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2011-01-06
ソース(記事原文):サイエンスデイリー
運動により前立腺がん患者の死亡リスクが低下する可能性
サイエンスデイリー(米科学誌[2011年1月6日]) — 前立腺がんの男性に関する新たな研究により、運動が、全死亡率リスクおよび前立腺がんに起因する死亡リスクの低下に関連することが明らかとなった。ハーバード大学公衆衛生学部(Harvard School of Public Health)とカリフォルニア大学(University of California)サンフランシスコ校の研究者らは、より激しい運動を行った男性において、前立腺がんの死亡リスクが最も低かったことも見出した。これは、前立腺がん特異的死亡率および全死亡率に関して、前立腺がん患者を対象に診断後の運動を評価した最初の試験である。
本試験は、ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(米科学誌)オンライン版で先行公開されている。
本研究の主著者でハーバード大学公衆衛生学部研究者のステイシー・ケンフィールド(Stacey Kenfield)氏は、「今回の結果では、日常生活に運動を取り入れることによって、前立腺がん診断後の前立腺がん進行リスクを低下できることが示唆される」と述べた。「このことは、がん生存期間を延長するために、どのような生活習慣を守ればよいのだろうかと思いを巡らしながら前立腺がんと共に生きる男性に朗報である」
前立腺がんは、米国男性の中で最も高頻度に診断されるがん種であり、米国男性の6人に1人が生涯の間に発症する。前立腺がん生存例(男性)は、米国で200万人以上、世界で1,600万人以上いる。
本研究は、医療専門家による追跡調査試験(Health Professionals Follow-Up Study)において、18年間にわたり、前立腺がんと診断された2,705人の男性を対象に実施された。被験者は、週ごとの平均運動時間を報告した。この運動はウォーキング、ランニング、サイクリング、水泳、その他のスポーツ、屋外作業などであった。
その結果、激しい運動でも、激しくない運動でも、全生存率に有益であったことが示された。ゆっくりとした足どりで週に90分未満歩いた男性と比較して、普通か速足で週に90分以上歩いた男性では全死因死亡リスクが46%低下した。
週3時間を超える激しい運動の場合に限り、前立腺がん死亡率の低下と関連した。こうした激しい運動をした男性は、週1時間未満の激しい運動をした男性と比べて、前立腺がん特異的な死亡リスクが61%低下した。
「十分達成可能な運動量において有益性が認められ、今回の結果から、前立腺がんの男性は、健康全般のためにある程度の運動をすべきであることが示唆される。たとえ一日15分という短い間でも構わないのでウォーキング、ジョギング、サイクリング、または庭仕事のような運動をするとよい」とケンフィールド氏は述べた。「一方、週に3時間以上の激しい運動は、健康全般だけでなく、前立腺がんにも特に有益となる可能性がある」と同氏は語った。
本研究は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)、チャールズAキング・トラスト(Charles A.King Trust)、前立腺がん財団(Prostate Cancer Foundation)の助成を受けて行われた。