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2004-10-10
ソース(記事原文):BBCヘルス
遺伝子スイッチで「癌をオフ」に
科学者らはマウスの癌誘発遺伝子を停止できると証明し、癌患者治療のための新しい希望を与えた。
米スタンフォード大学(The Stanford University)の研究チームは、癌を誘発することで知られているMycと呼ばれる遺伝子の働きを止める薬を使用した。
Mycが停止されている間、マウスに癌はなかった。
癌のエキスパートらは、理科によって同遺伝子に働きかける人間用の癌治療薬ができる見込みがあることが示されたと語った。
癌のスイッチ
この発見は乳癌、大腸癌、前立腺癌にも適用可能かもしれないと研究者らは期待している。
この理由としては、肝臓癌を含むこれら全ての癌は体を覆う上皮組織中で発現することが挙げられる。
英国キャンサーリサーチ(Cancer Research UK)によると、死亡に至った癌の7例に1例はこの遺伝子による可能性があるのだそうだ。
スタンフォード大学の科学者らは特定のマウスを研究した。
それらのマウスの肝臓細胞は研究のために組み替えられたMys遺伝子を持つよう人工的に操作されたものである。Mys遺伝子は、癌を誘発する事で知られている。
Mycは細胞分裂をコントロールする。通常の細胞と違い、組み替えられたMys遺伝子のスイッチは永続的に入ったままであった。その結果、これらの細胞は分裂を続け、中には癌性を帯びるものも出てきたのである。
研究者らはマウスの遺伝子を操作し、ドキシサイクリンと呼ばれる一般的な抗生物質によってMyc遺伝子を停止できるようにした。
マウスにドキシサイクリンを経口投与すると欠陥のあるMyc遺伝子は停止し、癌の進行は阻害された。
研究者らがドキシサイクリンの投与を止めると、マウスは活発な肝臓癌を発症した。
ドキシサイクリンを再投与すると、Mycが再び停止し癌のさらなる進行が防がれただけでなく、癌細胞が通常細胞に戻った。
癌の巻き戻し
研究者代表のディーン・フレッシャー博士(Dr Dean Felsher)は、「癌細胞を通常のように戻せるのにはわくわくしますね」と語った。
しかし、これらの細胞は正常であるように見受けられるが、再び癌性に変化する能力を失ったわけではないと同氏は語った。
どうして化学療法を受けた後に癌が再発することがあるのか、これで説明がついたと同氏は話した。
「肝臓癌は恐ろしい癌です。肝臓癌治療に関する有益な研究は如何なるものであっても重要であると思われます」と同氏は語った。
英国キャンサーリサーチ(Cancer Research UK)の科学情報員であるディーン・フレッシャー博士(Dr Dean Felsher)は以下のように語った。「Myc遺伝子は数ある種類の癌において異常に活発であることが知られています。
推定では、死に至った癌の7例に1例はこの遺伝子によるものだとされます。
この研究は実に興味深いです。
Mycを抑える薬が将来において有効な癌治療法となるかもしれないとする根拠の信憑性を高めるものなのです」
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