【警告】
・オレンシア点滴静注用250mgを使用した人に、重篤な感染症などがあらわれることがあります。敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症などの致命的な感染症が報告されているため、充分な観察を行なうなど感染症の発現に注意してください。また、オレンシア点滴静注用250mgとの関連性は明らかではありませんが、悪性腫瘍の発現も報告されています。オレンシア点滴静注用250mgが疾病を完治させる薬剤ではないことも含め、これらの情報を充分に理解した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。また、オレンシア点滴静注用250mgの使用において、重篤な副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に充分に措置できる医療施設および医師のもとで使用し、オレンシア点滴静注用250mg使用後に副作用が発現した場合には、担当医に連絡してください。
・オレンシア点滴静注用250mgの治療を行なう前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬の使用を充分勘案してください。また、オレンシア点滴静注用250mgについての充分な知識とリウマチ治療の経験を持つ医師が使用してください。
【禁忌】
・オレンシア点滴静注用250mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・重篤な感染症の人
【慎重使用】
・感染症の人、または感染症が疑われる人
・結核の既感染者(特に結核の既往歴のある人、および胸部レントゲン上結核治癒所見のある人): 結核を活動化させる可能性が否定できないので、胸部レントゲン検査などを定期的に行なうなど、結核症状の発現に充分注意してください。
・易感染性の状態にある人: 感染症を誘発するおそれがあります。
・間質性肺炎の既往歴のある人: 間質性肺炎が増悪または再発することがあります。
・慢性閉塞性肺疾患のある人
・高齢者
【重要な基本的注意】
・オレンシア点滴静注用250mgと高TNF製剤の併用は行なわないでください。海外で実施したプラセボを対照とした臨床試験において、オレンシア点滴静注用250mgと抗TNF製剤の併用療法を受けた人では併用による効果の増強は示されておらず、感染症および重篤な感染症の発現率が抗TNF製剤のみによる治療を受けた人での発現率と比べて高かったとの報告があります。また、抗TNF製剤などの生物製剤からオレンシア点滴静注用250mgに切り替える際には、感染症の兆候について状態を充分に観察してください。
・オレンシア点滴静注用250mgに関連した過敏症またはアナフィラキシー様症状が報告されています。重篤な感染症またはアナフィラキシー様症状が発現した場合は、すみやかに使用を中止し、適切な処置を行なってください。
・オレンシア点滴静注用250mgを含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において、感染症および悪性腫瘍に対する宿主の感染防御機構やワクチン接種に対する応答に影響を及ぼす可能性があるので、下記の点に注意してください。
感染症
・オレンシア点滴静注用250mgを使用した人に、敗血症や肺炎を含む重篤な感染症が報告されており、致命的な経過をたどることがあります。重篤な感染症の多くは、免疫抑制療法を併用している人において認められています。感染症の再発を繰り返す人、易感染性の状態にある人、あるいは慢性、潜在性の感染または局所感染がある人にオレンシア点滴静注用250mgの使用を考慮する場合、感染症の発現や増悪に充分注意してください。また、オレンシア点滴静注用250mgの使用中は、充分な観察を行ない、新たな感染症の発現に注意してください。重篤な感染症が発現した場合には、使用を中止し、適切な処置を行なってください。
・オレンシア点滴静注用250mg使用に先立って結核に関する充分な問診および胸部レントゲン検査に加え、インターフェロンγ遊離試験、またはツベルクリン反応検査を行ない、適宜胸部CT検査などを行なうことにより、結核感染の有無を確認してください。結核の既往歴を有する場合、および結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談してください。以下のいずれかの人は、原則として抗結核薬を使用した上で、オレンシア点滴静注用250mgを使用してください。
胸部画像検査で陳旧姓結核に合致するか推定される陰影を有する人
結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する人
インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により、既感染が強く疑われる人
結核の人との濃厚接触歴を有する人
また、オレンシア点滴静注用250mg使用中も、胸部レントゲン検査どの適切な検査を定期的に行なうなど結核症の発現には充分に注意し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱など)には速やかに担当医に連絡してください。なお、血同姓が確認された場合はオレンシア点滴静注用250mgを使用しないでください。
・抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されています。オレンシア点滴静注用250mg使用に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認してください。B型肝炎ウイルスキャリアの人、または既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体またはHBs抗体陽性)にオレンシア点滴静注用250mgを使用する場合は、臨床症状と臨床検値の観察を充分に行ない、B型肝炎の再燃の徴候に注意してください。なお、臨床検査では、ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった人は試験対象から除外されたとの報告があります。
2)悪性腫瘍
臨床試験において、悪性腫瘍の発現が報告されています。オレンシア点滴静注用250mgに起因するか明らかではありませんが、悪性腫瘍の発現に注意してください。
予防接種
オレンシア点滴静注用250mg使用中および使用中止後3ヵ月間は、生ワクチン接種により感染する潜在的リスクがあるので、生ワクチン接種を行なわないでください。また、一般にオレンシア点滴静注用250mgを含む免疫系に影響を及ぼす薬剤は、予防接種の効果を低下させる可能性があります。
・慢性閉塞性肺疾患のある人がオレンシア点滴静注用250mgを使用する場合には、慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現したとの報告があるので充分注意してください。
・オレンシア点滴静注用250mg使用により既存の乾癬の悪化または新規発現が惹起される可能性があります。既存の乾癬の悪化および新規発現に注意し、必要に応じて適切な処置を行なってください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬による適切な治療を行なっても、効果不充分な場合に使用してください。
・オレンシア点滴静注用250mgと抗TNF製剤の併用は行なわないでください。また、オレンシア点滴静注用250mgとほかの生物製剤の併用について、有効性および安全性は確立していないため併用は避けてください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・調整方法
使用量および必要なバイアル数について【用法及び用量】の表を参照してください。
オレンシア点滴静注用250mgに添付されたシリコーン油を塗布していない専用のディスポーザブルシリンジ及び18-21Gの注射針を用いて、オレンシア点滴静注用250mg1バイアルあたり10mLの日局注射用水(日局生理食塩液も使用可)で溶解し、日局生理食塩水で希釈します: シリコーン油が塗布されたシリンジを用いて調整した場合、オレンシア点滴静注用250mgの溶液中に浮遊物が生じることがあるため廃棄してください。
・使用方法
オレンシア点滴静注用250mgの希釈液の全量を30分かけて点滴静注します。
オレンシア点滴静注用250mgは、無菌・パイロジェンフリーでたんぱく結合性の低い0.2-1.2ミクロンのメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して使用してください。
オレンシア点滴静注用250mgは、独立したラインにより使用するものとし、ほかの注射剤・輸液などと混合しないでください。
【適用上の注意】
■溶解方法: オレンシア点滴静注用250mg に添付されたシリコーン油を塗布していない専用のディスポーザブルシリンジ
および18-21Gの注射針を用いて、オレンシア点滴静注用250mg1バイアルあたり10mLの日局注射用水(日局生理食塩液も使用可)で溶解してください。
オレンシア点滴静注用250mgのバイアルフリップオフキャップをはずし、ゴム栓表面をエタノール綿で清拭します。
注射針をゴム栓の中央に刺入し、1バイアルあたり10mLの日局注射用水(日局生理食塩液も使用可)をバイアルの壁面に沿って流れるように静かに注入します。その際に陰圧状態でないバイアルは使用しないでください。
内容物を泡立てないように注意し、バイアルを緩やかに渦をまくように回転させて完全に溶解します。決して激しく振らず、長時間振り混ぜないでください。
完全に溶解した後、泡立ちがある場合にはバイアル内に針で通気して泡を消散させます。溶解後の液は、無色から微黄色の澄明な液です。微粒子、変色、異物を認めたものは使用しないでください。
・希釈方法:
■希釈方法:
・溶解後速やかに総液量約100mLとなるように日局生理食塩液で希釈します。
あらかじめ日局生理食塩液100mLの点滴バッグまたはボトルから、バイアルの溶解液と同じ容量分(バイアルが2本の場合は20mL、3本の場合は30mL、4本の場合は40mL)を抜き取ります。
オレンシア点滴静注用
250mg
に添付されたシリコーン油を塗布していない専用のディスポーザブルシリンジ
および18-21Gの注射液を用いて、各バイアルの溶解液を点滴バッグまたはボトルに緩徐に注入し、緩やかに混和します。
・希釈後に微粒子や変色がないか目視で確認してください。微粒子または変色が認められた場合は希釈液を使用しないでください。
・希釈後は速やかに使用してください。なお、希釈後やむを得ず保存する場合は、2-25℃で保存し、24時間以内に使用してください。
■調製時:
オレンシア点滴静注用250mgをシリコーン油が塗布されたシリンジを用いて調整しないでください。オレンシア点滴静注用250mgの溶液中に浮遊物が生じることがあります。シリコーン油が塗布されたシリンジを用いて調整した溶液は廃棄してください。
【その他の注意】
・オレンシア点滴静注用250mgの臨床試験は国内では37.7ヵ月まで、海外では42.9ヵ月までの期間で実施されており、これらの期間を超えたオレンシア点滴静注用250mgの長期使用時の安全性は確立していません。
・オレンシア点滴静注用250mg使用での使用経験は限られています。
・オレンシア点滴静注用250mg使用後、オレンシア点滴静注用250mgに対する抗体が産生されることがあります。海外臨床試験において使用期間として最長8年間、オレンシア点滴静注用250mgによる治療を行なった関節リウマチ3985例についてオレンシア点滴静注用250mgに対する抗体の発現を評価したところ、オレンシア点滴静注用250mg使用期間中の抗体陽性率は4.8%、使用中断または中止した人における最終使用後43日以降の抗体陽性率は5.5%でした。また、評価が可能であった48例中22例に中和抗体活性が認められています。国内臨床試験では、使用期間中の抗体陽性率が3%、使用中断(最長約3年)または中止例も含めた全体の陽性率が14.3%であり、評価が可能であった25例中8例の中和抗体活性が認められています。なお、抗体の発現と効果または有害事象との関連は明らかではありません。
・海外において、JCウイルスの発現は確認されていないものの、オレンシア点滴静注用250mg使用中に進行性多巣性白質脳症(PML)を再発した症例が、市販後に報告されています。
・オレンシア点滴静注用250mgとタクロリムスなどのカルシニューリン阻害薬との併用について、安全性は確立していません。
【高齢者】
・一般に高齢者では生理機能が低下しているので、状態を充分に観察しながら慎重に使用し、適宜減量も考慮してください。
【妊婦、産婦、授乳婦】
・妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
・授乳中の人は、授乳を中止してください。
【小児など】
・小児などに対する安全性および有効性は確立していません。