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2011-08-25
ソース(記事原文):BBCニュース
肥満:これまでの経緯
BBCニュース(2011年8月25日)―ニック・トリグル(Nick Triggle)著、BBCニュース・医療担当記者
肥満問題に関しランセット誌(Lancet)が、これ以上ないまでに明らかにしている。曰く、今こそ、行動することが必要なのである。
この世界的に有名な医学誌は、今週号の大部分をこの問題に割いている。
世界中の研究者が発表した一連の論文では、さらに多くの肥満対策の必要性が論じられており、実際問題として、各政府や社会全体にさまざまな措置を講じるよう求めている。
しかしながら、我々はどのようにしてこの状況に至ってしまったのか。そして解決策とは何だろうか?
肥満が蔓延するきっかけとなったのは恐らく1960年代であるが、当時は誰一人として気付いていなかった。
世界がいわゆる「フリーセックス」の時代を受け入れたころ、人々の食べる量も多くなり始めたのだ。
しかし実際のところ、恐らく20世紀前半にはすでに土台ができており、人々は車の利用機会が増えたり、肉体労働をあまりしなくなっていった。
その一方で2つの世界大戦の期間中、および戦後に起こった食糧不足により、この時代は食物消費量も減少していた。
60年代までには通常の生活を送れるようになり、食品流通が回復すると、10年も経たないうちに肥満症が増え始めたのだ。
最初は主に豊かな国に限られていたが、今日では低所得・中所得国にも広がりをみせている。
実際に状況はあまりにも悪化しているため、専門家らはさまざまな要因を理由に、個人が自分の行動に責任を取る能力について疑問を持ち始めている。その要因として、例えば安価なファストフードの供給の増加が挙げられる。
国立肥満観測研究所(National Obesity Observatory)のハリー・ラター氏(Harry Rutter)は次のように述べている。「事実、人というのは痩せるよりも太るほうが簡単なのです。肥満症の増加は、普通の人達が普通ではない状況に対応した当然の結果です。」
肥満問題を抱えていない国はない
現在では、世界中で推計5億人が肥満の分類に入る。英国では4人に1人である。北米ではさらにひどく、成人の3分の1が肥満である。
トンガでは女性においてこの問題が際立っており、10人中7人の女性が肥満である。
その一方で当初は肥満の傾向がほとんど見られなかった日本や中国のような国でさえ、ますます多くの肥満症例が認められている。
「我々は肥満症と慢性疾患の危機に見舞われている。」世界をリードする肥満専門家の1人であり、オーストラリア・ディーキン大学(Deakin University)に籍を置くボイド・スウィンバーン教授(Professor Boyd Swinburn)はこう話す。「肥満問題を抱えていない国など存在しない。」
また、肥満は糖尿病や心疾患から癌に至るまで多くの健康問題と関連しているため、医療制度の負担が懸念されている。
英国の場合、専門家らの予測では今後20年間で肥満水準はほぼ2倍になる。これはつまり、この問題への対処のために、英国国民保険(NHS)から年間20億ポンドを余分に費やす必要があるということである。
政府、少なくともロンドンの行政機関は、業界と協力してより健康的なライフスタイルの促進に取り組んでいる。
企業は、食品の食塩・砂糖・脂質含有量を減らしたり、より責任あるマーケティング戦略を追求するという一連の誓約書に署名した。
しかし多くの専門家にとって、これは十分と言えるものではない。ランセット誌の研究者らは、この問題に取り組むには法律などのさらに厳しい措置が必要であると論じている。
論文の1つは、健康によくない食品や飲料への課税、また交通信号のような成分表示ラベルを食品に貼るなどの措置は健康上非常に有益であり、長期的に見れば購入費の節約にもなるだろうとしている。
少数ではあるが、一部の国はこうした措置のいくつかを検討し始めた。
9月にはハンガリーで、ポテトチップやチョコレートのように食塩や砂糖の含有量が多く、すぐに食べられる食品への課税が導入される。
フィンランドとノルウェーはすでにこの措置を講じている。
現時点での課題は、どれほど多くの国や地域がこうした流れに追随するか、ということである。