【警告】
・オムナコルチル20mgを含むがん化学療法は、緊急時に充分対応できる医療施設において、がん化学療法に充分な知識・経験を持つ医師のもとで、この治療が適切と判断される人についてのみ実施してください。また、治療開始に先立ち、有効性および危険性を充分理解し、同意してから使用してください。
【禁忌】
・オムナコルチル20mgの成分に対して過敏症の既往歴のある人
【原則禁忌】
・有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の人: 免疫機能抑制作用により、症状が増悪することがあります。
・消化性潰瘍の人: 肉芽組織増殖抑制作用により、潰瘍治癒(組織修復)が障害されることがあります。
・精神病の人: 大脳辺縁系の神経伝達物質に影響を与え、症状が増悪することがあります。
・結核性疾患の人: 免疫機能抑制作用により、症状が増悪することがあります。
・単純疱疹性角膜炎の人: 免疫機能抑制作用により、症状が増悪することがあります。
・後嚢白内障の人: 症状が増悪することがあります。
・緑内障の人: 眼圧の亢進により、緑内障が増悪することがあります。
・高血圧症の人: 電解質代謝作用により、高血圧症が増悪することがあります。
・電解質異常のある人: 電解質代謝作用により、電解質異常が増悪することがあります。
・血栓症の人: 血液凝固促進作用により、症状が増悪することがあります。
・最近行なった内臓手術創のある人: 創傷治癒(組織修復)が障害されることがあります。
・急性心筋梗塞を起こした人: 心破裂を起こしたとの報告があります。
【慎重使用】
・感染症の人: 免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがあります。
・糖尿病の人; 糖新生作用などにより血糖が上昇し、糖尿病が増悪するおそれがあります。
・骨粗しょう症の人: たんぱく異化作用などにより、骨粗しょう症が増悪するおそれがあります。
・腎不全の人: 薬物の排泄が遅延するため、体内蓄積による副作用があらわれるおそれがあります。
・甲状腺機能低下のある人: 血中半減期が延長するとの報告があり、副作用があらわれるおそれがあります。
・肝硬変の人: 代謝酵素活性の低下などにより、副作用が現れやすくなります。
・脂肪肝の人: 脂肪分解・再分布作用により、肝臓への脂肪沈着が増大し、脂肪肝が増悪するおそれがあります。
・脂肪塞栓症の人: 大量服用により脂肪塞栓症が起こるとの報告があり、症状が増悪するおそれがあります。
・重症筋無力症の人: 使用当初、一時症状が増悪するおそれがあります。
・高齢者
【重要な基本的注意】
・オムナコルチル20mgの服用により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化管潰瘍、糖尿病、精神障害などの重篤な副作用があらわれることがあるので、オムナコルチル20mgの服用にあたっては以下に注意してください。
1.服用に際しては特に適応、症状を考慮し、ほかの治療法によって充分に治療効果が期待できる場合には、オムナコルチル20mgを服用しないでください。また局所使用で充分な場合には、局所療法を行なってください。
2.服用中は副作用の発現に対し、常に充分な配慮と観察を行ない、またストレスから避けるようにし、事故、手術などの場合には増量するなど適切な処置を行なってください。
3.特に、オムナコルチル20mgの服用中に水痘または麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、以下に注意してください。
a) オムナコルチル20mgの服用前に水痘または麻疹の既往や予防接種の有無を確認してください。
b) 水痘または麻疹の既往のない人においては、水痘または麻疹への感染を極力防ぐよう常に充分な配慮と観察を行なってください。感染が疑われる場合や感染した場合には直ちに受診し、適切な処置を講じてください。
c) 水痘または麻疹の既往や予防接種を受けたことがあっても、オムナコルチル20mgの服用中は、水痘または麻疹を発症する可能性があるので留意してください。
4.連用後、服用を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、ショックなどの離脱症状があらわれることがあるので、服用を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行なってください。離脱症状があらわれた場合には、ただちに再服用または増量してください。
・オムナコルチル20mgの長期服用あるいは大量服用中の人、または服用中止後6ヵ月以内の人では、免疫機能が低下していることがあり、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強または持続させるおそれがあるので、生ワクチンを接種しないでください。
・副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの人において、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがあります。オムナコルチル20mgの服用期間中および服用終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行なうなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意してください。異常が認められた場合には、オムナコルチル20mgの減量を考慮し、抗ウイルス剤を使用するなど適切な処置を行なってください。なお、使用開始前にHBs抗原陰性の人において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されています。
・強皮症の人における強皮症腎クリーゼの発現率は、副腎皮質ホルモン剤使用の人で高いとの報告があります。オムナコルチル20mgを強皮症の人が使用する場合は、血圧および腎機能を慎重にモニターし、強皮症腎クリーゼの徴候や症状の出現に注意してください。また、異常が認められた場合には適切な処置を行なってください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・オムナコルチル20mgの服用量、服用スケジュールなどについては、学会のガイドラインなど、最新の情報を参考に服用してください。
・川崎病の急性期に用いる場合には、有熱期間は注射剤で治療し、解熱後にオムナコルチル20mgに切り替えてください。
【その他】
・副腎皮質ホルモン剤を使用中の人がわく知ん(種痘など)を接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告があります。
【高齢者】
・高齢者が長期服用した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗しょう症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障などの副作用が現れやすいので、慎重に服用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
・授乳中の人は、オムナコルチル20mgの服用中は授乳を避けてください。
【小児など】
・低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児の発育抑制があらわれることがあるので、監察を充分に行なってください。
・頭蓋内圧亢進や高血圧性脳症があらわれることがあります。