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2009-02-22

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

血圧降下剤は腎臓病患者のタンパク尿を激減させる

サイエンスデイリー(2009年2月22日)

血圧降下剤カンデサルタン・シレキセチルを推奨用量よりはるかに多く投与すると、腎臓病患者で尿中に排出されるタンパク質の量を減少させる効果があることが新たな研究でわかった。このタンパク尿を減らすことで、同剤は末期の腎臓病のような重篤な合併症の発生を予防でき、結果として多くの患者の命を救う可能性がある。

腎臓病患者の尿中タンパク質排出を減少させる手段を見つけることに焦点を当てた研究が多く行われている。そうすることで腎不全への進展を遅らせ、循環器疾患の発症を予防できる可能性があるからである。カナダの研究者らが最近、ある多施設試験の結果を報告した。血圧降下剤カンデサルタン・シレキセチルを承認された最高用量以上に投与することで、より強いタンパク尿減少効果が得られるかどうか評価したものだ。この薬剤はアンギオテンシン受容体遮断薬である。ホルモンの一種であるアンギオテンシンIIには、動脈の収縮・肥厚、アルドステロン(別のホルモンである)の分泌、腎臓でのナトリウム再吸収などの作用があるが、アンギオテンシン受容体遮断薬は、これらの作用を阻害することで血圧を降下させる。また同剤には腎臓における線維化と炎症に対する効果もあるので、腎不全の進行を予防したり、遅らせたりするのにも用いられている。

カナダのアルバータ州にあるカルガリー大学(the University of Calgary)のエレン・バージェス医学博士(Ellen Burgess)主導のもと実施された試験には、269名の患者が参加した。承認された最高用量のカンデサルタン(本試験開始時には16 mg/日)を服用してもタンパク尿が持続していた患者たちである。患者らは、1日16 mg、64 mgまたは128 mgのカンデサルタンを30週間服用する各治療群に無作為に割り付けられた。

研究者らは本試験終了時までに、カンデサルタン128 mg服用群では16 mg服用群と比較して、タンパク尿が33%以上減少したことを発見した。患者らが初めてカンデサルタン16 mgを毎日服用し始めたことによる減少分に加えて、さらにこれだけ減少したということだ。

「こんなにも劇的な効果が得られて驚いています。承認された用量以上にアンギオテンシン受容体遮断薬を投与した試験は他にもいくつかありますが、結局のところ、いい結果は得られなかったのですから。」バージェス博士は語る。

タンパク尿を減少させるためのカンデサルタンの至適用量を決定するにはまだ研究が必要である。しかし本試験が証明したのは、「カンデサルタンの推奨最高用量を投与してもタンパク尿が持続している患者に、より高用量のカンデサルタンを投与するとタンパク尿を減少させられる可能性があるということ」だと本試験の論文には記されている。高用量のカンデサルタンによる治療の忍容性は高かったが、血中カリウム濃度の上昇により11名の患者が本試験から脱落した。そのため研究者らは、カンデサルタン投与中は血中カリウム濃度を監視するよう推奨している。

本試験の論文の著者らは、製薬会社アストラゼネカ・カナダ(AstraZeneca Canada)社の、本試験に対する支援と資金提供に感謝している。アストラゼネカ・カナダ社は、本試験の計画委員会が試験デザインならびに解析のために用いた統計学的知識も支援した。


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