その他 - このカテゴリーに関連するニュース・情報

下記の内容は、当サイトがWeb上の英語で書かれたニュースや記事を独自に訳したものであり、当サイトはその内容、翻訳の正確性に関して一切免責とさせて頂きます。この点をご理解の上、参考になさってください。また、この翻訳文の無断利用はお控え下さい。

2009-05-01

ソース(記事原文):BBCヘルス

小児における甲状腺機能低下症

トリシャ・マクネア博士(Trisha Macnair)

生まれつき甲状腺機能低下症の子供もいるが、そうでない場合でも、いつでも発症する可能性がある。

この記事は、トリシャ・マクネア博士が、2009年5月にレビューしたものである。

甲状腺機能低下症とは?

甲状腺機能低下症とは、甲状腺の活動が低下するものである。甲状腺とは、頸部に存在し、T3とT4(サイロキシン)と呼ばれる2種類のホルモンを産生する重要な腺で、このホルモンにより多くの組織の代謝率が調整される。甲状腺機能低下症では、これらのホルモン値が正常よりも低くなる。

症状

出生直後から出現する先天性甲状腺機能低下症の症状には、発育不全、摂食問題、遷延性黄疸、便秘、青白く冷たく乾燥した皮膚、大きな舌、しわがれた泣き声、甲状腺腫(稀である)、臍ヘルニア、発育遅滞、独特な顔貌などがある。

後天性甲状腺機能低下症では、低身長、寒がり、乾燥した薄い毛髪、遅脈、眉が脱毛し眼の色が薄く腫れぼったい、便秘、反射神経が鈍い、肥満、思春期遅発症、学業成績の低下、うつ病、学習困難が認められることがある。

原因とリスク因子

先天性甲状腺機能低下症には複数の原因がある。具体的には以下のようなものである。

* 乳児が子宮内にいるあいだの甲状腺の発達異常

* 甲状腺ホルモンの産生を阻止する遺伝的異常

* ヨード欠乏症(世界的には最も多い原因であるが英国では稀である)

* 脳下垂体の問題(甲状腺を制御する部位)

小児の後天性甲状腺機能低下症は、自己免疫疾患に起因することが最も多い。この疾患は免疫系が甲状腺を攻撃するもので、ウイルス感染症のあとに生じることもある。

後天性甲状腺機能低下症の小児は、糖尿病などその他の自己免疫障害を有する場合がある。両疾患ともダウン症候群またはターナー症候群の小児に多く認められる。また、男児より女児に多い。

治療と回復

先天性甲状腺機能低下症は、重度の学習困難を予防できる数少ない原因の1つである。4,000人に1人の乳児が、先天性甲状腺機能低下症をもって生まれてくる。全症例の約5%は、ホルモン産生に遺伝的機能障害がある。

この疾患は、英国全土で血液スポット新生児スクリーニングプログラム[Newborn Blood Spot Screening Programme]の一環として検査が行われる。生後5日~8日までに(出生日を0日とし5日目が望ましい)、乳児の踵に穿刺して血液検体を採取する。特別な紙に血液を円状に塗布し検査室に送り、先天性甲状腺機能低下症をはじめとする高頻度の遺伝性疾患のいくつかを検査する。

この疾患が確認された場合、出生直後の症状発現前に治療を開始することが可能となる。したがって、検査で早期診断し早期治療することにより、学習困難を予防することができる。甲状腺機能低下症の治療は、サイロキシンと呼ばれる甲状腺ホルモンを補充する簡単なものである。この薬は錠剤または液状になっており、生涯にわたり服用しなければならない。服用量は定期的に調べ、必要に応じて調整する必要がある。

ヨード欠乏症が起きた際は、ヨード補充で十分な場合もある。


この記事に関連するくすり屋さん取扱商品

- コロソル・アイオディン・オーラル (コロイド状ヨウ素) 8mg/5ml (100mlボトル) 1160 円