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2011-03-27
ソース(記事原文):BBCニュース
乳がん予防薬を「処方すべき」
2011年3月27日
がん専門家国際委員会によれば、乳がん発症リスクが高い女性に予防的薬剤を投与すべきであるという。
同委員会は、タモキシフェンなどの薬剤により乳がん発症の確率を低下させることができると報告しており、これはランセット・オンコロジー(医学誌)に掲載された。
心臓病リスクのある患者にスタチンを処方するのと同様の方針となるだろう、と同委員らは提案している。
ただし、タモキシフェンは子宮がん、血餅、脳卒中と関連付けられている。
英国では毎年46,000人の女性が乳がんと診断されている。
乳がんの発症予防薬としてタモキシフェンとラロキシフェンの2剤が米国で認可されている一方、英国ではこの2剤を予防措置として現在使用することはできない。
ロンドン大学クイーン・メアリー(Queen Mary, University of London)の疫学者で同委員会の議長を務めたジャック・カジック(Jack Cuzick)博士は、「2剤とも英国において認可されることが望ましい。これには有無を言わせぬ証拠がある」とBBCに語った。
同氏が推定したところでは、タモキシフェンを投与した女性1,000人あたり、乳がん患者が20人減るものの、子宮がんが3人増え、深在性静脈血栓症の症例が6例増加するとのことである。
リスクを相殺するため、同委員会では、この先10年間に乳がん発症の確率が4%を超える女性に対し、予防的治療を勧めようということで意見が一致した。
リスクの予測
心疾患では、血圧やコレステロールなどのよく知られるリスク因子があり、これらが治療時期を知らせてくれる。
これと同様のリスク「マーカー」を特定することが、乳がんの予防的治療への課題となる。
乳腺密度が同委員会によって提案されている。75%を超える「高密度の乳腺組織」を有する患者では、低密度の乳腺組織が大部分を占める患者と比べ、乳がん発症リスクが4倍以上高い、と同委員らは述べている。
カジック氏は「乳腺密度の増大は、乳がんの主なリスク因子の1つである。そして、複数の試験の初期結果が示しているのは、タモキシフェンにより乳腺密度が低下すると、がんリスクが低下するということである。」と述べた。
「これが長期的試験で裏付けられれば、乳腺密度は、予防的治療の恩恵を受けることのできる高リスク女性を特定する有力な方法となる可能性がある」
同氏は、がん検診中に乳がんリスクを判定するよう提案している。
英国がん研究所(Cancer Research UK)のレズリー・ウォーカー(Lesley Walker)博士は、「当研究所の研究者らが、最初の試験のいくつかに参加した。これらの試験において乳がんリスクが平均より高い女性に乳がん予防としてタモキシフェンを投与したところ、その長期的効果が示された」と述べた。
「乳がんリスクと、タモキシフェンなどの予防的薬剤で効果を得られるのが誰なのかについて正確な予測を行えるということが、女性患者に最適な治療を保証することへの重大なステップとなる」
乳がん撲滅慈善団体(Breakthrough Breast Cancer)の政策責任者メグ・マッカーサー(Meg McArthur)氏は、「乳がんを予防する有効な手段の発見が極めて重要であり、特に高リスクの女性において不可欠である」と述べた。ただし、予防的治療は負の副作用をもたらす可能性があるので、誰にでも適しているわけではない。
「乳がんの予防に用いられる最良の治療について検討する試験が歓迎される。また、この種の治療から最大の効果が得られる高リスク患者を特定することも極めて重要である」
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