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2014-03-31
ソース(記事原文):皮膚&アレルギー・ニュース
悪性黒子に対するイミキモドを支持する新たな研究
皮膚&アレルギー・ニュース(2014年3月31日) ― ブルース・ジャンシン(BRUCE JANCIN)著 (皮膚&アレルギーのニュースデジタルネットワーク)
ハワイ(ワイコロア) 悪性黒子または悪性黒子型メラノーマの患者において、免疫調節物質イミキモドの局所投与が有益な治療法となり得ることが、これまでで最大規模となる症例集積研究で示された。
「我々の経験に基づくと、手術不可能な患者、もしくは組織学的な切除断端陰性化を図らずに切除範囲決定を行った患者に認められる悪性黒子と悪性黒子型メラノーマ上皮内病変に対する一次治療または補助的療法として、イミキモド5%クリームが有力な選択肢となる。医学教育・皮膚疾患教育財団グローバルアカデミー(Global Academy for Medical Education/Skin Disease Education Foundation)から資金援助を受けたハワイ皮膚科セミナー(Hawaii Dermatology Seminar)のスーザン・スウィター(Susan M.Swetter)医師は、イミキモド5%クリームは上皮内メラノーマに対してのみ検討されるべきであることを強調したい。浸潤性メラノーマの治療には用いない」と述べている。
注意点: 悪性黒子に対するイミキモド(商品名アルダラ、Aldara)は適応外治療である。悪性黒子および悪性黒子型メラノーマに対する非外科的な治療法の弱点について、治療対象者と話し合うことが不可欠である。具体的には、切除断端の状態に応じた調整不十分による局所再発リスクの増加、浸潤性メラノーマであることを見落とす可能性、無作為化試験の長期経過観察により裏付けられている証拠の欠如などである。
カリフォルニアのスタンフォード大学医療センター(Stanford University Medical Center)の色素性病変・皮膚メラノーマクリニック責任者であるスウィター氏は「悪性黒子に対する治療候補としてのイミキモドに関して言えば、綿密な臨床経過観察と、(入念な)患者との話し合いの記録、患者の服薬遵守の強化が必要とされ、これについてはいくら強調しても足りないぐらいである。転移を認めた悪性黒子型メラノーマの複数症例を受け持ったことがあるが、これらは上皮内病変によるものではなく、初期の浸潤癌によるものであった。こうした症例では長期にわたり徹底的な経過観察が必要とされる。私は患者をWood灯検査とダーモスコピーで経過観察し、色素沈着を生検に回している」と述べている。
とはいえ、悪性黒子と悪性黒子型メラノーマに対する一次治療として外科的切除が推奨されるなか、手術が施行できないような症例が多々ある。具体的には限定的な内科的合併症または認知障害を有する多数の高齢患者である。また、悪性黒子は頭頸部に発症しやすく、手術は外観を損なう可能性があり、それを避けたいと強く望む患者もいる。
スウィター氏は、イミキモド5%クリームの治療を行った62個の悪性黒子または悪性黒子型メラノーマ病変(全部で60人の患者)を対象としたレトロスペクティブ試験を発表した。この試験はスタンフォード大学とパロアルトの退役軍人局健康管理システム(Veterans Affairs Palo Alto Health Care System)で実施された。これらの患者のほとんどを同氏自身が治療している。20症例はイミキモドを一次療法としており、残りの症例は組織学的消失を得るための外科治療が不成功に終わった後の補助療法として本剤を用いた。
病理学的には、病変の45%が悪性黒子、29%が非定型表皮内メラニン細胞増殖または未成熟型悪性黒子、26%は組織切離面に悪性黒子を認める悪性黒子型メラノーマで、その場合は浸潤性メラノーマ病変は摘出した。治療した病変の4分の3は、頭部または頸部のものであった。
ブレスロー(Breslow)腫瘍深達度(病変の深さ)は、平均1.17 mmであった。イミキモド投与前に、50%の患者は1個の病変を切除しており、19%は2個以上の病変を切除していた。イミキモドの平均治療期間は10.9週間、そして治療後の平均追跡期間は38ヵ月であった。
スウィター氏は「一般的に病変周縁部2cmに治療を施す」としている。
臨床的または組織的な全消失率は86%であった。この消失率は、デンバーのコロラド大学(University of Colorado)の皮膚科医による既発表レビュー(Dermatol. Surg. 2012;38:937-46)に載った報告書46本(対象治療患者264人)を統合した消失率82%と同程度である。
イミキモドに対する炎症反応は、良好な治療成績の予測因子となり、特にこの外用薬を一次療法として用いる患者に当てはまる。一次療法としてイミキモドを使用した患者20人のうち、臨床的/組織学的消失を認めた16人は、その全員が初期炎症反応を呈していた。対照的に、臨床的消失を認めなかった4人では、炎症反応を示した者はいなかった。
一方、補助療法としてイミキモドを用いた患者では、一次療法の患者ほど良い転帰は得られなかった。
スウィター氏は「補助療法はより難治性の症例に関連している可能性が高く、これらの患者は組織学的消失を目的として広範囲の局所切除を何回か試みて不成功に終わっている場合がある」と推察している。
悪性黒子に対する治療薬としてのイミキモド使用は適応外使用であるが、主要な診療ガイドラインの支持を得ている点は注目に値する。全米総合がんセンターネットワーク(NCCN:National Comprehensive Cancer Network)のガイドラインでは、残存腫瘍径1cm未満の腫瘍減量術を受けた後の特定患者において、悪性黒子に対する補助療法として局所的イミキモドまたは放射線療法を検討するよう推奨している(推奨レベル2B)。米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology:AAD)は、補助療法の選択肢の一つとしてイミキモドをリストに加えている(J.Am.Acad.Dermatol.2009; 61:865-7)。スウィター氏によれば、現時点で本当に必要なのは、有益性をしっかり証明するための無作為化比較試験である。
講演座長アラン・アルペルン(Allan C.Halpern)氏らは、悪性黒子の治療に局所用イミキモドを用いており、素晴らしい結果を得ているという。
ニューヨークのスローン・ケタリング記念がんセンター(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center:MSKCC)皮膚科責任者であるアルペルン氏は「文献による裏付けはないが、我々が採用している方法は、広範囲に薄片生検を行い、病変は基本的に除去し、その後は治癒するまでイミキモドを塗布するというものである。実に素晴らしい臨床成績がいくつか得られている」としている。
「とはいえ、手術を行った場合でも、悪性黒子の既往に関連した線維形成性メラノーマの再発を時折認めることがあり、その点を患者に周知させるのは重要なことだと思う。イミキモド使用下で再発が少なくなると考える根拠はない。再発は起こり得るものである」と同氏は注意を促した。
スウィター氏は、利益相反はないと報告している。アルペルン氏は、SciBase社、ダーマテック(DermTech)社、キャリバー(Caliber)社、キャンフィールド(Canfield)社から研究助成金を受け取っている。
SDEF(Skin Disease Education Foundaiton)と当ニュース配信組織は、同じ親会社に所有されている。
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