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2013-02-18

ソース(記事原文):癌ネットワーク

腎細胞癌に対するソラフェニブは高齢患者でも忍容性が良好

癌ネットワーク(2013年2月18日)― リア・ローレンス(Leah Lawrence)著

進行腎細胞癌の治療において、血管新生阻害作用があるVEGF阻害薬ソラフェニブの使用は65歳以上の患者でも忍容性が良好であったと、レトロスペクティブ分析の結果が示している。

複数の研究で、腎細胞癌(RCC)と診断される年齢の中央値は64歳であることが示されている。にもかかわらず、ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー(British Journal of Cancer)に掲載された論文の背景情報によれば、高齢の患者集団はRCC標的治療の臨床試験で過小評価されている。

「それら研究結果は、転移のあるRCC患者が75歳以上か、あるいは併存疾患のため体力がない場合であれば、医師はソラフェニブの使用を第一選択とみなしていることを示唆しています」イタリア、ミラノのIRCCS財団(Fondazione IRCCS)腫瘍内科部のジュゼッペ・プロコピオMD(Giuseppe Procopio, MD)はそう話した。

高齢で、ソラフェニブを服用していた進行RCC患者の転帰を調査するため、プロコピオ氏と同僚らは『ソラフェニブ・RCC統合データベース』のデータをレトロスペクティブに調べた。このデータベースには、企業主導治験でソラフェニブ治療を受けたすべてのRCC患者の臨床データがあり、65歳以上の患者が40%超を占めている。

この研究者らは、高齢の患者集団における投与パターンと、薬剤関連有害事象(DRAE)および致死的DRAEの発生率を調べた。データベースの65歳から74歳までの患者1,382例と、75歳以上の患者559例それぞれを高齢集団とした。

データによれば、65~74歳の患者集団の投与期間中央値は約4~4.2カ月で、それより若い患者集団の中央値と似ていた。一方、75歳以上の患者集団では、投与期間はこれより約30%短かった。

これらサブグループ間で、DRAEの実質的な差は認められなかった。研究者らがDRAE発生率を3カ月ごとに区切ると、グレード3のDRAE発生頻度は投与開始から最初の3カ月間で最も高かったことが分かった。

75歳以上の患者集団をそれより若い患者集団と比べると、グレード3または4の疲労を経験した割合は高かったが、手足皮膚反応の経験は少なかった。加齢に伴い重篤なDRAEもわずかに増加することが判明し、投与期間の最初の6カ月で、75歳以上の患者集団は他の年齢集団よりもそのような経験が多かった。

致死的DRAEを経験した患者は、全体としてはわずか0.7%であった。

「75歳以上の患者らは、事前に腎摘出術やサイトカイン療法を受けている可能性が低く、投与期間もわずかに短く、特に投与初期のDRAEにより用量変更や投与中止となりやすかった」と、研究者らは結果の考察で述べている。「また、この患者集団では用量を減らした後、再び十分な用量まで漸増するというよりそのまま低用量で継続する傾向にあった。」

ただし患者の全身状態に関するデータが欠測していたため、高齢の患者集団でみられたこれら変化は年齢によるものか、それともより重大な併存疾患によるものなのか、研究者らは結論付けることができなかった。

「医師らは患者の治療計画を、その年齢、平均余命、併存疾患などの特徴と一致するように最適化すべきです」と、プロコピオ氏は言った。


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