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2013-05-08
ソース(記事原文):デイリーRx
妊婦が服用しても問題のない制吐薬
デイリーRx ― 妊娠中にオンダンセトロンを服用しても胎児へのリスクは増加せず
重篤な妊娠悪阻(つわり)に対して投薬を受ける妊婦がいる。しかし、薬剤が胎児にとって常に安全なのか知りたくても十分な情報を集めるのは難しい場合がある。
最近の研究で、ある吐き気止めの薬が、妊娠転帰不良のリスクを高めないと考えられることが明らかとなった。
この薬剤はオンダンセトロン(商品名ゾフラン)と呼ばれるもので、吐き気または嘔吐に対して妊婦に処方されることが多い。
この薬剤を妊娠中に服用した女性で、流産、死産、未熟児出産を生じる割合が高まることはなかった。
また、出生時欠損を認める乳児や、体重不足の乳児(妊娠期間の割りに小さい)、もしくは出産時低体重児を出産する割合も上昇しなかった。
「出生前の保健指導には全て参加すべきである」
本試験は、デンマーク国立血清学研究所(SSI:Statens Serum Institut)疫学部門のビョルン・パステルナーク(Bjorn Pasternak)博士によって主導され、オンダンセトロン剤に起因する胎児へのリスクの可能性について検討された。
本研究者らは2004年1月1日~2011年3月31日のデンマークにおける608,385回分の妊娠データを用いた。
今回の試験対象となったオンダンセトロンを服用していた妊婦ごとに、同様の人口統計学的特性を持つオンダンセトロンを服用しなかった4人の妊婦を比較対照として試験に含めた。
本研究者らは特に6つの異なる転帰を検討した。具体的には流産、死産、主要な出生時欠損、早産、出産時低体重、体重不足の乳児(妊娠期間の割りに小さい)とした。
本研究者らは、オンダンセトロンの服用がこれらの転帰リスクを増加させないことを見出した。
妊娠7週目~12週目の流産は、オンダンセトロン服用群の1.1 %で生じ、非服用群では3.7 %であった。
妊娠13週目~22週目の流産は、オンダンセトロン服用群の1%で生じ、非服用群では2.1 %であった。
死産率は両群でほぼ同じであり、オンダンセトロン服用群の0.3%、非服用群の0.4 %で死産がみられた。
同様に、各群の2.9%で主要な出生時欠損を持つ乳児が生まれた。
オンダンセトロン服用群の6.2%と非服用群の5.2%が、妊娠37週目前に出産し、早産であった。
また、出産時低体重の乳児と、体重不足の乳児(妊娠期間の割りに小さい)の出現率は、両群で同程度であった。オンダンセトロン服用群の4.1%が出産時低体重児を出産したのに対し、非服用群では3.7 %であった。
オンダンセトロン服用群の約10分の1(10.4 %)が妊娠週の割りは小さい乳児を出産したのに対し、非服用群では9.2%であった。
本研究者らは「妊娠中オンダンセトロンを服用しても、胎生期の転帰不良における有意なリスク増加には関連しない」と結論づけた。
今回の研究は、医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(New England Journal of Medicine)2月27日号に掲載された。本研究はデンマーク医学研究評議会(Danish Medical Research Council)から財政的援助を受けた。
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