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2015-03-13

ソース(記事原文):肺病ニュース

中等量吸入ステロイド薬へのチオトロピウム追加は中等症喘息患者の安定期管理に有効

肺病ニュース(2015年3月13日) ― アナ・パンプロナ(ANA PAMPLONA)博士 著

最近の研究で、吸入ステロイド薬(ICS)の補助薬としてチオトロピウムを使用することにより、中等症喘息患者の気流閉塞が軽減し、喘息コントロールが向上することが明らかにされた。フローニンゲン(オランダ)にあるフローニンゲン大学(University of Groningen)フローニンゲン大学医療センター(University Medical Center Groningen)呼吸器・結核部門、ならびにフローニンゲン喘息&COPD研究所に所属するホイブ・ケルスチャン(Huib A M Kerstjens)氏らが、ランセット呼吸器学専門誌「The Lancet Respiratory Medicine」に、次の試験表題の結果を発表した:試験名「中等症の症候性喘息患者における吸入ステロイド薬に併用投与するチオトロピウム又はサルメテロール:2件の二重盲検プラセボ対照並行群間比較実対照薬ランダム化試験」。

本研究チームは、吸入ステロイド薬(ブデソニド400 μg~800 μg)を投与時に喘息症状を認める中等症喘息患者を対象に、チオトロピウムの安全性及び有効性を評価するため、2件の24週間ランダム化二重盲検プラセボ対照試験(NCT01172808とNCT01172821)を、2010年8月~2012年11月に米国など14ヵ国の233施設で実施した。患者2,103人を登録し、1日1回のチオトロピウム 5 μg群、同2.5 μg群、1日2回のサルメテロール 50 μg群、プラセボ群のいずれかに無作為に割り付けた。チオトロピウムは慢性閉塞性肺疾患(COPD)の管理に使用される24時間長時間作用型抗コリン作働性気管支拡張剤であり、サルメテロールは喘息症状の予防及び維持管理や、COPD症状の維持管理に使用される長時間作用型β2アドレナリン受容体作動薬(LABA)である。

両試験における24週時点の共通主要評価項目は、1日の最終投与後0~3時間に測定したピークFEV1(呼吸機能検査値FEV1の最大値)の変化と、7項目喘息管理質問票(Asthma Control Questionnaire: ACQ:ACQ-7)による改善率とした。重篤な有害作用は2%の患者で認められ、この割合は全群で同程度であった。

ホイブ・ケルスチャン氏らは「中等量吸入ステロイド薬に加えて、1日1回のチオトロピウムを投与中の中等症喘息患者は、プラセボとの比較において、肺機能及び喘息コントロールが有意に改善するほか、有効性と忍容性はサルメテロールと同様であることが、今回の結果で示されている」としている。

同氏らによれば、吸入ステロイド薬のみ投与しても喘息をコントロールできない中等症喘息患者において、1日1回のチオトロピウムを中等量吸入ステロイド薬に併用投与することで、安定期の管理に効果的となる。投与量別のチオトロピウム又はサルメテロールの反応性は同程度であり、両剤とも安全性及び忍容性が良好であった。上記患者集団において、チオトロピウムは安全かつ有効な気管支拡張薬であり、サルメテロールの代替薬となる。

「以上の結果は、中等症喘息患者において吸入ステロイド薬に長時間作用型抗コリン薬を追加することを支持するものである」と本研究者らは対外的に発表した。


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