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2011-04-23

ソース(記事原文):BBCニュース

糖尿病マウスにおいて「食事療法により腎不全が改善」

2011年4月23日

高脂肪で低糖質の栄養制限食により糖尿病マウスの腎障害を修復できることが、米国の研究者らによって示された。

プロス・ワン(PLoS One)に掲載された研究で、過剰な血糖が原因で腎臓の尿管に生じた損傷を「ケトン食療法」により改善できることが明らかにされた。

英国の1型または2型糖尿病患者280万人のうち約3分の1が、腎障害に進行する。

英国糖尿病協会(Diabetes UK)は、ヒトがこの食事療法に耐えうるのかどうか「疑問」であると述べている。

腎障害の改善

ニューヨークのマウントサイナイ医科大学(Mount Sinai School of Medicine)の研究者らは、1型および2型の糖尿病マウスを利用した。

マウスが腎障害を発症した時点で、その半数に8週間におよぶケトン食療法を施した。

脂質87%と厳しくコントロールされた食事は、断食の作用に類似するものであり、医師の助言なしでは行わないようにする。

8週間後に腎障害は改善した、と同研究者らは述べた。

マウントサイナイ医科大学で本研究を主導したチャールズ・モブ(Charles Mobbs)教授は、「今回の研究は、こうした糖尿病の重篤な合併症を改善させるのには、食事療法だけで十分であることを初めて示すものである」と語った。

「これは確かに有望であると考えられるが、臨床試験を行ってみるまでは推奨できない」

回復にいたる正確なプロセスが同研究者らによって解明されることも必要である。

英国糖尿病協会の研究責任者であるイアン・フレイム(Iain Frame)博士は、「本研究はマウスで実施されたため、糖尿病患者における実際の有益性がどのようになるのかを、現時点で判断するのは難しい」と述べた。

「腎不全が食事療法のみで予防できる可能性があるとするのはあまりに短絡的過ぎる。マウスモデルで使用した食事療法が、たとえ短期間でも人間に耐えうるものなのかどうか疑問である」

本研究を一部助成した若年糖尿病研究財団(Juvenile Diabetes Research Foundation)のヘレン・ニッカースン(Helen Nickerson)氏は「モブ氏の観察結果は今までにないもので、糖尿病性腎症における新たな分子的洞察につながる可能性がある」と述べた。