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2009-09-04

ソース(記事原文):ABCニュース

米国食品医薬品局:青少年の性器疣贅(せいきゆうぜい)の予防にメルク社のガーダシルが有効

米国食品医薬品局:メルク社の子宮頚癌予防ワクチンは、男性器疣贅の予防にも役立つ

2009年9月4日

メルク社の大ヒット商品であるガーダシルという名のワクチン(子宮頚癌の予防薬として既に使用されている)には、男性器疣贅を予防する働きもある、と米国食品医薬品局は先週の金曜日に述べた。

このワクチンの性器疣贅予防効果は、試験に参加した男性の90%にみられた、と米国食品医薬品局はインターネット上に公開された文書の中で明らかにしている。

ガーダシルは、2種類のヒト乳頭腫ウィルス(又はHPV)をブロックする。これらのウィルスは、男性器の表面にできものや稀にみられる癌を形成する。

メルク社は、米国食品医薬品局にガーダシルを9歳から26歳の男性用ワクチンとして認可するよう求めた。

ワクチン諮問委員会の委員らが、ガーダシルの新しい用途について、来週、意見を交わす。米国食品医薬品局には、この委員会の指示に従う義務はないのだが、従来通りであれば、米国食品医薬品局はその指示に従う。

4000人の患者を対象にメルク社が行った研究では、3年間ガーダシルを投与された患者と偽治療を受けた患者が比較された。

もともと、メルク社は米国食品医薬品局に対し、男性器や肛門に形成する性器疣贅や前癌腫瘍の予防用ワクチンとして、ガーダシルを承認するよう求めていた。しかし、米国食品医薬品局の審査官は、研究対象となった腫瘍の数が少なすぎるため審査は不可能だと述べ、男性の性器疣贅や前癌腫瘍の予防用ワクチンとしてガーダシルの承認は、その時は見送ったのである。

メルク社の米国本社と米国食品医薬品局の双方は「評価対象の幅を狭め、性器疣贅に対するガーダシルの効果のみを評価することで合意した」、と米国食品医薬品局が公表した文書に記載されている。

ガーダシルの副作用は、注射個所の痛みや腫れなどの軽度なものである。このワクチンは、女性用医薬品として2006年に米国食品医薬品局の認可を受けており、昨年は10億ドル以上の売り上げを記録した。

米国内では、毎年約600万人もの人が、ヒト乳頭腫ウィルスに感染する。このウィルスに感染しても症状が現れないことの方が多く、放っておいても自然に治る。性行為を介して感染を広げるヒト乳頭腫ウィルスの種類は40種類あるものの、男性と女性の癌の原因となるのは、その内の15種類である。

男性器の癌や肛門癌は極めて稀であり、毎年報告される件数は、2000件未満である。

「私が性器疣贅について話すときは、男性の性器疣贅や癌、そして肛門癌の深刻さが、一般的にはあまり知られていなく、また話題になるときもその病状は過小評価される傾向にあることを話す」とメルク社に勤めるガーダシル主任研究員であるRichard Haupt博士は述べた。「ガーダシルのヒト乳頭腫ウィルス予防効果は高い。これによりメンズヘルスの向上がみられるはずだ」

注釈:性器疣贅(尖圭コンジローマ又は性器イボとも呼ばれている)は、生殖器やその周辺にみられる腫瘍であり、性感染性の乳頭腫ウィルスが原因でおこる。