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2013-10-29
ソース(記事原文):MPR
線維筋痛症患者の不安や痛みが低用量ナルトレキソンで減少
MPR(2013年10月29日) ― 【カリフォルニア州サンディエゴ】―2013 ACR/ARHP年次総会で発表された前向き非盲検試験の結果によると、低用量ナルトレキソンは線維筋痛症患者に有効であり、忍容性も非常に良好で安価な治療となる可能性がある。
線維筋痛症は、中枢作用性の前炎症性サイトカイン活性を介する「中枢性過敏症候群」に分類されており、そのようなサイトカイン活性が原因で線維筋痛症の症状が起こると考えられている。
現在利用できる線維筋痛症治療では十分な効果が得られない患者が相当数いることに着目して、南カリフォルニア大学(University of Southern California)(カリフォルニア州ロサンゼルス)臨床内科学准教授のサミー・メティアスMD(Samy Metyas, MD)と共同研究者らは、米国リウマチ学会の基準に基づき線維筋痛症と診断された患者25人(女性24人、男性1人)に、夜間にナルトレキソン3mgを投与した。用量は最大4.5mgまで漸増することができた。患者らは、プレガバリン、ミルナシプラン、またはデュロキセチンの使用を継続できることとした。
主要評価項目は、3カ月時点での「線維筋痛症の影響についての改訂版質問表(Revised Fibromyalgia Impact Questionnaire : FIQR)」で測定し、有害反応も記録した。
試験を完遂した22例のうち、試験期間中ずっとナルトレキソン治療のみを受けていたのは7例(32%)であった。3カ月時点で、全体としては19.5%のFIQR改善が報告された。11例(50%)には平均41% のFIQR改善がみられた。
「患者らはベースラインと比べ、不安、痛み、睡眠障害の減少を報告しました」と、メティアス博士は指摘した。
ナルトレキソンはオピオイド受容体拮抗薬であり、アルコールやオピオイド依存の治療に使われる。メティアス博士らは、オピオイド受容体拮抗薬としてそれら依存の治療に使われているナルトレキソンを低用量で使用したことにより、「中枢のオピオイド受容体が一時的に遮断された結果、エンドルフィン機能が大きく改善し、線維筋痛症の痛みが軽減した」という仮説を立てた。
線維筋痛症におけるナルトレキソンの有効性をさらに評価するには、無作為化比較試験や、より大規模な試験のさらなる実施が必要であると、彼らは結んだ。
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