点で野生型糖尿病マウスよりも網膜周皮細胞密度が有意に低く、「PPARαが糖尿病環境下の周皮細胞中の内因性保護因子であることを示している」

フェノフィブラートは野生型マウスの周皮細胞の損失を減衰させることができたが、PPARαがないマウスではできなかった。

研究者らは米国病理学会誌(American Journal of Pathology)で、「PPARαの過剰発現およびPPARαノックアウトのマウス両方、そして一次細から得た我々の研究結果は、[糖尿病性網膜症]上のフェノフィブラートの有益な効果は、PPARα依存的機構を通じてであることを示唆している」と結論付けた。「これらの研究結果は、網膜におけるPPARαの新規機能を明らかにした」


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