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2015-07-17
ソース(記事原文):Medical News Today
抗マラリア薬でパーキンソン病を治療できるかもしれない
【Medical News Today】(2015年7月17日)
現在のところ、パーキンソン病の進行を遅らせたり止めたりする標準的な治療法は確立しておらず、有効な治療は個々の症状への対処である。しかし今、画期的な研究により、この病気の進行に対して効果を発揮する2種類の既存の抗マラリア薬の特定に成功した。
シンガポールのナンヤン工業大学(NTU)およびマサチューセッツ州ベルモントにあるハーバード医学学校からやってきたメンバーを含む国際的なチームによる研究の結果は、「米国科学アカデミー紀要」で報告された。
主に中年以降に発症する進行性の神経障害であるパーキンソン病は、世界中で1000万人が患っていると推測されている。既に明らかなように、段々と動きを調整する機能を失い、やがて歩行や会話、そして自らの意思で自分自身を動かすことが不可能になる病気である。
パーキンソン病は、動きのコントロールに重要な化学物質であるドパミンを放出する脳細胞に障害を与える。その細胞は徐々に損なわれ、そして死滅する。
現在のパーキンソン病の治療は、薬もしくは外科的に脳の奥を刺激することによってドパミンの減少を補うことを目的としている。しかし、マクレーン病院精神神経科の教授でパーキンソン病の第一人者でもある上席著者のカンソー・キム氏は次のように説明している。
「これらの薬理学的および外科的治療は、病気の初期段階における運動機能の改善など、患者の症状には対処していますが、病気の進行を遅らせたり、食い止めたりすることはできません」。
この研究でキム教授とその同僚は、2つの方法でドパミン細胞を保護すると考えられている脳たんぱくであるNurr1受容体の役割に焦点を当てた。それはドパミン細胞の成長と維持にとって大切であり、また炎症誘因性の死からも保護する。
FDA が承認した Nurr1 を標的にする 2 つの抗マラリア薬
以前の研究でNurr1はパーキンソン病治療のための潜在的標的と示唆されたが、今回の研究まではそれに結合する分子を誰も発見することができなかった。
この研究チームは既にFDA(米国食品医薬品局)に承認されている1000種類以上の薬を検査し、クロロキンとアモジアキンの2種類の抗マラリア薬がいずれもNurr1の保護効果を強化することを発見した。
パーキンソン様症状のあるラットでこの 2 つの薬剤の試験をした際に、動作抑制に改善がみられ、また現在のパーキンソン病治療薬でしばしば出現する副作用であるジスキネジアの明らかな徴候もみられなかった。
研究者たちは、Nurr1を標的にする小分子がパーキンソン病の進行に対する脳の保護に使用できる可能性がある、という“原理の証明”を自分たちの研究は提示した、との結論を出した。
NTU構造生物学および生物学の准教授、また創薬と薬物設計の専門家であり、共著者であるホーサップ・ヨンは、こう付け加えた:
「私たちの調査は、現存の薬が適応以外の目的で使用されたり、また可能性が見つかった段階でほかの病気を治療するために使用することができ、さらに副作用を減らしながら標的とする病気に対してより効果を発揮するようにつくり変えることができることを示唆しています」。
このチームは既に、パーキンソン病の進行を食い止めたり、拮抗させるほかの薬剤を探しており、その治療のためにクロロキンとアモジアキンの適応を変え、臨床試験を実行しようと試みている。
その一方で、パーキンソン病治療の可能性の発見の前進はさらに別の場所でも行なわれている。例えば2015年2月に『メディカルニュース・トゥデイ』において、イギリスのバース大学による研究でペプチドがパーキンソン病の進行を遅らせることができるかもしれないことが発表された。この研究は、アミノ酸の連鎖であるペプチドがどのように不完全な細胞たんぱくにくっつき、ドパミン細胞を全滅させる毒性型線維に蓄積されるのを阻止するかを説明している。
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