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2012-06-20
ソース(記事原文):メディカル・イクスプレス
小児期恐怖症に対する新たな治療法
メディカル・イクスプレス(2012年6月20日)― 心理学・精神医学誌(Psychology & Psychiatry)
不安障害と情動障害のサポート・治療・研究を担うオーストラリアの主要施設マッコーリー大学情緒的健康センター(Centre for Emotional Health)では、小児期における犬・クモ恐怖症に対する新たな治療法を試験中である。この治療法は心理学者が不安障害を治療する仕組みを劇的に改善する可能性がある。
本試験は、恐怖症を患う子供の治療として、抗菌D-サイクロセリン(感染症治療に医師が用いる安全な薬剤)投与と、曝露療法を併用するものである。D-サイクロセリンは過去に恐れていた何かを怖くないものとみなすのに役立つものと考えられる。本試験はこうした目的のもとD-サイクロセリンを試している世界最初の試験のうちの1つである。
試験で使用される曝露療法とは、子供が本物の犬やクモのそばにいることに「慣れ」、冷静でいられるよう手助けするものである。これにより子供は徐々に「自分の抱く恐れに直面」し、恐怖対象物を怖くないものと関連づけることを新たに学習することができる。曝露療法は心理学者によって有効な治療法と広くみなされている一方、不成功例も数多く存在する。
本研究を主導するマッコーリー大学研究者サイモン・バーン(Simon Byrne)氏は「 曝露療法のみでは改善しない子供もいるので、子供の不安解消を後押しする有効性の高い新規治療法を開発する必要がある」としている。
同氏によれば「D-サイクロセリンを暴露療法の直前に投与することで、より迅速かつ完全に回復する確率が高まることが見出された。同剤は極めて安全であり、1剤の抗生物質を低用量投与するのと同様である」という。
恐怖症は小児期不安症の一般的な症状である。主な小児期恐怖症のうちの2つにクモと犬への恐怖が挙げられる。重症例では、これらの恐怖症が子供の生涯に重大な支障をきたすことがある。例えば、犬恐怖症の子供は、犬のペットを飼う友人とは遊べない場合がある。これは交友関係、もしくは一般的な社会生活技能の発育に影響を及ぼしうる。
また、恐怖症は家族や家庭生活に深く影響することもある、とバーン氏は説明している。
「例えば、犬を恐れる子供は一度犬を見かけた道を怖くて歩けないことがある。もしくは、クモを非常に恐れる子供は、自分の寝室で夜眠りにつけないことがある」と同氏は語った。
この新規試験は、マッコーリー大学情緒的健康センターで実施されている。同大学研究者らは、試験に参加できるクモ・犬恐怖症の小児を20人追加で現在募集中である。
6歳~14歳のクモ・犬を恐れる子供を持つ親は、試験に参加するよう勧められる。治療は迅速かつ有効で参加者費用は無料である。
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