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2011-09-01
ソース(記事原文):モダンメディスン
イミキモドが一部の悪性黒色腫(メラノーマ)に適するという専門家の見解
モダンメディスン(2011年9月1日)―ルイーズ・ガニオン(Louise Gagnon)著
・ イミキモドが上皮内メラノーマまたは悪性ほくろに対する一次治療の選択肢となる可能性
・ 眼瞼、唇、鼻などの機能的器官が患部に含まれる場合にイミキモドが良い選択肢となる。
・ 内科治療と外科治療を組み合わせる場合もある。
ニューハンプシャー州レバノン ― メラノーマに対する標準治療は手術であるが、メラノーマが上皮内(非浸潤性)であるか、もしくは悪性ほくろとして発現し、浸潤する可能性がある場合は、イミキモドが一次治療の選択肢となる。
ニューハンプシャー州レバノンにあるダートマス・ヒッチコック医療センター(Dartmouth-Hitchcock Medical Center)外科学(皮膚科学)マイケル・シェーン・チャップマン準教授は、手術を行った場合の再発率は5~20%で、イミキモドの使用では治癒する確率が90%、再発の確率が約10%になるとしている。
チャップマン博士は2007年にイミキモドの使用に関するデータを発表し、対象者は12人で、うち6人に組織学的消失、2人に異型メラノサイト(メラニン細胞)1ヶ所、4人に組織学的には確認されない臨床上の消失を認めたとしている(論文Spenny ML, Walford J, Werchniak AE, et al. Cutis. 2007;79(2):149-152)。
「過去10年にわたり多くの批判があり、ここ5年間のデータはない」とチャップマン氏は述べている。
同氏は自ら診療で60人を超える上皮内メラノーマを有する患者を治療した。上皮内メラノーマをイミキモドで治療した患者43人を5年以上追跡調査し、再発したのは43人中4人であった。
チャップマン氏は「上皮のメラノーマが消失しない場合には、手術を行う」としている。「60人の患者のうち何名かは、術後に再発し1~2回または3回の手術を受けていた。手術は治療方法として効き目がなかった」
患者がメラノーマ患部を切除するための手術を複数回受けていた場合、外科医にとって簡単なことではない、とチャップマン氏は述べている。
同氏は「患者が1~2回または3回手術を受けていた場合、切除縁を見極めるのが非常に困難になる」と語った。
イミキモドのプラス面
悪性ほくろに手術の代替となる治療法が存在する利点の1つは、一部の患者で内科的または非外科的治療によって優れた美容的結果がもたらされると考えられているため、そうした治療法が好まれることである。
チャップマン氏は「顔に非常に大きなメラノーマがある患者もおり、醜い傷跡を懸念し、広範囲の外科的処置は望んでいない」という。「患者は手術を避けようと、他に何かできることはないのか相談してくる」
同氏によれば、患部に眼瞼、唇、鼻などの機能的器官が含まれる場合の治療法としてイミキモドが適合するという。性器粘膜のメラノーマにもイミキモド治療が適合する。
現在、チャップマン氏はレチノイドを2週間投与したのちに、イミキモドを行う併用療法を用いている。同氏は、これと同じ方法を、表在性・結節性の基底細胞癌の治療にも用いている。
同氏は「イミキモドだけの場合、炎症反応がさほど活発に起きないことが分かった」という。「タザロテンを加えることで、実際にスイッチが入り、イミキモドを塗布する頃には、炎症反応が始まることを見出した。イミキモドと併用してレチノイドを用いれば、反応しない患者はいないことが判明した」
チャップマン氏によれば、イミキモドの使用は大部分で忍容性が良好であるという。
同氏は「大半の患者は痛みを訴えることがない」としている。「一番多く訴えられたのは、かゆみ(そう痒症)であった」
イミキモドの治療を行ったのちに、医師は患部が存在していた領域に細胞診(検査)を行い、消失したことを確かめる、とチャップマン氏は述べている。
同氏は「イミキモドが効かない確率は10%である」としている。
チャップマン氏によれば、患者が虚弱であるか、健康状態が悪い場合や、もしくは共存症がある場合は、手術が最善の治療選択肢ではないと考えられるという。
「患者にペースメーカが埋め込まれている場合、クマジンのような抗凝固薬を投与中の場合、または養護ホームにいる場合、拡大手術を施行できるほどの健康状態ではないと考えられる」と同氏は語った。
患部が、腕、背、脚などの部位に発現した場合には、手術で患部を切除するのが望ましいのは明らかである。「このような場合は、患部を摘出して傷口を縫合する」とチャップマン氏は述べている。
併用する選択肢
場合によっては、内科的治療と外科的治療を組み合わせることができる。頭皮のような部位に、大きな上皮内メラノーマが生じた場合、腫瘍を縮小するためにイミキモドを使用し、次に腫瘍を切除するために手術を施行する。
また、日焼けで痛んだ肌に病変が出現した場合には、望ましい外科的切除縁を得るのは難しいので、イミキモドを腫瘍の切除縁に塗布する。
チャップマン氏は「顔面上の日焼けで痛んだ皮膚のメラノーマを切除することがよくある」という。切除縁が明確であることはまずない。周囲には異型メラノサイトが必ずある。切除しては、また切除し続け、どこで止めるべきか分からなくなる。
同氏は「上皮内メラノーマの大半が手術で切除できたものの、異型メラノサイトが縁に残ってしまった場合、さらに手術を行うよりも、その残存腫瘍細胞にイミキモドを塗布して治療を行う」と述べている。
傷痕を残さないことがイミキモドの治療の利点である一方、イミキモド治療には色素減少のリスクがある。
チャップマン氏は「イミキモドは上皮内メラノーマの万能薬ではないが、手術を試したが効果が得られなかった場合に、イミキモドが良い選択肢となる」と述べている。「あらゆるメラノーマに処方すべきではないが、手術という選択肢のない複雑なメラノーマに処方することは望ましい」
公開情報: チャップマン氏は、グレイスウェイ製薬会社(Graceway Pharmaceuticals)とスリーエム(3M)社のコンサルタントであり広報担当者である。
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