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2011-10-21

ソース(記事原文):サイエンス・コーデックスより

脳卒中後の降圧薬は回復に役立つとの研究結果

サイエンス・コーデックスより(2011年10月21日)― ギリシャ・アテネ発 --  一般的に処方される降圧薬は、血管増殖を促進させて、脳卒中後の障害のない大脳半球の回復に弾みをつけるように思われることが、ジョージア大学(University of Georgia)の新たな研究で明らかにされた。

この発見はラットを用いた試験に基づくものでプロス・ワン(米科学誌)オンライン版に最近掲載された。ジョージア大学薬学部臨床・薬事管理学教授スーザン・ファーガン(Susan Fagan)氏率いる研究チームが、 脳卒中発症後における健常な対側の脳を調査することによって脳卒中研究に新たな道を切り開き、今回の発見につながった。

ファーガン氏は「薬剤療法を用いて傷害を受けたのとは反対側の大脳半球(脳の対側)の回復特性を利用できると考えられることから、大変興味をかき立てられている。ほとんどの研究者らが脳卒中を研究する場合、動物の損傷を受けた側の脳と、その対側の脳を比較するが、この場合対側は正常あるいは悪影響を受けてないものと仮定している」と語った。

本研究でファーガン氏率いるチームは、2グループの雄ウィスターラットにおいて脳内の主要動脈を遮断して脳卒中を誘発させた。3つ目のグループは、健常な大脳半球を全群で比較するためにマウスには脳卒中を発症させずにプラセボ群すなわちシャム(擬似的処置)群とした。1つ目のグループには生理食塩水を単回投与し、2つ目のグループには降圧剤カンデサルタンを1回投与した。プラセボ群には治療を行わなかった。

カンデサルタンを投与されたマウスは、脳内の新血管形成に有用となる増殖因子の量が多いことが示され、研究室レベルの先行研究を裏付ける結果となった。一方、まだ見ぬ現象が本研究で明らかになった。具体的には異なるタイプの増殖因子が、異なる脳半球に影響力を持っており、これによりカンデサルタンが損傷領域を超えて治癒力を発揮できうることが示唆されるということである。

医師および研究者らは、脳卒中患者において上昇した血圧を低下すべきかどうかの長期にわたる議論に決着を付けようと努めてきた。脳卒中後に血圧を下げるのが早すぎると、脳への限界酸素濃度が減少する可能性がある。ファーガン氏は今年スカンジナビアの研究者らによって実施された大規模な臨床試験を引用し、そこではカンデサルタンを用いて脳卒中後早期に血圧を下げると、本来の有益性が生じないと結論づけられたという。ファーガン氏の研究室では、血圧の議論を飛び越えて先に進むため、血圧を低下させずに脳内血管を防御する薬剤および投与量に関する研究を今後押し進める計画である。

また、本研究ではカンデサルタンで治療したマウスの両方の脳半球にて「生存促進性」タンパク質量の増加が見出された。このタンパク質は、発作(脳卒中など)から脳神経を救命し、より長期生存を促すのに役立つ働きをする。本研究は薬物療法の新たな可能性を見出す論文に貢献するものである、とファーガン氏は述べた。

「脳卒中後にリハビリテーションに行く理由は、新たな神経結合を作り上げて鍛え直すことで機能を回復させられるようにするためである、と我々は患者に告げている。おそらく、もう片方の半球が優勢になり置き換わるからだと考えられる」とファーガン氏は話している。「薬物療法で刺激することでこれを促進できれば、多くの人を助けられるかもしれない」と締めくくった。


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