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2012-09-18
ソース(記事原文):OncLive.com
進行性前立腺癌に対する酢酸アビラテロンに関しての最終結果から生存期間の有意な改善が明らかに
OncLive.com(2012年9月18日)― ベン・リーチ(Ben Leach)
転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)の患者を対象として、プレドニゾンに酢酸アビラテロンを加えた場合とプラセボの場合を比較検討した第III相試験の最終解析から、酢酸アビラテロンは全生存期間を有意に改善したこと、また患者のいくつかのサブグループにおいても好ましい効果を示したことが明らかにされた。
この第III相試験COU-AA-301の結果は、9月18日にランセット・オンコロジー(Lancet Oncology)オンライン版に掲載された。
ヤンセン・バイオテック社(Janssen Biotech)がザイティガ(Zytiga)という商品名で販売している酢酸アビラテロンは、選択的アンドロゲン生合成阻害薬であり、アンドロゲン受容体を標的として酵素CYP17A1を阻害するよう作られている。この酵素は、アンドロゲン受容体のシグナル伝達とテストステロン合成に大きく関与している。アンドロゲン遮断療法により初めのうちはテストステロン産生が抑制されるが、通常、mCRPCは進行する。これは、アンドロゲン遮断後でも、疾患の進行が可能なレベルで前立腺癌細胞がテストステロンを自力合成できるためである。酢酸アビラテロンはすべてのテストステロン産生源を遮断することで、前立腺癌の進行を遅らせるよう作られている。
今回の試験には、13カ国の147施設で患者1,195例が登録された。これらの患者はmCRPCと診断されており、この患者集団の標準治療であるドセタキセルでの治療終了後も進行が認められた。試験では、1日1回酢酸アビラテロン1000mgと1日2回プレドニゾン5mg投与群(n = 797)、またはプラセボと1日2回プレドニゾン5mg投与群(n = 398)のいずれかに患者を無作為に割り付けた。試験の主要評価項目は全生存期間(OS)であった。良好な中間結果の後、プラセボ群の患者は本試験の酢酸アビラテロン群に乗り換えることが認められたが、今回の研究論文は乗り換えが認められる前のデータに関する最終解析である。この最終解析は、事前に定められた死亡797件のうち775件が発生した後に行われた。
最終解析から、中央値20.2カ月の追跡調査期間終了後、試験の酢酸アビラテロン群のOS中央値は15.8カ月(95%CI、14.8~17.0)であったのに対し、プラセボ群では11.2カ月(95%CI、10.4~13.1)であったことが明らかにされた(HR = 0.74;95%CI、0.64~0.86;P < .0001)。
その他の評価項目についても、酢酸アビラテロンのほうが好ましい結果であった。前立腺特異抗原(PSA)値が悪化するまでの期間の中央値は、酢酸アビラテロン群で8.5カ月(95%CI、8.3~11.1)であったのに対し、プラセボ群では6.6カ月(95%CI、5.6~8.3)であった(HR = 0.63;95%CI、0.52~0.78;P < .0001)。また、放射線学的な無増悪生存期間(PFS)の中央値についても酢酸アビラテロンのほうが好ましく、同薬群では中央値5.6カ月(95%CI、5.6~6.5)のPFSを達成したのに対し、プラセボ群では3.6カ月(95%CI、2.9~5.5)であった(HR = 0.66;95%CI、0.58~0.76;P < .0001)。PSA奏功率も酢酸アビラテロン群のほうが高く、797例中235例(29.5%)で奏功したのに対し、プラセボ群では398例中22例(5.5%)であった(P < .0001)。
サブグループ解析では、さまざまな患者背景にわたり酢酸アビラテロンのほうが好ましい結果であったことが明らかにされた。年齢、進行のタイプ、ベースライン時の全身状態、患者の出身地域といった因子がすべて説明されており、すべての場合において、酢酸アビラテロンの投与を受けた患者のほうが好ましい結果であった。
「mCRPCで、ドセタキセル治療後も引き続き進行が認められる患者に対し、酢酸アビラテロンは有効かつ安全な治療薬として使用できることを我々の研究は裏付けている」主著者であり、フランスのギュスターヴ・ルシー研究所(Institut Gustave Roussy)のカリム・フィザジMD(Karim Fizazi, MD)は声明の中でこう述べた。「さらに、この患者集団に対する現在の別の治療選択肢とは異なり、酢酸アビラテロンとプレドニゾンの併用療法は外来における経口投与が可能で、患者と臨床医の双方にさらなる利益をもたらす。」
この研究論文に付随する論評の中で、アラバマ大学バーミングハム校総合がんセンター(University of Alabama, Birmingham, Comprehensive Cancer Center)泌尿器腫瘍内科長(director of Urologic Medical Oncology)のグル・ソンパブデMD(Guru Sonpavde, MD)は、これらの結果を称賛している。ただし、前立腺癌の治療法としてシプロイセルTやエンザルタミドのような比較的新しい治療法も最近承認されたことを考慮して、他の治療法と酢酸アビラテロンの適切な優先順位付けに関するさらなる研究の必要性も強調した。
「[今回の試験は] 、mCRPCの治療において重要な進歩となるものである」ソンパブデ氏はこう記している。「利用可能な治療選択肢はすべて、その性質が緩和であることから、新規の薬や併用療法を検討する[さらなる]臨床試験が強く勧められるべきである。」
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