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2014-03-16
ソース(記事原文):フィリピンスター紙
関節炎に伴う膝関節痛がプレドニゾロンで3分の1ほど軽減
フィリピンスター紙(2014年3月16日) ― 医学博士チャールズ・シャント(Charles C. Chante)著
中等度から重度の変形性膝関節症患者において、膝痛重症度を測るWOMAC疼痛尺度の疼痛スコアが、プラセボと比べて、プレドニゾロンで約3分の1改善されることが、新たな研究で示された。
エジプトのアレクサンドリア大学(University of Alexandria)が、無作為化二重盲検対照試験を実施し、中等度から重度の変形性膝関節症の高齢患者を対象に、6週間にわたる低用量の経口プレドニゾロン連日投与が、疼痛を軽減し、移動機能を改善し、全身性軽度炎症を軽減し、それが12週間にわたり維持されるのかどうかについて評価した。同大学の外来を受診した変形性関節症患者の中から65歳以上の計125人を登録した。この対象患者は、原発性変形性膝関節症のACR(アメリカリウマチ学会)臨床・X線基準を満たし、治療開始の直前週における平均疼痛スコアが0~10の評点で4点を超えており、それが無作為化割り付け日までの3ヵ月間に1ヵ月あたり14日以上起きていた。
経口プレドニゾロン(7.5 mg/日)を63人に投与し、62人にはプラセボを投与した。試験を完遂した患者のみを6週と12週時点で観察し、身体検査を行ったほか、痛みの程度、急激な悪化、鎮痛剤の使用について評価した。
主要評価項目は痛みの軽減とし、副次的評価項目は全身性炎症の軽減と、身体機能スコアの改善とした。以下の4つの検査を用いて変形性膝関節症を評価した。1) レントゲン評価(kellgren-lawrence分類)、2) 視覚的アナログスケール(人間での痛みの主観的強度評価法)0~100点で評価した臨床機能、3) WOMAC(西オンタリオ大学・マクマスター大学)変形性関節症指数で自己報告した身体機能・痛み・こわばり感、4) 6分間歩行試験。また、インターロイキン1(IL-1)、IL-6、腫瘍壊死因子(TNF)α、高感度C反応性蛋白(hsCRP)における血中濃度を測定した。
プラセボ群と比較して「機能・疼痛・こわばり感の全3つのサブスケールスコアにおける治療前値からの変化値が、プレドニゾロン群で有意に大きい」ことが示された。
WOMAC疼痛スコアの変化率は、プレドニゾロン群で12週間にわたり-3.4%(95%信頼区間[CI]:-5.15~2.99)であったのに対し、プラセボ群では-0.4%(95% CI:-0.193~0.41)であった(P=0.001)。WOMAC機能スコアもまたプレドニゾロン群の方が改善し、治療前値からの変化値は12週間にわたり-10.9(95% CI、 -4.46 to -2.31)であったのに対し、プラセボ群では-0.4(95% CI-0.196 to -0.29)であった(P=.005)。
6週と12週の両時点の「鎮痛剤の平均使用者数は、プラセボ群と比べてプレドニゾロン群で治療前値からの有意な減少が認められた」と同氏は補足した。
また、炎症マーカーであるIL-1、IL-6、腫瘍壊死因子α、高感度C反応性蛋白(hsCRP)の平均値は、いずれもプラセボ群と比較して、プレドニゾロン群の方が低いことが明らかにされた。例えば、6週時点のインターロイキン1は、プレドニゾロン群で18.7 pg/mL、プラセボ群で25 pg/mL(P=0.005)となり、これは12週間にわたり維持された。
「6分間歩行試験における治療前値からの変化値は、プレドニゾロン群で7.6 mであったのに対し、プラセボ群では0 mで、6週と12週時点で有意な改善がみられた。
治療に関連した有害作用は両群で類似しており、 重篤な有害事象は報告されなかった。
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