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2011-12-10
ソース(記事原文):MPR
再発/進行した皮膚T細胞リンパ腫患者に対する維持療法として経口レナリドマイドが有用である可能性
MPR(2011年12月10日)― 薬剤師ジェニー・コウ(Jenny Ko)著
カリフォルニア州サンディエゴ発 ― 第53回アメリカ血液学会年次総会・展示会で発表された第2相多施設共同試験の結果によれば、再発/進行した皮膚T細胞リンパ腫 (CTCL)患者に対する経口レナリドマイドの活性は、現在利用可能なその他の薬剤の活性と一致することが示された。この結果から、レナリドマイドは、維持療法として、もしくは他の生物学的製剤との併用療法として有用となる可能性が示唆される。
レナリドマイドの作用機序は明らかにされていないものの、T細胞・ナチュラルキラー(NK)細胞機能を刺激することや、Th1サイトカイン産生を誘導すること、それに細胞障害活性に対し、免疫学的調整がみられるように思われる。様々な血液系腫瘍・固形腫瘍で現在使用されているレナリドマイドの生物学的作用は、再発性皮膚T細胞リンパ腫患者ではまだ明らかにされていない。
ニューヨークの米スローン・ケタリング記念がんセンター(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center)クリスチャーヌ・ケルフェルド(Christiane Querfeld)博士らは、再発性皮膚T細胞リンパ腫患者の小集団を対象に、レナリドマイドの免疫調節作用を検討するため、多数の治療歴(前治療数中央値7回[範囲1~14回])のある患者35人を登録した。最初の患者群18人は、レナリドマイド25mg/日を21日間投与し、その後7日間休薬した(28日サイクル)。忍容不能な皮膚の再燃反応が原因で試験を見直し、次の患者群13人はレナリドマイド10mgで投与開始し、忍容性に応じて25mgまで漸増した。1名は、5mg/日で開始することにした。
免疫調節性の評価は、[1]皮膚疾患の複合評価法(Composite Assessment of Index Lesion Disease Severity)、[2]セザリー細胞絶対数による血中悪性リンパ球の定量化、[3]CTスキャンによる腺症(リンパ節腫張)や内臓疾患の所見(うち1つ以上)を用いて、患者群で各サイクル終了後に行った。治療開始前と治療開始から3週間にわたり6人から採血した血液検体を用いて、フローサイトメトリー検査によってT細胞およびナチュラルキラー細胞の様々なサブセットを解析した。奏効の評価可能者は29人で、毒性の評価可能者は32人であった。
奏効について評価可能な患者のうち、7人(24%)は臨床病期IB、2人(7%)は病期IIA、4人(14%)は病期IIB、6人(21%)は病期III、8人(28%)は病期IVA、1人(4%)は病期IVBであった。全奏効率(ORR)は31%(9人)で、9人ともレナリドマイド25mg/日で部分奏効(PR)が得られた。奏効期間の中央値は5ヵ月(範囲1~12+ヵ月)であった。17人(59%)では安定(SD)がみられ、3人(10%)は疾患進行が認められた。初回奏効までの期間の中央値は、3ヵ月(範囲1~5ヵ月)であった。15人では、皮膚斑点、プラーク(粥腫)、腫瘍、または紅皮症に、部分的消失もしくはほぼ完全消失が認められた。
頻発する有害事象には、疲労、痒み、下腿部浮腫、胃腸疾患、血液毒性などが認められた。最も多く発生するグレード3の有害事象は、疲労(22%)、感染症(9%)、白血球減少(3%)、好中球減少(3%)であった。グレード4の毒性は発生しなかった。レナリドマイドの治療開始後にグレード1または2の腫瘍フレア(治療によって生じた疼痛など)が8人(25%)で生じた。腫瘍フレアは投与量を増加した患者で発生頻度が低かった。
免疫調節性の変化を検査した6人中4人は、投与前と比べ、CD4+T細胞に減少(範囲24%~68%)が示されたと同時に、CD4+CD25+制御性T細胞にも減少(範囲18%~87%)がみられた。治療期間中に、2人では部分奏効が得られ、2人は安定のままであった。残りの2人は、両者とも安定がみられ、CD4+T細胞の増加(2%、43%)と、CD4+CD25+制御性T細胞の増加(50%、73%)が認められた。
本研究では、経口レナリドマイドに、管理可能な毒性概要(有害事象)が認められた。今回のデータから、レナリドマイドがもたらす皮膚の免疫調節作用は、制御性T細胞の減少と関連し、血中CD4+T細胞数と相関する可能性が示唆される。ケルフェルド氏は、6人の皮膚生検で治療前と治療中のサイトカインの発現を調べているとしている。
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