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2012-04-14

ソース(記事原文):メールオンライン・ヘルス

関節炎の激痛を緩和させる1日あたり1ポンドの「抗うつ薬」

メールオンライン・ヘルス(2012年4月24日)― パット・ハーガン(PAT HAGAN)著

1日あたりの費用が1ポンド(約130円前後:2012年4月為替相場)未満の「抗うつ薬」が、変形性関節症の痛みを和らげるのに役立つ可能性がある。

ジャーナル・オブ・リューマトロジー(医学誌)の最近の報告によれば、デュロキセチンという薬剤が膝に損傷のある患者における痛みの程度をプラセボとの比較で半減させたという。

月に約22ポンド(2,860円前後)かかるデュロキセチンは元々抗うつ薬として開発されたもので、セロトニンおよびノルアドリナリンという脳・脊髄における化学伝達物質に働きかけるものである。

一方、デュロキセチンが痛みを軽減させることを示唆している報告もあり、おそらく痛み信号を脳へ到達させないようにするものと考えられる。

軟骨(身体に組み込まれた緩衝体)の破壊の原因となる変形性関節症が、英国で推定800万人に認められる。

股関節部、膝、手関節などの主な関節は、身体の加齢とともに摩滅する。具体的には、軟骨が磨り減り、骨同士が擦れ合って砕けることで、腫れや痛みを引き起こす。

治癒方法はなく、多くの患者は痛みを和らげるのに抗炎症性鎮痛薬に頼るしかない。鎮痛薬は役立つものの、長期使用すると胃へのダメージがある。

より重篤な症例では、炎症の軽減にステロイド注射を提案されることがある。英国では関節の磨滅が悪化して人工膝関節置換術が必要となる患者が年に約6万人に上る。

メリーランド大学(University of Maryland)の研究者らは、変形性関節症患者グループに1日1回のデュロキセチンを13週間投与するとともに、同疾患の別のグループには見かけ上同一のプラセボを投与した。

デュロキセチン群では、プラセボ群と比較して、痛みの程度が3分の1から半分になった。同剤が痛みを軽減するメカニズムは、ほとんど明らかにされていない。一説には、デュロキセチン投与によりセロトニン値とノルアドリナリン値が上昇し、脊髄から脳へ伝わる痛み信号の強度が弱まるとされている。

デュロキセチンは、他のタイプの痛みにも使用されている。著名なコクラン・ライブラリー(Cochrane Library)による最近の報告では、高血糖値による神経障害で生じる糖尿病性神経痛への対処が可能であることを明らかにしている。

糖尿病性神経痛とは、身体のさまざまな部位に灼熱痛や刺痛を引き起こすものである。

デュロキセチン投与により、こうした痛みがプラセボと比較すると半減されること(プラセボの1.5倍の緩和効果)が複数の試験で示された。

一方、専門家らは患者の6人に約1人が吐き気やめまいなどの副作用により服用を中止しているとして注意を促している。

抗うつ薬は、帯状疱疹による痛みをはじめとする慢性痛にも効くことが分かっている。こうした灼熱痛は顔面に生じることが多く、神経障害によって引き起こされると考えられており、アミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬が有効とされる。

三環系抗うつ薬は脳内化学伝達物質に作用し、皮膚の末梢神経から生じる不快な痛み信号を遮断する。

投与量は一般に10mgなどの低用量で開始し、25mgまたは75mgまで徐々に増量する。

ただし、よくある問題は、投与開始から3週間後または4週間後まで、薬による痛みの軽減がみられず、早期にあきらめてしまう人が多すぎることにある。

慈善団体である関節炎リサーチUK(Arthritis Research UK)の報道担当者が、膝関節炎に対するデュロキセチン投与について寄せたコメントによると、「抗うつ薬が特に背痛を緩和させる傾向のあることは分かっているが、同剤が末梢関節の変形性関節症に効果があるのかどうかは明らかでない。また、同剤に関する複数の試験が存在するが、一定の結果は得られていない」という。


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