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2014-06-25

ソース(記事原文):HCPライブ

肥満・過体重患者におけるリラグルチドは体重減少を促進して2型糖尿病の発症を遅延

HCPライブ(2014年6月25日) ― HCPLive(Healthcare Professionals Network)スタッフ著

リラグルチドを投与された肥満患者や過体重患者は、プラセボ投与患者と比較して、体重が有意に減少し、2型糖尿病を発症する可能性も低くなった。

SCALE(非糖尿病・糖尿病患者における満腹感と肥満-リラグルチドの臨床的エビデンス)肥満・糖尿病前症試験において、過体重・肥満患者におけるリラグルチド3 mg注射の1日1回長期的投与が、体重減少に関連し、それにより糖尿病前症および2型糖尿病の発症が遅延または予防される可能性の高いことが明らかにされた。この結果は、2014年米国内分泌学会合同会議(ICE/ENDO)で発表された。

リラグルチド3 mgは試験段階のものであり、体重管理の適応でFDAから認可は得られていない。リラグルチド1.2 mgと1.8 mgは、血糖コントロールの改善を適応に2型糖尿病成人患者の治療薬として認可されている。

この多施設共同2群間比較試験は、1つ以上の心疾患リスク因子(糖尿病前症、高血圧、または高コレステロール)を有する過体重・肥満成人3,731人を対象に実施された。1つ目の試験群は、糖尿病前症でない患者1,446人からなり、うち959人にはリラグルチド3 mgを投与し、残りの487人にはプラセボを投与した。2つ目の試験群は、糖尿病前症の患者2,285人からなり、うち1,528人にはリラグルチド3 mgを投与し、残りの757人にはプラセボを投与した。

内分泌学会の報道発表によれば、「体重減少の取り組みの一環として、全患者に運動と、通常よりも500カロリー減の食事摂取を実施してもらった。さらに、56週間にわたりリラグルチド3 mgを1日1回注射する群とプラセボを投与する群のいずれかに2:1の割合で患者を無作為に割り付けた。悪心などの副作用を最小限に抑えるためにリラグルチド0.6 mgで投与開始した患者には、3 mgまで徐々に増量することとした」

「リラグルチド 3 mg投与患者は平均8%(8.48kg=18.7ポンド)体重減少したのに対し、プラセボ投与患者は2.6%(2.81kg=6.2ポンド)しか減少しなかった」

糖尿病前症の患者において、血糖値が 「正常に回復したのはリラグルチド群で約70%であったのに対し、プラセボ群では32%」であった。

リラグルチド治療は「試験開始時に血糖値が正常であった成人における糖尿病前症の発生リスクも低下させ、これによりリラグルチド群における糖尿病前症の発症率は7%となった一方、プラセボ群では約20%であった」

さらに、本研究者らは「2型糖尿病の発症率はプラセボ群の方が、リラグルチド群の3倍多かった(それぞれ14人と4人)」と報告している。

主任研究者で、ニューヨーク市の聖ルカ・ルーズベルト病院(St.Lukes-Roosevelt Hospital Center)に所属する内分泌学者のザビエル・ピスニェ(F .Xavier Pi-Sunyer)医学博士は「8%の体重減少は現在市販されている減量薬に遜色ない」と述べている。


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